2016年10月14日金曜日

ダシの効きすぎた「ラジオスターの悲劇」を聴きながら今日も喫茶店で死んでるオレがインスタで胸焼けを起こした夜。


▲エセ・グラフィックデザイナーのAMIです。
チラシつくりました。
今年最後のライヴです、多分。
ダンボール・バット企画!ぜひ!
※当日券のみのイベントです。詳細はブログの下に。





 
 寒空の下、西荻窪のケモノ道を徘徊中に得体の知れぬ強力な磁場に引き寄せられその店内に瞬く間に吸い込まれてしまった俺は誘蛾灯に捕らえられた一匹の蛾。店の名は「ビーイン」。この凶悪なまでの場末感を俺の拙い写真でお伝えできないのが口惜しい。喫茶店の本来あるべき姿とはこういう空間のことじゃなかったのか。スタバ?そんな府抜けた名前出さないでくれ。とにもかくにもここはまるで墓場のような空間だが妙に心落ち着くのはどうしてか?俺がすでに死んだ人間だからだろうか?すきま風に乗ってユパンキの爪弾く枯れたギターが聴こえてきそうな、それこそアンデス山脈の山腹とかに建っていてもおかしくないようなこの1972年の開店以来この地で風雨にさらされ続けた建物の醸し出すどーにも人間臭い佇まい。時間はとっくの昔に止まったままだ。この空間に時間の概念は無い、というか不要。偶然遭遇してしまった西荻窪の露地裏の魔窟で小倉久寛を更に小型化したような頑固そうな店主がいれてくれた炭火焼コーヒー(席まで店主自らがサイフォンを持ってきてカップに注いでくれるという本格派)をすすってみれば、もはやロシア・アヴァンギャルドと化した壁のポスターの原色がむせび泣く。俺は今、茶色の壁と同化しつつある。ピラフを炒める匂いとタバコのケムリと埃臭いような温かい湿り気に包まれて。そして、TVの音にかき消されそうに小さく流れる店内のBGMは今まさに「ボーン・イン・ザ・USA」。なぜにこのタイミングで?(笑)さらに、プリンス「レッツ・ゴー・クレイジー」、バグルズ「ラジオスターの悲劇」と80sクラシックが続く。「ラジオスターの悲劇」といえば元々が名曲であるが、この曲がこんなに心に染みたのは人生において今日が一番だったかもしれぬ。この墓場には、どんな歌をも許容し、さらに歌のコクを倍加させる魔力があるのかもしれぬ。ごちそうさまでした。心の洗濯完了。

というわけで、いまだシゴト決まらずうらぶれた喫茶店なぞをまっ昼間っからほっつき歩いている。7月末からシゴトを探し出して今のところ20数件の求人に応募したが箸にも棒にも引っ掛からぬ。なめられたものだ。一応、グラフィック・ソフトが使える仕事でさらに未経験OKと書かれた求人を中心に応募してはいるのだが、実務経験もないこんなオッサンにシゴトなんかねぇーとよ。未経験OKってぇのはあくまで若者に対してのことであってオッサンならそれ相応の経験があってしかるべきってことなんだろう。そのほとんどが面接にすら辿りつけぬ。人も見ずに年齢だの上っ面の経験だけで切り捨てにかかる。それがこの社会の現実だ。
おまけに求人サイトに4つも5つも登録したもんだから毎日数十数百の求人情報が嫌がらせのようにメールで送られてくる。全部見ていたら多分1日がかりの量だ。目ぼしそうなものだけに当たりをつけてパッパッと見てゆくのだがこれが結構な根気がいる。そしてだいたいが徒労に終わる。ちょっと良さそうだなと思うと勤務地が地の果てのような場所だったり、実務経験何年以上とか、聞いたことも触ったこともないソフトのスキルを要求されたり、残業時間が月30時間だとか(月30時間なんて残業のうちに入らねぇよとおっしゃる向きもあろうが・・・)、20代から30代前半の若いスタッフが活躍中の職場でぇ~すなどとあからさまにオッサンを排除しているのが見え見えだったり・・・エトセトラ。そんな中から応募できそうなものを探し出すのだが、それはまさにスモーキーマウンテン(ゴミの山)の中から落してしまったコンタクトレンズを探し出すような試練である。最近それがなんだか非常に無駄な時間に思えてきた。もちろんシゴトは探さなきゃまずいんだが。
 さらにオレを苦しめるのが、そんな悶々とした気分でインスタだのフェイスブックなどを見てると常盤(響)さんが今日もキレイなデルモのチャンネェにキワドイ水着を着せてエロっちいポーズとらせて撮った写真が流れてくる。やりきれんわ、もう!!(笑)と、ちゃぶ台をひっくり返す。まあ、響(呼び捨て!)・・・金持ってんだろうしモテるんだろうしな、比べるだけ阿呆と分かってはいるのだが、虚しさだけがオレの中で風船のようにどんどん膨らんでゆく。
 ああ、オレはどーなるんだろうか。シゴトが決まって歳を越せるんだろうか?(働かなくていいんならもちろん一生働きたくなどないが!!) 世の中、クリスマスケーキの予約だのオセチがどーしただの、なんだか早くも年末のそわそわ感が漂い始めている。そろそろ職種を選んでいる時間の余裕もなくなってきた。ああ、オレにあと少しの才能と運があったら、音楽で、文章で、写真で、少しは生活の糧の足しになるぐらいのいくばくかの銭ぐらい得られたかもしれぬ。が、なにを言っても負け犬の遠吠えにしか聞こえぬ。川谷拓三が歌うセンチメンタルな「負け犬のブルース」がオレの耳の奥で静かに鳴っている。
 
