さて、震災直後、TVで連日連夜サブリミナル効果を狙ったとしか言いようが無いくらい垂れ流されていた公共広告機構のCM。中でも「こだまでしょうか?」とナレーターが投げかける金子みすゞの詩を使ったCMが話題(?)になりました。それまで金子みすゞの詩はまともに読んだことがなかったので、あのCMで使われている詩が金子みすゞの詩だというのを知ったのはつい最近。それと言うのも、つい先日までウチの近所の商店街にある某有名雑貨チェーン店(高円寺店)の店頭に、他のどの商品をも押しのけて最前列にこれみよがしに「こだまでしょうか?」となぐり書きした手書きのポップと共に、かの詩が収録された詩集が山積みになっているのを見たからです。もちろん個人的に金子みすゞに対して何の怨みもありませんが、その無残に山積みになった詩集に、いや、詩集そのものにではなくその「光景」に、なぜかオレは薄ら寒いものを感じたわけです。その時オレのポケットにマッチの一本でもあったら、そして、それが罪に問われないというのなら、間違いなくその詩集の山に火を放っていたことでありましょう。なんとも商魂たくましいといいましょうか、あまりにも明け透けな便乗セールス。しかし、そんなあこぎな商売とて、つい乗せられて買い求める阿呆がいるから成り立つわけです。すぐ流行やら周りの時流に影響を受けてその物の深層も知らず(知ろうともせず)上っ面だけを撫でさすり、買い求めてから1ヵ月も経たぬうちに飽き、もう次の流行のものを追い求めるという、ただ単に世間の押し売りを右から右へ上から下へと鵜呑みにして垂れ流すだけで自分の体(精神)の中にはなにも残らず(残さず)何のポリシーもアイデンティティのかけらも持ち合わせていないまるでミドリムシかゾウリムシのような人種がこの世の中にどれだけ生息していることか!!しかし、そういうミドリムシやらゾウリムシな人々の行動力、購買力がひいては資本主義という巨大なシステムの歯車の一つ一つを回し続けてゆくための原動力になっているワケですから一概に「悪」とは言い切れないのでありましょう。悲しいかな、そういう人たちが一杯いてくれないとこの世は上手く回らないのであります。売る阿呆に買う阿呆。草葉の陰で憂いているのはきっと金子みすゞだけではないはずです。
ゴミのような気分の日(ほぼ1年365日!)。折れそうになるオレの心をある時は鼓舞し、ある時は慰めてくれる、そんな詩集がオレの本棚にもあります。その中の1冊、オレの心の師でもある孤高のシンガー、<NICK CAVE(ニック・ケイヴ)>の初期詩集『KING INK(キング・インク)』(山形浩生・訳)。そこに収録の「ハッピー・バースデー」という詩の抜粋を下に載せて今夜は店じまい。
「ハッピー・バースデー」 (抜粋)
すごくめでたい日
みんな楽しいことだらけ
アイスクリームにゼリー
腹にパンチ。
塀越しに吐きっこ
ごらん、あの子の顔が輝く
自転車だ!わあ、うれしい。
大きな自転車!大うれしい。
赤い自転車!赤うれしい。
うわあ、うれしい。
でも最高なのは 最高なのは
すごい犬椅子 きれいな犬椅子
それも十まで数えられる 十まで数えられる
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン。
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【ダンボール・バット~プチ情報】
●新ドラマーを迎えての半年振りのライヴ決定!!
2011年6月12日(日)
@東高円寺UFO-CLUB
「不埒なゴールデンショー」
開場 18:30/開演19:00
競演:
エルナ・フェラガ~モ、BLACK VELVET LUCY、
未練タラタラズ、Black&Blue
当バンド「ダンボール・バット」の出演順は 5番目
(21時40分頃スタート予定)
前売 ¥1,800・当日 ¥2,300
(前売/当日共にドリンク代別途¥500要)
前売りのご予約はこちらから
※当日のPM12:00まで受付中!
①ご予約の際は、お名前と枚数を明記してください。
②追って確認のメールを差し上げます。
③当日受付にてお名前をお申し出いただき「前売り料金」にてご入場ください。
④予約をしたものの当日都合でご来場になれない場合、こちらへのご連絡は不要です。
その場合のチケット代・キャンセル料等は一切頂きませんのでご安心してお申し込みください。
▼UFO-CLUBへの道順
東京メトロ「丸の内線・東高円寺駅」下車徒歩3分。
青梅街道と環七との交差点角

●ダンボール・バットのニューアルバムの地獄のレコーディング続行中!本夏完成予定!乞うご期待!
●女子コーラス隊、ファン、出演依頼等、随時募集しております。こちらからお気軽に!
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▼今夜のBGM
熱烈なエンケン・ファンってわけでは全然ないオレでありますが、「東京ワッショイ」('79)と「宇宙防衛軍」('80)の2枚のアルバムは別格です。その両アルバムにヴァージョン違いで収録されているのがこの曲。当時の貴重なTV出演時の映像を発見。それにしても平山三紀ってやっぱイイ女だったんですね。肩に手を回したりしてズルイぞエンケン!!
♪「哀愁の東京タワー」/遠藤賢司with平山三紀