会社の昼休み。口をきけるまともな人間がもう今の会社には誰もいなくなってしまったので、近所の公園でメシ食いながら寄ってくるハトやスズメと会話をする。きのうも、見たことがない野鳥が二羽(つがいか?)オレの座っているベンチのそばに来たので喰っていた豆大福(なんで昼飯に豆大福なぞ食っているのか、オレは・・・)の豆をほじくって投げてやったら喰ってくれた。しばらくすると、その場でペタンと地面に座り込み休んでいる。全く警戒していない。オレはニンゲンと認識されていないのか?まあ、いい。オレには既にニンゲンとしての生体反応などなく、ただの一本の「木」として認識されたのではないか、鳥たちに。有難いことだ、ムツゴロウさん。地面を這っているアリには塩辛い黄色いタクアンの切れ端を分けてやった。今頃巣の中じゃアリたちが脳卒中を起こしているかもしれない。許せ、アリよ。高い木の天辺のあたりでは、かつて人が飼っていたのが逃げ出して野生化したと思われる緑色の大型のインコがギャーギャーと泣き叫んでいた。そして気が付けばオレはハトと一緒にタソガレていた。
最近タソガレることが多くなった(いや、実際にはタソガレているヒマなどないのだが貧乏人には!)。そして、タソガレながらパット・メセニー・グループなんか聴いている。アーバンだなぁ、なんどとほざきながら都会の片隅のドブ色の空の下で。ついでに、パット・メセニーなんか聴きながら世界一白いTシャツとブルージンズが似合わない男(オレ)が柄にもなく片岡義男の文庫を読みふけっている。他の本は読んだことないが70年代後半に出た「ロンサム・カウボーイ」はなかなかの名著だ、と思う。まあ、こちらはアーバンというよりアーシーな香り満載の1冊だが、たまにはこういう淡々としていてクールな読み物もいいんじゃないか、などとクリスタルな気分になる。
「ロンサム・カウボーイ」などと聞くとガキの頃に流れていたパイオニアのカーステレオの渋いCMが頭に浮かぶ。最近知ったのだが、かのCMのナレーションは片岡義男がやっていたんだと。一生クルマの免許など取るつもりはないが、かのCMの影響か、自慢のカーステレオを積んだクルマに乗ってあてのない旅に出るのがちょっと夢だった、ガキの頃。もちろん、カーステレオというのは当時のカーステレオよ。カセットが聴けるやつ。ラジオもデッカいスイッチが付いていてバチンバチンと選局するタイプの。いかにも燃費の悪そうな角ばったボディのアメ車に乗って埃っぽいアメリカの田舎のハイウェイを飛ばして途中の寂れたドライヴインに寄ってジュークボックスで誰が歌ってんだか分からないカントリーなんか聴きながらパサパサのサンドウィッチとぬるいビールで遅い昼飯食いながらウェイトレスの姉ちゃんおケツでも眺めてさて今夜はどこに泊まろうかどうせあてのない旅だしな、などと言ってみたい、ほざいてみたい。この本読んでたら久々にそんな気分になった。都会の片隅で日々押し潰されそうになりながらゴキブリのように生きている哀れなこの中年男に一時の妄想を抱かせてくれた片岡義男の短編集と、その主人公たちに乾杯。、
ダンボール・バットのニューアルバム「壊れたカセットはAOR」のレコ発イヴェントが先日無事に終了した。ライヴ当日まで必死に告知をやった。集客はいつも悩みの種だ。客席がガラガラのレコ発なんて考えただけでも切ないではないか。結果的には50人近くのお客さんが来てくれて、ほっと胸を撫で下ろす。レコ発にふさわしいにぎやかなイヴェントになった。有難いことだ。これもひとえに、ゲスト出演していただいた方々・・・コモエスタ八重樫さん、シスター・ポール、OBANDOS、こまどり社・・・の皆さんのお陰だと思う。また、物販等々手伝っていただいたスタッフ諸氏にも感謝。
DJのコモエスタ八重樫さんは、もう何年もかけたことないよ、などと言いながら70年代後半から80年代の<おニューウェイヴ>的なセレクションを中心に回してくださった。たしか、オレのために(?)高見知佳もかけてくれたっけ(笑)。
オープニングアクトのこまどり社(シシハラ氏)は、もうオレのイヴェントにはかかせないキーパーソン(笑)。場の雰囲気を和ませ、盛り上げてくれるムードメイカー。“深谷(埼玉県)のエリック・ドルフィー”の異名を持つシシハラ氏には、ダンボール・バットのステージのほうでもSAXプレイヤーとして3曲ほど参加してもらった。すでにダンボール・バットの準メンバーになりつつある。次回のステージもよろしく!
シスター・ポールは元同じレーベルメイトでありながら今まで一度も共演したことがなかった。生演奏を目にするのもその夜が初めてだった。ベースとドラムだけのシンプルな編成でありながら退廃的で迫力のステージは、バンドとは、ロックとは、かくあるべき・・・と、改めて教えさせられたような気がした。きっと、70年代末期のロンドンあたりにはこういうイキな無名のバンドがいっぱいいたのではないか。生まれる時代、生まれる国を間違えたような気がする、と、オレはバンドをやりながらかねがね思うのだが、そのことを以前ススムさん(シスターポールのベース/Vo)に言ったら、ただニッコリ笑っているだけだった。うむ、カッコイイね、ススムさん。
豪華メンツの大所帯バンド、OBANDOSは、<工作バンド>と銘打つだけあって、メンバー全員の楽器がダンボール箱やら廃材を使った手作り楽器。ジャーマンロックのファウストがチンドン屋化して中近東でチャンチキおけさはフライング・リザーズの心・・・的サウンドは混沌としていながらも終始オチャメな雰囲気が漂う。それはヒトクセもフタクセもあるメンバーたちのキャラから醸し出される磁場のせいか。こちら、ライヴ終了後に楽屋にてパチリ。OBANDOSの首謀者である安齋肇氏と薙野たかひろ氏に挟まれたインチキ中国人のごとくのオレ。我が家の床の間に飾らせていただきます。
そして、我がダンボール・バット本番。リハをやったのにもかかわらずステージのモニター関係があまりよろしくなく終始やりづらかったこの日のステージ。いや、PAのせいにするのはやめよう。自分らの演奏能力が屁っぷりなだけではないか。まあ、とにかく勢いとへんなアクションでごまかしつつ10年ぶりに再演するナンバー含めての約1時間のステージはここ数年にないお客さんからの盛大な拍手に支えられこんな演奏でこんな拍手もらうのも心苦しいと思いつつもなんとか終了。無理矢理なアンコールまでやらせていただいた。反省することはいろいろあるけど、この日の衣装はよかったねぇ(笑)。ほれ、どこぞのフィリピンパブのハコバンかと、見まごうこのメンバー写真。昭和だねぇ。無国籍だね。オレ、月亭可朝に憧れてっからさ、今回カンカン帽かぶってみたの。案外に似合ってるじゃん。
で、イヴェントのグランド・フィナーレ・コーナーでは、出演者一同で土曜の夜でもないのにベイシティーローラーズの「サタデー・ナイト」を熱唱。客席の盛り上がりも最高潮に。いやあ、この出演者たちとこのイヴェントを開催できて良かった、正解だったとまさに実感した瞬間だった。こんな楽しい時間が100年も1000年も続けばいいのにと思った。また、明日になれば、現実に引き戻され、掃き溜めのような会社でゴミのような仕事にあくせく汗水を流さなければならないのだ。しかし、サタデー・ナイトを場内一体となって熱唱している間だけはそんな考えはハナクソほどにも浮かばなかった。地獄の底よりありがとうございました。なんとか成仏できます。
6月25日発売のダンボール・バットのニューアルバム。本日、第一便として、配給業者へ250枚発送完了しました。店頭に並ぶのも間もなく。今しばらく!!なお、ディスク・ユニオンでお買い上げになると、未発表音源CD-Rとディスクユニオン限定缶バッヂ(CDジャケットと同じデザインの予定)が付くそうです。タワレコは未発表音源CD-Rが付きます(店頭のみか?)。そのほか、AMAZON、HMV、JETSET RECORD、などのオンラインショップ、中野タコシェ店頭等でも入手できます。よろしくどうぞ。
追申:今回のCDのジャケ画を担当していただいた逆柱いみり先生からもニューアルバムに対して「すでにヘヴィー・ローテーションです!」との嬉しいメールを先日頂戴したところです。で、その
逆柱いみり先生の個展が京都のトランスポップギャラリーにて6月21日まで開催中とのこと。それに併せて会場ではダンボール・バットの新譜とTシャツもレコ発に先駆け既に極秘販売中だとか!!京都の方は是非!!http://www.trancepop.jp/
前売りのご予約はこちらの専用フォームからどうぞ
(当日のお昼12時まで受付中)・・・
追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)
ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI/
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI/
ジャケ画:逆柱いみり/
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫/解説:岡村詩野、湯浅学/
寄せ書き:小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)&大田譲(カーネーション)
&ホッピー神山
&ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donut(fromアメリコ)
Miiss Donut(fromアメリコ)
<敬称略>
配給:ブリッジ
配給:ブリッジ
★今夜のBGM★
まあそういうことで佐藤奈々子の色っぺー声に一目ぼれしました。この歌声あってこその名曲って気がします。
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【ネオン警察】ライヴ
リーダー・AMIの闇のソロユニット
ネオン警察:
AMI(唄・テルミン・SAX)、MARI(ピアノ from BLACK&BLUE)
7月14日(火)@新宿「カールモール」
「特殊パリ祭~
<蜂鳥あみ太=4号>×
<ネオン警察> 2マン!」
※蜂鳥あみ太とAMIの特殊シャンソンユニット<AMI=あみ太>のオリジナル曲発表コーナーあり!!
PM7:30開場 PM8:00開演
ご予約¥2500+1d 当日¥3000+1d
出演>
ネオン警察(AMI:唄・テルミン・SAX + MARI:ピアノ)
蜂鳥あみ太=4号(唄)with 佐藤真也(ピアノ)
AMI=あみ太(AMI+蜂鳥あみ太=4号)
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【ダンボール・バット】ライヴ
電邪羅素★離図夢(デンジャラス・リズム)
~ロック、シャンソン、無国籍、真夏の夜の頽廃のススメ~
8月7日(金)@渋谷ラストワルツ
開場:PM18:30 DJ-START:PM19:00 開演:PM19:15
ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから
DJ:湯浅学(音楽評論家/音楽家)
ライヴ:(以下出演順)
①蜂鳥あみ太w/佐藤真也(PIANO)
②シスター・ポール
③ダンボール・バット
オープニングアクト:
エーゲ海(こまどり社+嶋田真由美
※出演者全員によるグランド・フィナーレ・コーナーもあり
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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン
2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))
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