 仕事も決まらないのに、喫茶店などで呆けている場合いではないが、シゴト探しの合間になぜか喫茶店巡りが日課のようになってしまった・・・いや、逆か(笑)。喫茶店巡りの間にシゴト探ししてるんか?いや、別に日課というほど行ってはいないよ。マックやコンビニでなら100円で飲めるものを無職の身でコーヒー1杯500円はけして安くないし、ちょっと遠征するとなれば電車賃もかかるしね。でもたしかに以前に比べればここ最近オレの喫茶店探訪率が上がっているのは確か。せいぜい近所の名曲喫茶にたまに行くぐらいだったオレが、なんで喫茶店へ通うようになったかっていえば、そうね、今年の7月まで通っていた例のWEBの訓練校の友達連中と学校帰りに喫茶店に通うようになったのがきっかけだろうね。わざわざネットで場末な店を探してコーヒーを飲みに行ってた。で、その時の様子をいろいろ写真に撮ってインスタにUPすんのが楽しくなってね(笑)。それまではレストランとかでいちいち出てきた食べ物の写真撮ってるヤツを横目で見ながら馬鹿じゃないの?なんてずっと小馬鹿にしてたんだけどいざ自分がやってみると楽しくて(笑)。撮りたくなる気持ち、わかるよ。などと共感する始末。学校帰りに行くのはいつも男だけのチームだったけど、ケーキセットなんてのを頼んでね、それぞれ種類の違うケーキを頼んでちょっとづつ交換したりして、それを写真撮って、もう、女子会みたいな(笑)。完全に馬鹿。
で、撮った写真の色味だとか構図なんかをちょっと調整して、それからその場でキャプションを考えるのがまた楽しい。オレは写真よりもキャプションを考えることに力を注ぐ(笑)。文章を考える鍛錬にもなるしね。
それはそうと、見ず知らずの他人のインスタ眺めてもなんか心にガツンと来る写真がほとんどない。綺麗な写真はあってもなんか薄っぺらいんだよ。偽善っぽいっていうか。ロクでもない写真ばっかだよ、9割は。インスタにそこまで求めるほうが間違っているんだろうけど、「いい意味でのロクでもない」じゃなくて「悪い意味でのロクでもない」写真ばっか。ただ単にオレの趣味嗜好や価値観やセンスと合わないだけなんだろうけど、インスタの写真見てると世の中の大半の人間とオレはやっぱりウマが合わないんだな、やっぱハグレ者なんだなってのを実感する。
毎年この時期になるとノーベル文学賞を今年こそ村上春樹がとっちまうんじゃないかと文学好きの友人と戦々恐々としているわけだけど、今年はまさかのボブ・ディランが受賞ってことで(直枝さんおめでとうございます!!笑)、ボブ・ディランが受賞したという意外性に対する驚きよりも村上春樹が今年も無事に賞を逃してくれたことへの安堵でその友人とそっと胸をなでおろしたところなんだけど、こともあろうに、夕べオレのインスタをフォローしてきたヤツのプロフィール見たら村上春樹の大ファンの文字が目に入り(笑)ガックリしたのを思い出した。オレが毎年ノーベル賞の時期にそんなことを考えているなんていうことをそいつは当然知る由もないんだろうが、しかし、なんでそんな奴にフォローされるのか理由が分からない。まあ、勝手にしてくれ。
とにかくヘンなヤツだらけだよ、インスタ(笑)。空だの花の写真に自己啓発的な言葉を合成した写真ばっかり連投してる奴とか、胸焼けするような料理の写真で埋め尽くしてる奴とか、副業で何百万稼ぎましたとかのたまう起業家とか、イルミネーションの夜景ばっか撮って悦に入ってるプロカメラマン気取りの勘違い野郎に、東野圭吾の大ファン、国籍不明の外国人、スタバのコーヒーばっか物撮りしてる阿呆とかエトセトラ。そんなけったいな人たち、というか、オレの趣味趣向と鼻毛ほどの接点も見いだせないような人たちからフォローされたりイイネ!されたりして薄気味悪くも可笑しな素晴らしいインスタグラムの世界。あなたも覗いてみませんか?
ちなみにオレの写真は少々しょっぱ目。キャプションも普通の人はせいぜい一言二言なのに、長文(笑)。だから、覗きに来た奴からすればヘンな奴に思われているんだろうね。写真投稿数の割にはイイネもほとんどされないし。まあ、いいよ、あんまりおかしな連中と関わりたくないし。一般ピープルが一番ヘンっていうのがインスタを始めて一番オレが実感したこと。オレの「ヘンさ」の比じゃない。

