2015年3月12日木曜日

グラムロック化したオフコース「さよなら」を近田春夫先生に聴かせアイドルと行き倒れになった夜。



 そういえば大昔、「オフコース」のトリビュートアルバムにダンボール・バットで参加しないか?という申し出を受けたことがあったのを、棚の奥から出てきたアッコ(和田アキ子)のトリビュートCDのジャケを眺めながら思い出していた。ダンボール・バットが和田アキ子のトリビュートCDに参加したのが2003年。その前後だったと思うが、誰からその話が来てその後どーなったのかの記憶がまるでない(多分「企画」自体立ち消えになったのだと思う)。しかし、それまでの人生においてろくに聴いたことのないオフコースを何度も何度も聴いて新宿ゴールデン街のハズレにある掘っ立て小屋のようなスタジオの中で何度も何度も演奏した記憶はある。しかも、それはアノ有名な「さよなら」とういう曲だった(!)。ダンボール・バットが「さよなら」をやる。想像つきますか皆さん(笑)。しかし、フツーはトリビュートアルバムに参加するからには多少なりともそのアーチストのことが好きだとか影響を受けたとかなにかしらあるものだろうがそれが全く無かった、オフコースに対して。考えようによっては至極失礼な話である。うむ。実現しなくてよかったのかもしれない。「さよなら」がイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のコード進行に酷似している箇所があるのを発見しスタジオん中でメンバーたちとどよめいた記憶も今となっては懐かしい。で、最終的にオレとしては「さよなら」をグラムロック調に仕立てる構想を持っていた(ハズ)。そう、もしも、近田春夫&ハルヲフォンが「さよなら」を名盤『電撃的東京』(‘78)の中で取り上げていたら・・・的な構想を持っていたのだ、たしか。しかし、その構想も幻に終わったが。

 近田春夫・・・といえば、言わずもがなオレが影響を受けた偉大なミュージシャンの一人である。その近田センセイの2枚目のソロアルバム「星くず兄弟の伝説」('80)を久々に引っ張り出して聴いている。ハルヲフォン~ビブラトーンズ(及び、平山みき「鬼が島」と、ビブラストーンの1枚目)にかけての諸作はとにかくどれも大好きでよく聴いたし、オレはそれらから多大なエキスとエッセンスを吸収し細胞レベルにまで影響を受けている(つもり)。だが、なぜかこのアルバムだけ買った当時からあまりピンと来なくて聴く機会が少なかった。が、先日渋谷のラストワルツで開催した雑誌「トラッシュアップ」とウチのバンド「ダンボール・バット」との共同企画シリーズイヴェント『ニューウェイヴ天下御免』の際に、ウチのステージの直前、DJブースにいた屑山編集長がこのアルバムの中の曲をかけたのを耳にし、いてもたってもいられなくなったのだ。う~む、今改めてじっくり聴いてみると悪くない。悪いはずがあるわけない。オレの耳が未熟だったのだ、多分。すまぬ、我が師よ。このちょっとケーハクなプラスチィックな触感。イケイケかと思えば急にアンニュイな横顔を見せたりする気の配りよう。業界(芸能界)を皮肉った歌詞も近田センセイらしい。タモリもお得意の“インチキ中国語”でゲスト参加している。そのアーバン・グラムロック歌謡とでも形容すべきサウンドは、近田春夫にしか成しえない音。一体、80年当時にこんな音楽やってる奴なんてこの日本で他にいただろうか?(他にいなかったから理解されなかったし売れなかった!)しいて言えば同時代のジュリー(沢田研二)ぐらいだろう(近田さんはジュリーのことを本気でライバル視していたからね!・・・笑)。近田春夫・・・日本のロック、ポピュラーミュージック史おいて、もっとも過小評価されているミュージシャンの一人ではないだろうか?などといまさら改めて声高に言うことでもないかもしれないが、ぜひとも今こそ再評価を!!・・・いやいや、誰も再評価などしてくれなくともオレの中でのその存在のデカさは宇宙的であり、かつ永遠に揺るぎのないものであることに変わりはない。それでいいではないか。ただ願わくば、死ぬまでに一度でいいからお会いしたい。そして、ダンボール・バットのペナっペナな薄っぺらい音の最新アルバムをそっと手渡せたら、と思う。「壊れたカセットはAOR」を果たしてどんな表情を浮かべて聴いてくれるだろうか?ハナで笑われる覚悟はできている。即ゴミ箱行きも喜んで。さあ、COME ON LET‘S GO♪と、近田先生の前で歌いたい。

