2011年10月31日月曜日
ボウイのミックスが気にいらないってイギーが言ってた。
ン十年、仕事一筋に仕事だけが生きがいで馬車馬のように働いてきたサラリーマンのオッサンが定年を迎え、もう会社へ行く必要がなくなり、来る日も来る日もセミのサナギの抜け殻のように廃人のように縁側に一日中座ってボケーっと日向ぼっこしている図。そんな定年退職したサラリーマンのカラッポな気分とはきっとこういう気分なのではないのかしら?というような超重量級の虚無感にここ最近押しつぶされそうになっています。もちろん、この一年、寝る間も惜しんで全てを犠牲にして続けてきたダンボール・バットの鬼畜のレコーディング作業が先週終ったからです。まさにもぬけの殻状態のボクちん。それまで背負わされていた100kg近いコンクリート製の巨大な十字架を急に背中から降ろされ、ふらつく体を両方の足で必死に支えようとするのに足が地面から1cmくらい浮いているような心もとない気分です。しかし、十字架を降ろしたとはいえ、CD発売までにはまだまだやることはあるわけでして、明日もようやくCDの配給会社(卸問屋)のアテが見つかったのでその会社に話しをつけに行ってまいります。
さて、その肝心のCDの出来具合はというと月並みな採点法で恐縮ですが、100点満点で言うと50点と言ったところでしょうか(甘めに見て)。この数字が低いか高いか。今まで「ダンボール・バット」名義で出したCDを全部足して枚数で割った平均点数が100点満点でだいたい25点なんです、オレの中では。ということは、それに比べれば単純に倍UPしているってことです。過去のCDを買っていただいた方には心苦しいのですが、今まで出したCDは「作品」でなく「デモに毛が生えたモノ」だったのでは?という気が強くします。今回のCDが初めて「作品」と言って他人に渡しても恥ずかしくない出来なのではないかと思っています。せめてデヴュー・アルバムがこれくらいのレベルだったら許容範囲ではないか、という最低限クリアのレベル(この後、2枚目、3枚目と、どんどん良くなっていくという意味で)。つまり、結成24年目にしての1stアルバムということです。まあ、次回がある保障はどこにもありませんから、24年目にしての1stアルバムでありラスト・アルバムとも言い切れなくもないわけであります。しかし、24年目にして1stアルバムってどんだけ気が狂っているんでしょうか?阿呆としか言いようがありません。石の上にも3年と言いますが石の上に24年も座っていたらコケむしてカラスについばまれ骨だけになってその骨も風に吹き飛ばされちまいますよ。それはそうと、今回のアルバムの出来に関しては、メンバーからは不評の声も一部上がっていまして(笑)、まあオレがかなり強行に独断で最後のミックスまで突っ走ってしまったことに原因があることは分かっています。かつて、オレの師匠でもあるかのレナード・コーエンがレコーディング中の自分の「仮歌」をそのまま本番テイクとして許可なしにレコードにされた、と、その時のプロデューサーだったフィル“キチガイ”スペクターに噛み付き後々まで目の敵にしたという逸話は有名です。デヴィッド・ボウイのミックスに不満で後々ミックスをやり直したというイギー・ポップの話もあります。オレも最終ミックス・ダウンの前にメンバーに聴いて貰えばよかったのかもしれませんが、そこで、また、「この音は録り直ししたい」とか不満が続出して収拾つかなくなることは分かっています。かのトッド・ラングレンもミックスダウンの時は、アーチストをミキシング・ルームには一切入れないと言います。まあ、トッド・ラングレンと場末ミュージシャンのオレとを比べるのはお門違いではありますが、とにかく、この1年間、骨身を削るようにしてやっとミックスダウンまで漕ぎ着けたのにそこでまた録り直しだなんだとやっていたら恐らく完成までもう1年はかかることになり、その途中でオレは確実に息絶えていたことでしょう。たしかにメンバーには申し訳ないなとも思ったわけですが、そこはなんとか了承してもらうほかありません。この仕上がりに納得していないのは当のオレも同じです。オレの頭の中で鳴っている理想の音にはまだまだ1万光年ほどのズレがあるわけです。しかし、今のオレが持っている素人同然の録音技術とゴミ機材と限られた時間の中で出来る最大限のレベルがコレ(今回のCD)なんです。「チープ」という言葉、個人的にキライな言葉ではありません。場合によっては「ホメ言葉」にもなります。自分が普段聴いている音楽にもチープだけどそれが味でもあり魅力でもあるレコードがいっぱいあります。ダンボールバットの過去のCDに対しても「チープでイイですね」と言われることがあります。個人的には決してイヤではないし有難くその評価を受け入れます。ただ、全て「チープ」が本意ではないということです。曲によってはわざとチープさを狙った仕上がりにしている曲もありますが、決して「チープ」が本意ではないと言うことです。ガッツリした音で録りたいし、リッチな(?)音でも録りたい。チープな音にしか録音できない環境、境遇にいる自分に対しイラ立ちを常に感じているわけです。イラ立ったところで何の解決にもならないわけで、そこを自分でどうにかしなければならないことは百も承知なのですがどうにもならない現状がなんとも歯痒いばかりであります。今回のCDも過去のCDに比べれば進歩の跡は見られるにせよ、それでも「チープ」な匂いが付きまとっているのは隠せぬ事実。そのチープさがどの程度バンドの「味」として上手く転換できているかがせめてものカギかもしれません。しかし、ン十万かけプロ環境の設備で録音してもチープな音にしか録れなかったという苦い過去も経験済み。カネさえかけりゃ必ず納得のいくイイ音に録れるとも限らないのがレコーディングの難しいところでもあり奥深いところでもあるのです。
いずれにせよ、最終判断は聴いていただくみなさんの耳です。後はみなさんの耳に委ねる事にします。それまでせいぜい耳クソかっぽじってジャスト・フォー・ア・モーメント。サンキュウ。
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▼今夜のBGM▼
地元オーストラリアじゃ有名人も東京の中古レコード屋じゃ300円均一コーナーの常連さん。中心メンバーの片割れが、かのヘヴィメタ界の大御所AC/DCのヤング兄弟とは本当の兄弟っていうオチつき(本映像の中間部でも、おなじみ“半ズボン姿”をパロってますが)。やけに熱く盛り上がる哀愁のメロはオレ好み。コアラとサーファー馬鹿だけじゃない薄曇りの似合うオーストラリアン・ニューウェイヴ。
♪hey st.peter / flash & The Pan('77)
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◆ダンボール・バットの待望のニューアルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」は11月末発売の予定でしたが延期になりました。
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼、サポート女性コーラス兼ダンサー等随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/
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▼DANBALL BAT最新PV▼
滿民の敵(PUBLIC ENEMY)/DANBALL BAT feat. JON(犬)
▼DANBALL BAT最新ライヴ映像▼
LIVE at UFO-CLUB(TOKYO) on 12.6.2011
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