2013年6月4日火曜日

奴隷とパフュームと鈴木清順がリニアモーターカーで討論した夜。


 オレが昼間通っている奴隷農場(会社)が予想外の業務繁忙でテンテコマイになっておりまして、こちとらしがない派遣社員、そんなこたあ知ったこっちゃないって顔をずっときめこんでいたんですが、いよいよそういうわけにもいかなくなってきて、ここ最近では、一日の目標の業務量に到達するまで帰ってはならぬ、という、いわば暗黙のうちの強制残業、ほとんどパワハラ、半ば軟禁状態(オレはアウンサン・スーチー女史か!?)が続いております。「帰るな、とは言わないけれど」と言いながらも背中から銃口を突きつけられているような気分で、なんともやりきれないんであります。家帰ってから何もすることがないヒマ人ならいいですけどね、こちとら、会社出てからが本業、勝負ですからね、こう昼間の仕事が忙しくて時間、体力ともども消耗していたんじゃ本末転倒で、先日、オレのソロ「ネオン警察」のライヴへもおいでくださった常連のお客さんから頂いた差し入れの「すっぽんドリンク」(!)も焼け石に水で正直かなりヘタリ気味であります。
 そんな中でも、バンド用(ダンボール・バット)の新曲、ソロ用の新曲なぞを疲れた尻にムチ打って脂汗流しながら眠気で閉じそうになるまぶたを洗たくバサミで挟めて固定しながら制作中。新曲なぞ作っても一銭にもならないし、だいいち、それらの曲を収録する次のアルバムは一体いつ出せることやら!!・・・と、いつもながらドヨ~ンとした気分になってそれからボヤいてボヤいて出口の無いメビウスの輪状態に陥るのでした。
 先日完成したばかりのバンド用の曲、タイトルは「岬」(或いは「岬にて」)というんであります。中上健次センセイの初期の小説でそんなのあったなあ。まあ、でも中上さんの小説とは全く関係の無い歌詞なんですが、今回は割りとスラスラと歌詞が決まりました。1つ前にバンド用に作った「ダーク・スター」という曲なんかは今回とは逆で非常に作詞に手こずりまして、何回も書き直し、修正を繰り返し、未だ納得できぬ部分があるのですがキリがないのでこのへんで手を打とうかと思っている次第。敬愛する我が師の一人、かの御大レナード・コーエン翁も作詞作曲は全て自分で手掛けておるわけですが、それがかなりのマイペースぶりらしく、中には一つの詞を完成させるのに5年も10年も掛けたものまで存在するらしいのです。ひえぇ~っ!!しかし、それは“あの”レナード・コーエンだから許されるのであって、オレなどのスカポンタンが書く詞に5年も10年もの熟成期間が必要かと問われれば答えはノーであります。スラスラと書き上げられればそれに越したことはありません。ああだこうだと考えすぎると収集が付かなくなるのが常です。(ちなみに敬愛するかの昭和歌謡・作詞界の巨人、阿久悠センセイは一つの詞を書くのに2時間以内というハードルを自分に課していたとか・・・)。 
 さらに付け加えれば、オレの書く詞にストーリー性はほぼゼロ。言葉の断片と断片をつなぎ合わせ、一見意味が無さそうで実は何か意味(裏)があるんじゃないかという「思わせぶり」を演出する歌詞が多いのですが、実際のところほとんど意味はありません(笑)。リスナーが勝手に妄想して勝手に意味づけをして楽しんでくれているのであればオレの作詞は成功だし、嬉しいんであります(あん?なにまじめに語ってんだ、オレ)。
 ところで今回作った新曲「岬」(「岬にて」)の冒頭の部分に、「スーパー・コンピューター」だの「弾道ミサイル」なんて言葉が出てきまして、ついでに「リニア・モーターカー」なんて言葉を使おうとしたんですが、たまたま夕べYOU-TUBEで観た人気女性“テクノ・ポップ”・アイドルグループ「パフューム」の曲にズバリ「リニア・モーターカー」って曲があるってことを知って、やられた!!とつまらないことで地団駄を踏んでいたところです(笑)。別にいいじゃん、使われていたって。まあ、もうちょっと考えてみて他にイイ言葉が思いつかなかったら使います、リニア・モーターカー。
 いや、しかし、初めてちゃんと観ましたよ、パフュームのPV!イイ女じゃん!!(笑)って、まあ、それはひとまず置いておいて、こと日本じゃ「テクノ」と「テクノポップ」が混同されたまま使われていますからね(まあ、別にどっちがどっちでもいいんですが、本来は天と地ほども差がある二つの言葉・・・)、本当に謳い文句に偽り無く“テクノポップ”をやっているのだろうか?(テクノポップにゃちとうるさいぜ、オレは!)と、よく分からない理由と興味本位だけでPVを観たのですが、まあ、現代風な意匠は施されているものの一応テクノポップの体裁は保っているようであります。「リニア・モータカー」をほぼ連呼するだけの無意味で浅~い歌詞の作りもテクノポップ的なものを狙っているのでしょう。それにしても、広島での下積み時代のパフュームのプロデュースを担当していたのがパッパラー河合(ex爆風スランプ)と知ってビックリ。売れなかったでんすね(笑)。
 あれ?で、オレ何の話してたんだっけ?作詞の話か。まあ、オレの作詞の話なんか誰も興味ないと思いますが、やっぱり本を色々読むとですね、ボキャブラリーも増え、歌詞がスラスラ書けるようになりましたね、オレの場合。昔は読書とか大嫌いだったんですがね。割と読書をするようになった今も長編は苦手ですね。忍耐力がないんですかね。飽きっぽいんでしょう。ダラダラ長い話より、短くってグサっと来るのが好きです。だいたい登場人物3人以上になると覚えられないし(笑)、話の筋も長編だと最初のほうの話しを忘れちゃう。それに、飽きっぽいと言いましたが、たとえ長編でなくて短編であっても常に4,5冊をとっかえひっかえ読み進めるのがオレの読書法。現に今読んでいるのは、ガルシア・マルケス「ママ・グランデの葬儀」、永井荷風の「墨東綺譚」、車谷長吉の「世界一周恐怖航海記」、そしてこれに新しく加わったのが近所の古本屋で拾ったウイリアム・バロウズの「ワイルド・ボーイズ」、それとかの映画監督・鈴木清順の名エッセイ集とというムチャクチャな布陣(まあ、この布陣を見ていただければオレの“人となり”(?)の一端が伺えると言うもの)。いずれも短編集のようなものですが、中でも見っけ物もだったのはたまたま中野の図書館で立ち読みしてその饒舌な文体に胸ぐらつかまれ顔の横っつらを平手打ちされたような衝撃を受けた鈴木清順のエッセイ集。昔、三上寛のレコードで「このレコードを盗め」ってタイトルのベスト盤がありましたが、まさにそのまま本をかっぱらって図書館から逃げ帰りたい衝動を抑え、帰宅後速攻アマゾンに注文したのであります。

