2015年4月9日木曜日

すでにヘドも出ない日々に黄色いブリーフ履いて「ヨイトマケの唄」歌って美輪明宏に説教されるパリ祭の夜。


 さっき買ってきたばかりのルーチョ・バッティスティの古いCDを聴きながら書いている。イタリアン・ポップス界の大御所なんだそうだ。埃っぽいオケに乗っかったちょっとガラっぱちで不器用な声がいい。そして滑らかさとは程遠いイタリア語のギクシャクしたイントネーションがこれまたいい感じ。なんだか、サイゼリアでムール貝のガーリック焼きを肴に100円のグラスワインでも飲みたくなってきた。最近なにかと足を運ぶ機会が多い格安イタリアン・レストランのサイゼリア。そういえば、高円寺にも先月ついにサイゼリアが出来たのだ。この前、ちょっと小洒落たパスタ屋で友人と飯を喰ったのだがこれが一向に美味くなかった。あの味ならその店の値段の3分の1で喰えるサイゼリアのイカスミのパスタのほうが断然美味いと思った。まあ、オレの舌というか味覚がすっかりビンボー人仕様になってしまっているから小洒落たパスタ屋の味なぞ理解できなくなっているのかもしれない。

 オレとしたことが前のブログから1ヶ月近くも更新できずにいたのか!?まいった。その間に桜が咲いて桜が散ってどこか遠くの国ででっかい飛行機が墜落したりどこかの村の村長がセクハラで訴えられたりペヤングソース焼きそば復活のニュースが届いたりした。2月下旬に終了したダンボール・バットのニューアルバムのマスタリング。これでレコーディングも全て終了・・・と、ほっと一息つく間もなく、それと引き換えに会社の醜い「残業」が始まったのだ(今もなお、地味に続いている!)。約1年に渡って続けてきた地獄のようなレコーディング作業の疲れがドッと出て、それに加えての連日の残業疲れで体力はもはや臨界点を迎えていた。と同時にCDリリースに向けた面倒な事務作業がいろいろ立て込んできてそれをさばく時間の余裕もなく本気で発狂しそうになっていた。そのうち物に八つ当たりし卓袱台やテレビを放り投げたり・・・まではしなかったが、そういうことをやりかねない状態にまで追い込まれていた。体調もおもわしくなく、ストレスで胃もやられた。不幸中の幸いという言い方は変かもしれないが、胃の調子が悪いから「酒」をガブ飲みするわけにもいかず、アル中にならずには済んだが(まあ、ほんとうに酒好きな奴は血を吐こうが飲むっていいますけどネ)、こういう状況を“満身創痍”とでもいうのだろうか?と、単にこの四文字熟語を使ってみたかったので書いてみたが間違っていたらごめんなさい。とにかくヘドが出そうな・・・いや、もはや吐き出すヘドすらないような日々に疲労困憊。
 そん中、4月3日に、前々から予定が入っていたオレの闇のソロユニット「ネオン警察」のライヴが高円寺の老舗のハコ<稲生座>であった。たしか開店からすでに30年ほど経っているハズ。オレも高円寺に住んですでに四半世紀(!)ケツに根っこが生えてしまったが、オレが引っ越してきたときにはすでにあったもんな。でも、一度も縁がなく観に行ったことも出演したこともなかった。知り合いの紹介で音源を店に持っていったのだが、「出ませんか?」の連絡が来たのがそれから1年もたった去年の暮れのことだった。音源を持っていったことなんてすっかり忘れていた。

