2016年2月12日金曜日

死んで腐るまで創作するぜとゲンズブールは言ったが、死んで腐ってもバンド続けるようなROCK馬鹿たちが集結した新宿JAMの夜。

 


▲3月にダンボール・バットのライヴ2本決定!!3月13日(日)には恵比寿BATICAで元コレクターズのオリマコト氏のイベントに出演!3月19日(土)には大久保ひかりのうまで、ダンボール・バットのジャケ画を描いていただいた漫画家の逆柱いみりセンセのバンド「漏電銀座」との2マン!!詳細は、ブログの下のほう、ライヴ情報へ!!






 「死んで腐るまで創作するぜ」・・・・・・これがオレの目下の一番の座右の銘かもしれない。これは、我が師、セルジュ・ゲンズブールが生前に吐いた言葉。いかにもゲンズブールらしいし、ゲンズブールだから言える言葉とも言える。オレが真似してこんな言葉吐いてもなんの説得力もない。ネコに小判、スルメのフンドシだ。カツシン(勝新太郎)が「死んで腐るまで座頭市やるぜ」っていうんなら説得力もあるってもんだが。
 オレもゲンズブールの墓石削った粉でも煎じて呑めば死んで腐る一歩手前ぐらいまでなら曲書けっかな?パスポート取らないと、フランス行かないと、人生初の飛行機旅行が、ゲンズブールの墓参りなんてシャレてるじゃんかよ。セ・シ・ボン!!
 
 そういや、夕べ、新宿JAMでのライヴイヴェント「90’s キャプテン・トリップ・ナイト」に出てた連中も、オレを含めて、多分、死んで腐るまで創作する(バンドやり続ける)ような連中ばっかだったな。みんな、10年、20年以上音楽を続けている連中ばっかだもん。ばっかだもん、っていうか「馬鹿だもん」、って言ったほうがいいような音楽馬鹿な連中ばっかで嬉しくなった。
 
 「キャプテン・トリップ」っていうのは、「マーブルシープ」ってバンドを率いて活動してた松谷さんが90年代に始めたレーベルで、欧米の埋もれたサイケなバンドのアルバムを復刻したり(こと、ノイ!やアモンデュールなんかのジャーマンロック系に強し)、国内のインディーズで活動していたヘンなバンドやらを多数リリースし続けた唯一無二の孤高のレーベルであった(現在も主に海外向けに運営は続けている模様)。メジャーデヴュー前の、かの「ゆらゆら帝国」もキャプテントリップから何枚かCDを出している。そして、わがダンボール・バットも、97年と、99年にCDをリリースさせてもらった経緯がある。当時、あちこちにデモテープを送ってみたものの全く反応がなく、唯一反応してくれたのが松谷さんだった。それがダンボール・バットの実質初CD作品となった97年の「さそりカクテル」(ガールズガレージバンド「さそり」とのカップリング・アルバム)だったのだ。
 そんなキャプテントリップゆかりのバンドが、シスター・ポールのススムさんの呼びかけで夕べJAMに集まったのだ。出演順に、シスター・ポール、ダンボール・バット、イライザ・ロイヤル&ザ・総括リンチ、そしてトリに松谷さん・・・社長のバンド、KEN MATSUTANI AND…の4組。
 まず今回のイベントの主催者でもあるシスター・ポールとは、当時レーベルメイトだったにもかかわらず、なぜか一度も共演したことがなかったのだが、去年、初めてススムさんと阿佐ヶ谷のサイゼリアで逢って意気投合(笑)し、去年6月に開催したダンボール・バットのレコ発イヴェントにも出ていただいた。夕べも、ベースとドラムの二人だけとは思えぬ相変わらずの爆音&壮絶なライヴだった。あの、ストイックなステージング、ヘッポコなオレには到底真似できんね。ススムさんはルー・リードを敬愛してるみたいだけど、なんか分かる気がするね。それにしても、毎回ドラムがいつぶっ壊れるか要らん心配をしてしまうよ、オレは(笑)。マッキーさんにスティックで殴られたら血吹いて一発で即死だろうね。 
 イライザ・ロイヤル&ザ・総括リンチのヴォーカルのイライザには、2012年に出したダンボール・バットの【馬鹿ヌーヴェルヴァーグ】ってアルバムの中の「アポカリプスDO or DIE」ってサイケデリック大作(大名曲なので未聴の方はこちらのPVをご覧ください)なナンバーでオレとのデュエットをお願いしてレコーディングに来てもらって以来の再会。というか、本人はあまり語られたくない過去かもしれないが、ダンボール・バットとの絡みは古くて、2000年ごろにウチのステージで数回だけだが、ダンサー(!)として参加してもらったことがあり、新宿のリキッドルームでのムーンライダーズ主催のイヴェントにダンボール・バットが呼ばれた際にも確か参加しているんだよ、彼女は。
 そして、ウチで長年コーラスやってもらってるアヤコと、イライザと、もう一人のメンバーとで組んだ3ピースのガールズバンドが「穴奴隷」(どんな奴隷だよ!!)で、キャプテントリップからCDも出してるのよね(アヤコは1枚目のCDの後に脱退)。
 総括リンチのライヴをナマで見たのは夕べが初めてだったのだが、なんだか彼女、歌がベラボーに上手くなってたんでビックリ。基本、音はパンクなんだけどね、演奏もタイトに決まってるし(ちなみにドラムを担当しているのは雑誌「TRASH-UP!!」の編集長の嶋田さん)、歌ちゃんとしてるし、ダメじゃん!!って(笑)。昔、もっと歌ひどかったじゃん(褒め言葉ね)!!って。あんまり上手くなっちゃダメだよって、毛皮を羽織ってラメのドレス着たまるで銀座のクラブのママ然としたイライザにライヴ後話かけたら彼女大ウケしていた。
 