雨は細く、馴染み深い。極めて追想的で、雨が血を洗うとは、よくその性格を表している。雨はやくざの行為のあとに降る。雨が降るから殴り込みをかけるのではなく、殴り込んで気が付いてみると雨が降っていた。だから雨は如何に激しくても情緒が伴う。日本人の好みに合うという奴だ。
    ・・・「あめ」より(「鈴木清順エッセイ・コレクション」ちくま文庫・収録)


★今夜のBGM★
そんないいいか?パレシャブルグ。1回聴いてゴミ箱行きだったけど、オレ的には。パレシャブルグにいたホルガー・ヒラーがプロデュースしてるっていうんでよく引き合いに出されるのがこの変態的なアンサンブルを繰り出す4人組。唐突に入る32分音符ぐらいでブルブル言わせてるベースとか非常にキモチワルイ(ヴォーカルの髪型がステキだが)。短命に終ったのが実に勿体ないグレイトなバンドであります。XTCの入ったカセットの回転数がおかしくて塩水で洗ったら船酔いしました的ココロ。身の軽さと混迷度はクレイジーキャッツのスーダラ節にも通じる血統か。ホルガー・ヒラーのソロんなってからのサンプリングを駆使した2作品は大好きだが、このバンドのヴォーカルもバンド解体後ソロ作ではサンプラーを駆使した珍演芸を披露。
 ♪CHAOS/STUMP('88)



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次回「ネオン警察」(AMIソロ)ライヴ情報


2013年7月26日(金)
八丁堀「七針」にて
「ネオン警察・レコ発~八丁堀に電気クラゲが出た!」
CD先行販売(サイン入り)・オマケご用意予定

PM19:00 OPEN / PM19:30 START
料金¥2000ポッキリ!(当日券のみ)
※ドリンク持ち込みOK
(店内でもビール¥300、ジュース¥200等販売しております)

出演:
ネオン警察(AMI + MARI
ゲスト:
蜂鳥あみ太=4号(+佐藤真也<PIANO>)、
こまどり社(SAX、舞い)
※ゲストとの共演コーナーあり


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次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:
8月1日(木)東高円寺UFO-CLUBにて
雑誌「TRASH-UP!!」+ダンボール・バット共同企画第4弾
【ニューウェイヴ天下御免 VOL.4】
※出演者調整中
DJ:屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)

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▼ネオン警察1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM


▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード
▲2012年1月31日発売 ▲全11曲(約42分)収録
▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI
▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付
▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー)
▲ジャケット写真&デザイン:常盤響
▲ライナー:岡村詩野&湯浅学
▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田
▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷)
▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略>

▲収録曲
「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲

▼下記各オンラインショップにて販売中!
[AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]
※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。
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■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326

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▼DANBALL BAT最新ライヴ映像V▼


「イージー・リスニング、ハード・リスニング」
(LIVE@UFO-CLUB 2013年2月)



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 ▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット

(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル

(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)

 

 

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