これ、その日のライヴ写真(提供:小宮さん/クリックで拡大)。楽屋は無いし、ステージも激セマで、客も20人も入れば一杯の店内は、30年来の塵や埃や汗やナニやらが染み付いてそれらが自縛霊と化したようなヤニ茶けた空気がドンヨリ漂い、得体の知れないガラクタがそのへんを埋め尽くす異空間で、演歌ならぬ怨歌を奏でる我々「ネオン警察」の世界には全くハマり過ぎの店であった。あんなところでクルトワイルなんて歌ったらバッチりだろうね、なんてアップライトピアノの前に佇むダグマー・クラウゼの姿を夢想したりもした。
 音響もなかなかだったのだが、残念だったことがただ一つ。お客さんが全然いなかったこと!!(笑)かぁ~っっっっっっ!!それなりに告知もしたのだが、見事惨敗であった。まあ訳の分からぬ音楽聴きに花の金曜日の夜に高円寺くんだりまで来る物好きなどそうそういないってことだろう。またいつものことか、と、ションボリする気力も起きなかったが、両手の指で余裕で収まる数のお客人を前に、それでも精一杯約1時間近くのステージを相棒のマリ(ピアノ)と務めたのであった。オリジナル曲はもとより、“人力”によるクラフトワークの「放射能」のカバーはこれまでやった中でも出色の出来だったし、この日のために用意した即興曲・・・ウミウシとLSDとルー・リードを対峙させ現代アートに物申した実験作「ウミウシLSD」も常連の方には大ウケで、嗚呼、ほんともっとたくさんの人に見てもらいたかった。ライヴへ来なかったあなた、見逃したあなた、また損をしましたね!!もう、死んでください。
 ライヴ後、店の常連客とおぼしき全身にサインペンで描いたような薄ぼんやりしたTATOOだらけで鼻ピアスした巨漢の白人のおばちゃん(推定年齢:55歳)に、片言の日本語で話しかけられビールをご馳走になった。ライヴの冒頭、余興のつもりで沢田研二の「ストリッパー」をカシオトーン一丁で弾き語ったのだが、なぜかそのオバちゃんだけが異常にノリノリだったのが気になったのだが、なんでも本人曰く、昔、沢田研二のバックでダンサーをやったことがあるとかないとかって話を聞かされるも、片言過ぎる会話の内容が全く理解できずオレはただただニヤニヤしながら英語をもっと勉強しておくべきだったな、と、ちょっと後悔したり、まあ、もうあの店に出演することもないと思うが(ノルマが無けりゃ最高の店なんだが!!)、それもこれもイイ思い出になったとさ。
 そして、次回「ネオン警察」は、地獄のシャンソン・シンガー、盟友・蜂鳥あみ太との2マン企画@新宿カールモールにて(これまた場末なハコ!!いや、「場末」大好きだからいいんですけど(笑))。しかも、こともあろうに、フランスの建国記念日(=パリ祭)である7月14日に開催という暴挙。さらに、オレと蜂鳥あみ太との世界でも類を見ないカラオケによるインダストリアル・シャンソン・ユニット「AMI=あみ太」のステージも当然ご用意。これは、シャンソン界の大御所「アダモ」の有名曲をチープなインダストリアル風情の打ち込みカラオケでグッチョングッチョンに熱唱するという「だけ」のユニットなのだが、アダモの楽曲を解体→独自の解釈で再構築するといった崇高な使命を持ったユニットでもあるのだ。そんな我々特殊ユニットに、このたびついに「オリジナル曲」(!)が誕生したのであった。こちらは7月のライヴで公開予定。実にアーバン・インダストリアルな、なんだか小林麻美あたりが歌いそうな(←あみ太・談)AMI=あみ太の「新曲」にご期待を。