 
 さて、喫茶店に話を戻す。オレが訪ねるのはいわゆる純喫茶と呼ばれる類の店だ。ただの喫茶店と純喫茶の正確な線引きはオレにははっきりわからぬが、うらぶれてて場末感が高くて銀の皿に乗ったナポリタンだのメロンソーダが出てくるような昭和の遺構のような店を称して純喫茶と言うのだとオレの中では理解している。うらぶれ具合、場末感が高ければ高いほど有難いしオレの琴線を震わす(笑)。メニューの味は二の次だ。美味い店もあるし、激マズの店にも遭遇したが、そのマズさも含めてが純喫茶の存在意義だと思う。すでに絶滅危惧種のこれらの店。消滅する前にもう少し訪ねて歩きたいと思う。世の中ひょっとして純喫茶がプチ・ブームなのだろうか?それらの店をレポートしたブログや本がけっこう散見される。が、だいたいが上っ面のコクも面白味も無い文章のものが多い。オレもそんな本を出せればいいな、などと、夢想するも、たぶんオレの汚い文章、出版社がOK出すハズがないな、と、苦笑い。まあ、いいさ。自分が本を出したらという想定で架空の表紙を作ってみた(上の写真)。発売は「主婦の友社」から(笑)。
 最後に、先日行った名曲喫茶レポートで今日のブログを閉じる。

初上陸、本郷三丁目の名曲喫茶「麦」。地下に広がる昭和の遺構、阿片窟。ヤニ茶けた空間に、所望したメロンソーダ(400)の緑が映えるもソーダ感(炭酸感)ゼロでひたすらに甘ったるい。名曲喫茶とうたってはいるが誰も音楽に耳を傾けている者なし。かかっている曲もクラシックには違いないが節操がない。大声で競馬の話に興じるジジイ二人連れ。ロレツの回らないままキャバクラの話で盛り上がる眼光鋭いオッサン。それに対してケラケラと素っ頓狂な声でひたすら笑って女の口説き方を講釈する阿呆。 巨大な虫眼鏡で新聞を隅々まで喰い入るように読み続けるくたびれたサラリーマン風、etc。この雑多な感じが、このやさぐれ感が本郷なのか?高円寺の名曲喫茶とは明らかに空気が違う。色あせた油絵。顔を見ても誰だか判別できぬ作曲家の肖像画。小学校の時の音楽室を思い出す。そんな阿片窟に似つかわしくない若いウェイトレスのおネェちゃんのピチピチのジーンズのお尻を天井からぶら下がる玉暖簾(たまのれん)越しにチラ見しながらソーダに浮かんたチェリーの赤が目に染みたのであった。帰りに粋なデザインのマッチをいただき店を後にした。






▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。



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今夜のBGM


ディスコ3000って(笑)。78年という時代を考えればかのサン・ラがディスコに触発されたしてもおかしくはないがやっぱりそこはサン・ラ。ぜんぜん踊れないディスコだよ。ピラミッドのてっぺんで踊るタコ踊り。夜明けは遠い。




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【ダンボール・バット】ライヴ

10月29日(土)@JR高円寺駅前南口広場
          「高円寺フェス」 PM14時~
http://koenjifes.jp/
毎年恒例の高円寺フェスに初参戦!!
ダンボール・バット初の屋外イヴェント!!
たぶんヘロヘロなステージを予想!!

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11月5日(土)@高円寺GRAIN
※JR高円寺駅より徒歩2分。仲通り商店街入ってスグ右手。
1Fが「成都」という中華屋の2Fです。
http://grain-kouenji.jp/

DANBALL BAT企画
「爆裂!土曜音楽館3」
~香港とジョージアから来た男たち女たち~

共演:GEORGIA ON MY MINDS(Vo:コン カオリ)

開場PM7:00 開演PM7:30
料金:当日券のみ¥2000+drink代



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ダンボール・バットの最新アルバム
「壊れたカセットはAOR」
お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。
店頭になき場合は通販もいたしますので
お問合せください。

デイスクユニオン
アマゾン
タワーレコード
名古屋市今池「ワイルドハニー」
京都市「100000tアローントコ」
沖縄「CD屋」の店頭&通販
京都「トランスポップ・ギャラリー」
東京・中野の「タコシェ」
高円寺「円盤」
JET SET RECORDHMV、他でも販売中!



    「壊れたカセットはAOR」/
ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)
全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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