 雑誌トラッシュアップと我がダンボール・バットとの共同企画シリーズイヴェント『ニューウェイヴ天下御免』が先日の3月7日の回をもって“とりあえず”最終回となった。約2年ちょっとで通算10回(番外編を入れれば11回)続いた。まあ、これで屑山さんも一つ肩の荷が降りたことだろう。マニアックな雑誌の編集長だからさぞかしいろいろとバンドの知り合いも多いだろうし、出演者なんてホイホイ見つかるだろう・・・などと、オレは勝手に一人合点しいい気になっていた。しかし、実情はそんな甘くはなかった。オレのほうから頼み込んで始まったイベントなのに、バンドの知り合いなど皆無のオレは、毎回出演者のセレクションを屑山さんに丸投げしてしまっていた。しかし、その屑山さんも毎回出演者を揃えるのに苦戦していた。今となっては申し訳ないことをしたな、もっとオレにも協力出来ることがあったのではないか?と、反省するのと同時に感謝して止まない。
  シリーズの途中ぐらいからは、トラッシュアップが誌面でアイドル(いわゆる今流行の「地下アイドル」ってやつです)を取り上げるようになるのとリンクするように毎回色々なアイドルグループがバンドに混じって出るようになった。アイドルグループのほうがお客を呼べたりするので頭が上がらなかった。が、正直、最初の頃はアイドルと同じイヴェントに出ることに対して違和感というか嫌悪感のようなものを覚えた。それに「今時」のアイドルっていうやつが全く理解できなかった。しかし、回を重ねるうちにアイドルを間近で目にする機会が増えるとそういう状況にも少しずつ慣れ、アイドルに対する抵抗力というか免疫が出来たのか、嫌悪感のようなものは自然と薄らいでいった。事実、先日の最終回に出てくれた某アイドルグループのステージも、もし3年前のオレだったら多分始まって3分もしないうちに発狂して会場を飛び出していたに違いない。が、その日は最後まで彼女らのステージを冷静に見ることができたし、楽曲に耳を傾ける余裕さえあった。むしろアイドルよりもその追っかけであるムサ苦しい野郎ファン(20代~どー見てもオレより年上のオヤジまで)たちのドスの効いた声援だったり、一糸乱れぬ「振り付け」などのほうに興味を惹かれた。この一見異様な光景が、まさに「今」ということなのであり、「時代」ということなのだろう。うーん、アポカリプス・ナウ。
  なにをやってもダメダメなオレの人生。もう残された道は地下アイドルのプロデュース(もしくは楽曲の提供)しかあるまい。と、また頓珍漢なことを妄想するオレ。「誰かイイ子紹介してくださいヨ」と、本気で屑山さんに頼み込むオレ。アイドルのプロデュースに手を出してあえなく失敗。で、アイドルとともに行き倒れってぇのも悪くないかもしれない平成枯れススキ。嗚呼、南無。

★今度の15日(日)、久々に高円寺UFO-CLUBでライヴやります。是非!!詳細下記。





ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
6月25日発売
▼告知PV
https://www.youtube.com/watch?v=kthRbBMdY7I
全14曲/1400円+税/
見開き紙ジャケット
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI/
ジャケ画:逆柱いみり/
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫/解説:岡村詩野、湯浅学/
寄せ書き:小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)&大田譲(カーネーション)
ゲスト・ヴォーカル:蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)
<敬称略>
配給:ブリッジ


 追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)


★今夜のBGM★
ひなびた山間の温泉のディスコだったら今もこういうナウい曲がかかっていてほしい。てっきり大貫憲章が回してんのかと思いきや切り株の上でリスがレコード回してました。イントロのリフがきのうから頭の中でメリーゴラウンドしてます。もちろんカーティス・メイフィールドの素晴らしい原曲あってこそのローファイディスコはダンボール箱をビニ傘でボコボコ叩いた即席ドラムで世露死苦哀愁。



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▼今後のイヴェント予定▼

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【ダンボール・バット】ライヴ

3月15日(日)
東高円寺UFO-CLUB
DJ:鈴木やすし(ザ・トランプ)
ライヴ:(以下出演順です)
>ダンス・クレオパトラ
>東京ブルースブレイカーズ
>日比谷カタン
>ダンボール・バット(PM9:00頃からの演奏です)
>スマートソウルコネクション

ご予約¥2000+1d、当日¥2300+1d
PM18:30開場 PM19:00開演

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから

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【ネオン警察】ライヴ
リーダー・AMIの闇のソロユニット


ネオン警察:
AMI(唄・テルミン・SAX)、MARI(ピアノ from BLACK&BLUE

4月3日(金)@高円寺「稲生座」
競演:竹花英就

料金:1570円+d代(当日券のみ)

PM7:30開場
PM8:00開演

※ネオン警察はPM8:00~のステージです




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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


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▼現在発売中のダンボール・バットのアルバム
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※タコシェ(中野ブロードウェイ内)、高円寺「円盤」等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
  DANBALL BAT PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

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