 ネオン警察も7月までには、そろそろ新曲の1曲でも作りたいところだし、もちろん、毎回好評のナニが飛び出すか分からない「即興曲」コーナーも予定。是非とも7月14日の「パリ祭」の日は新宿カールモールへおいで願いたい。世界中のシャンソン歌手が、この日、フランスの建国を祝って各地でさまざまなイヴェントを催すらしい。そんな厳かな日に、我々は、新宿の片隅で世界中のシャンソニエを敵に回すようなイヴェントを開催するのだった。フランス大使館、日本シャンソン協会からのクレーム必至。そして、今日昼のTV見てたら、例の全身まっ黄黄の美輪明宏が出てきて占いもどきのようなことをやっていたのだが、この人も、パリ祭の日には何か歌うんだろうか?それにしても、なんでこんなんなっちゃったんだろう、この人は?ヨイトマケの唄とかメケメケとかフツーに歌っていれば素晴らしい歌手のままでいられたのに。と、かつての美輪(丸山)明宏が好きだったオレはいぶかしげに思うのであった。オレも明日からは黄色いブリーフでも履こうかしらん。ああ、スピリチュアルって素晴らしい。


そして気が付けば豪華なゲスト陣を迎えてのダンボール・バットのレコ発が決まっていた。6月9日・・・そう、69(ロック)の日。ステキじゃないか。そして、CDの値段を1400円+税でいくか、1500円+税でいくか2週間悩ん挙句1500円+税に決断。たった100円に悩むオレが、愛おしい。



追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)


ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
6月25日発売
▼告知PV
https://www.youtube.com/watch?v=mnfyIyflmk4
全14曲/1500円+税/
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI/
ジャケ画:逆柱いみり/
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫/解説:岡村詩野、湯浅学/
寄せ書き:小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)&大田譲(カーネーション)
&ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)
<敬称略>
配給:ブリッジ


 


★今夜のBGM★
雲ひとつ無い3月の晴れ渡った空の下、黒い森を抜け塵ひとつ落ちていない無人のアウトバーンをソーセージかじりながら骨組みしかないベンツに乗って素っ裸で疾走しているのかもしれない。それは戦争の前触れの昂る感情なのかもしれないし戦争後の白痴化した希望の光なのかもしれないが今はメンソールのタバコがただ吸いたいだけなのかもしれない。アウトバーンの道端には梅の花もほころんだことだろう。

「モナ・ムール」
/クラウス・ディンガー+ライニッタ・ベラ・デュッセルドルフ('85)




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▼今後のイヴェント予定▼

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【ダンボール・バット】ライヴ

壊れたカセットは69(ロック)の日~
ダンボール・バットのニューアルバム
「壊れたカセットはAOR」発売記念イヴェント!
※CD先行発売・特典あり
※ダンボール・バット・オリジナルTシャツ販売予定
※他の出演者らの物販コーナーも併設

6月9日(火)@渋谷ラストワルツ
開場:PM18:30 DJ-START:PM19:00 開演:PM19:15

ご予約¥2000+1d、当日¥2300+1d

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから

DJ:コモエスタ八重樫

ゲストライヴ:
①シスター・ポール
②オバンドス
(安齋肇、朝倉世界一、白根ゆたんぽ、しりあがり寿、高橋キンタロー、薙野たかひろ、なんきん、パラダイス山元、ミック・イタヤ)

オープニングアクト:こまどり社(前衛獅子舞)

ダンボオール・バット+シスター・ポール+オバンドス+こまどり社によるグランド・フィナーレ・コーナーもあり



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【ネオン警察】ライヴ
リーダー・AMIの闇のソロユニット


ネオン警察:
AMI(唄・テルミン・SAX)、MARI(ピアノ from BLACK&BLUE

7月14日(火)@新宿「カールモール」

「特殊パリ祭~
   蜂鳥あみ太=4号×ネオン警察 2マン!」


PM7:30開場 PM8:00開演

ご予約¥2500+1d 当日¥3000+1d

出演>
ネオン警察(AMI:唄・テルミン・SAX + MARI:ピアノ)
蜂鳥あみ太=4号(唄)with 佐藤真也(ピアノ)

AMI=あみ太(AMI+蜂鳥あみ太=4号)




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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


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▼現在発売中のダンボール・バットのアルバム
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※タコシェ(中野ブロードウェイ内)、高円寺「円盤」等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
  DANBALL BAT PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)