 そして、キャプテントリップのドン、松谷社長。何十年ぶりかの再会ですよ。どんな感動的な再会があるのかとオレも身構えていたのだが、リハで顔を合わせた瞬間、お互いちょっと硬い表情で「どうも・・・お久しぶりです・・・」なんて遠巻きにまるで他人行儀なご挨拶を交わしちゃったりなんかして。まあね、お互いもういい歳の大人ですから、まあね、当時イロイロありましたから・・・って、無い無い、なんにも無い(笑)。ただ、お互い照れていただけだよ。
 本番前、楽屋で少しずつ話を交わすうちにお互いの間のこわばった空気も和み、イヴェント終了後には、短い間の立ち話だったけど、思い出話にも花が咲き、お互いの新作を交換しつつ、最後は肩を組んで写真を撮らせてもらった。
 「四捨五入するともうオレも60だよ・・・」なんて言って社長笑ってたっけ。そうか、オレも歳取るハズだよ。髪はすっかり白くなり、ちょっと体調悪そうだったけど、見た目は昔のまんまだったな。バックバンドを率いてアコギかき鳴らしながら歌う社長は楽しそうだった。
 「今日はどうもありがとう。レーベルやってよかったです!」というMCが涙を誘うじゃん。てっきりサイケっぽいのをブチかますのかと思っていたのだが意外にもアーシーなロックだった。さんざんドロドロでヘヴィーなサイケをやってきた男が辿り着く先はこういうシンプルなロックなのかもしれないと思わせるものがあった。が、シンプルだがけして枯れているわけではなく、終始その音は激情していた。情に流されそうになりながら必死で踏みとどまっているような少々苦味のある音が、オレと社長とのン十年ぶりの再会の一夜にそっと一輪の花を添えてくれたような思いがした。松谷さん、ありがとう。
 
 さらに夕べはサプライズがもうひとつあった。ダンボール・バットの初期の頃から2007年リリースのCD「コンピュータ・ベルリン」の頃まで長年に渡ってドラムを叩き続けてくれた高橋章子嬢(現在、女性トリオによるプログレバンド「アルスノヴァ」に参加中)が夕べライヴを見に来てくれた。ダンボール・バットの裏も表も酸いも甘いも歴史もクソも全て知り尽くしている生き証人(?)とでも言うべき彼女。本番前の楽屋での再会の喜びもつかの間、元メンバーにライヴを見られるという初めてのシチュエーションに、「下手なモノは見せられない」と、妙なテンションが上がる一方、何をやっても全て見抜かれてしまっているのではないか、という何とも心もとない倒錯した気分のまま、30分間のあっという間のステージを終えたのであった。
 ライヴ後、彼女のほうから感想を言ってきた。「いかがわしさはそのままだけど、なんか大人になったねぇ」と。なんだか親にさとされる子供のような心境になる。うむ。ひとまずは褒め言葉と捉えよう(笑)。もうすぐ30周年ですからね、大人にならないとね、いい加減。2008年に彼女がダンボール・バットを抜けて以来ほぼ音信不通になっていたのだが、これを機に、また、交流できたらとも思う。変拍子は得意だけど8ビートが苦手(笑)という特異なドラマーだった彼女。オレの作るわけのわからぬ曲にも文句言わずに柔軟に対応してくれ、長年ダンボール・バットの屋台骨を支えてくれた彼女には今も感謝している。そうね、いつか、ツイン・ドラム編成のダンボール・バットを披露できる日が来るやも知れぬ。なんてね。
 
 夕べは持ち時間が少なかったからね、ちょっと不完全燃焼のステージだったけど、出来はまあまあだったかな。初披露の新曲「ロンザム・カウボーイOK?」はどうだったかな?オレはこの曲、かなり気に入っていてね(毎度毎度の自画自賛!)、いや、ギターのサムちゃんもイイ曲だって言ってくれてるよ。ニナ・ハーゲン(正式にはニナ・ハーゲン・バンド)の名作1stアルバム(ホッピー神山センセもあれは名盤と言っておられた)にインスパイアされて作った曲なんだけど、あのアルバムの、ハードロックをニューウェイヴで中和したような触感が好きでそれを目指して作ったの。でも、なぜか、タイトルと歌詞の内容は、片岡義夫の初期の短編小説集「ロンサム・カウボーイ」(名作!)からのインスパイアという毎度ながらのわけの分からぬ組み合わせとオレの妄想により完成した曲なのだ。イメージ的にはちょっとカルメン・マキ&OZもツメの垢ほど混入しているかも(笑)。ダンボール・バットの次のアルバム(100年後か?!)のタイトル・トラックにしてもいい、と、思うくらい気に入っているんだけど、オレ声量が無いからさ、ああいうハードな曲は向いていないのかも。案外、葛城ユキとかに歌ってもらったほうがいいかもしれない(笑)。♪ボヘミア~ン・・・の葛城ユキだよ。ヤングは知らないよな。今も現役だよ、あの人、凄いよ。日本のスージー・クアトロ(笑)。
 あれ?何の話してんだっけ?まあ、とにかくいろいろな意味で感激の一夜だったね、夕べは。まるで同窓会だった。みんなとりあえず生きてて良かったね、って(笑)。みんな、ありがとう。

 さてと、新曲でも作りますか。曲なんか作っても印税が入るわけでもなし一銭にもならんけどね。一銭にもならん曲を、「死んで腐るまで」あと何曲オレは書くのかね?オレはあと何曲書けるのかね?
 そして、ゲンズブールの墓参りか。パスポート?嗚呼、たかがパスポート作るカネすらないよ、オレ。情けねぇなぁ。




今夜のBGM


うちの近所のネパール料理屋のカレーが絶品だったんですが、コックさんが替わってしまい、途端にマズくなっちゃってショック受けてます。以来、あちらのカレー屋こちらのカレー屋とさ迷っているのですがどこも失敗ばかり。すっかりカレー難民と化しております。カレーの話してたらこんな曲を思い出しました。80年代初頭にッヒットしたモンスーンなるイギリスのグループのこの曲。ニューウェイヴのエキスで煮詰めたインド歌謡ディスコは、ガンジス河の水面を渡る涼やかな風の如し。今聴いても古くない。シンガーのシーラ・チャンドラはその後ソロでも活躍。




通販のお知らせ
2000年前後に録音したデモ音源とライヴ音源計14曲(71分)を収録したCD-R「モンドセレクション」、同じく2002年~2003年頃に録音したデモ音源とライヴ音源計13曲(62分)を収録したCD-R「モンドセレクション2」販売中です。注文受けてからの受注生産です。古い録音によるチープな音源ですのでどうぞご了承ください。税込み各1000円。送料はサービスいたします。振込み手数料はご負担ください。ご希望の方はご一報ください。




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ダンボール・バットのニューアルバム「壊れたカセットはAOR」、みなさんにはもう聴いていただけたのだろうか?お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。デイスクユニオンでは店頭・通販ともに特典が付く模様(右写真:缶バッヂとCD-R。なくなり次第終了)。アマゾンタワーレコード名古屋市今池の中古CD店「ワイルドハニー」さん、京都市の市役所近くの中古CD&古書店「100000tアローントコ」さんの店頭、沖縄の「CD屋」さんの店頭&通販でも取り扱い開始しました。また、京都「トランスポップ・ギャラリー」東京・中野の「タコシェ」ではCD及びオリジナルTシャツ販売中です。高円寺「円盤」にもCD入荷しました。JET SET RECORDHMV、他でも販売中!

             ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)

全14曲(約1時間収録)/1500円+税/
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫

解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>






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▼今後のLIVE予定▼

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2016年【ダンボール・バット】ライヴ

◆3月13日(日)恵比寿BATICA
 【オリ マコトpresents HELLO EXCENTRICO!!!
共演:
Francis(オリ マコト<ex コレクターズ>ソロユニット)

松江潤(ex SPOOZYS)

DJ:KINK, DUCK ROCK

PM18:00 OPEN PM18:30 START
前売り¥3000+1drink代(当日¥3500+1drink代)


元コレクターズのベーシストだったオリマコトさんが企画するエキセントリックなシリーズイヴェント。






◆3月19日(土)大久保ひかりのうま
 ダンボール・バット企画【漏電バット】
  
共演:漏電銀座(漫画家:逆柱いみりバンド)

PM19:00 OPEN PM19:30 START
当日券のみ¥2000+1drink代
ダンボール・バット、ヒカシューの新作のジャケ画を担当した漫画家・逆柱いみりさん率いるニューウェイヴバンド「漏電銀座」との2マン!たっぷりやります。新曲も投入。




ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから。当日お昼まで受け付け!




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追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)
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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから