先日、部屋の大掃除をしていたらあちらこちらから昔作ったCDの売れ残りがパンパンに詰まった箱が出てきて唖然。中身は全て2007年末に作ったダンボール・バットの前々作「コンピュータ・ベルリン」。もともと我が家に腐るほど眠っていた在庫に加え、去年「コンピュータ・ベルリン」の配給を委託していた卸業者から「お宅から預かっているCDなんですが、ほとんど売れていないので返品したいんですが」との情け容赦ない通告を受け業者の倉庫から我が家に強制送還されてきた分が合わさりその枚数は天文学的な数に膨れ上がっていたのです!!ヒェーっ!!しかし、そこで青ざめるのはまだ早かったんであります。計算が合わないんであります。何度も、目の前に積まれたゴミ・・・いや、CDの数を数えたんですが、優に500枚はある!!いや~な汗が全身からジットリ噴き出してきました。おかしい。作ったのは500枚じゃなかったのか?いや、作った枚数より確実に多い(!)。いや、そんなこと有り得ないでしょ?!と、ゴミ・・・いや、当時、心血を注いで作ったハズの己の分身であるCDを目の前に空虚な自問自答を繰り返すオレ。もう、当時の記憶も記録もないのですが、どうやら、500枚ではなく、700枚とか(それ以上?)作っていたようなのです。狂っているよ、おっかさん!!何を根拠にそんな大量に作ったのか!!しかも、作ってからすでに5年以上も経っているのにたったの200枚も売れていないという惨憺たる有様に愕然となりその場にヘタリ込むオレ。おかげでこうしてオレは産業廃棄物の山に囲まれ暮らすハメになったのだ。この部屋は東京湾に浮かぶかつての“夢の島”か、はたまた白煙たなびくスモーキーマウンテンか?しかし、ゴミを埋めようにもここには土も無い。クソ!!こうなりゃ、毎週不燃物のゴミの日に20枚くらいづつ捨ててゆくほかはあるまい。それか、どこかに「どうぞご自由にお持ちください」との貼紙の下このCDを置いてくれそうな場所はないものか。どこの駅前にもいるウザいエース・コンタクトのチラシ配りの兄ちゃんにでも頼んで道行く人に配ってもらえんだろうか?タワーレコードのCD棚にそっと置いてくるって作戦はどうだ?きゃりーぱみゅぱみゅの隣にしかも「面出し」で(「コンピュータ・ベルリン」の中にもピコピコしてる曲もあるしね、違和感ないと思いますが!)。いずれにせよ、“売れないCD”の末路は実に侘しく切ないものであります。
CDの在庫がわんさかわんさか雨後の竹の子のように・・・そんな悪夢のような光景を目にしてしまった後だから余計に悩んだんであります。この7月末に出すオレのソロユニット「ネオン警察」のCDを一体何枚作るべきか?・・・と。昨年作ったダンボール・バットのアルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」は500枚作った。間もなく1年半経つが家に在庫は100枚弱。まあ、永遠のライバル、坂本慎太郎くんのCDに比べれば月とスッポンな売り上げでしょうけれど、「コンピュータ・ベルリン」の悲惨さに比べればまずまずの売れ行き(この程度の売れ行きで“まずまず”と言わなきゃならん自分が情けないが・・・)。しかし、今回はソロだしな、内容的にもドヨ~ンとしていてキャッチーな曲など1曲も無いしな(今回CDのライナーを書いていただいた音楽ライターの岡村詩野さん曰く「死臭のする作品集である。」だそう(!)・・・)。それに、「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」みたく常盤響・作によるエロいジャケで騙して買わせる作戦も今回はオレの薄気味悪い顔のドアップ写真で無理だし。とにかくどのくら売れるのか正直全く自信がないし分からない。間違っても500枚など作る気は起きない。最近はCDを作る値段も下がってきていますからね、300枚作るのも400枚作るのも500枚作るのも金額にすると3千円ずつくらいの差でしかない。最大の問題は金額じゃなくて、これ以上我が家に新たな“ゴミ”を増やさないこと。ヒェー!!切ねぇッス。でもそれが現実。売れなきゃますますゴミが溜まる一方なのであります。地球環境にも優しくないんであります。で、散々悩んだ挙句それでも答えが出ず最後は面倒臭くもなり結局400枚というどっちつかずの中途半端な枚数で決着、業者に発注したのでありました。もう、半ばヤケクソ。あとはどうなとなれ。
そして、業者への発注とほぼ同時に今回「ネオン警察」のCDジャケットの制作協力をお願いしていた雑誌「トラッシュ・アップ!!」のデザイナーでもある嶋田さんから「ジャケットが完成しました」との連絡が入ったのです。フォトショップだのイラストレーターだのといったシャレた文明の利器がまったくチンプンカンプンなオレ。ジャケットを作るにあたりどーしても専門家の手が必要になり、他に身近に頼れる人もおらず信頼のできる嶋田さんに泣きついて半ば強引にお願いしたというわけです。ジャケット用にセルフ撮影した写真数点とオレの作った原始的なラフ・デザインをお渡しし、それらを基に作って頂いたのですが、実に見栄のいいスタイリッシュなジャケット(ブックレット)に仕上がりました。嶋田さん、お忙しい中ほんとうに有難うございました。多謝!!
ジャケットのデータも入稿した。マスターCD(音源)も送った。そして、カネも払った。あとは出来上がってくるのを待つだけであります。今回も国内工場で作るよりグッと割安な「海外プレス・コース」を選びましたので、今頃わがマスターCDを乗せた貨物船はプレス工場のある台湾へ向けパンタ&HALの歌う「マラッカ」を心のBGMに東シナ海の洋上を南下中でありましょう。そして完成品は2週間もしないうちに我が家に届くそうです。CDの届くのが楽しみな反面、この狭い部屋の中、今から新たな“ゴミ置き場”の確保にやっきになっております。たかが400枚、されど400枚なんであります。そして、最低でも100枚は売らないと元が取れないんであります。元が取れないと、バンド(ダンボール・バット)のメンバーに怒られるんであります。なぜって?年中ジリ貧のオレが今回のCDの制作費をどこから調達したかと言いますと、ダンボール・バットの「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」の売り上げ金からコッソリ借金したんであります。いや、一応、メンバーには“断り”を入れましたがね、リーダーだからなにやっても許されるって理由もありません。元取れなかったら皿洗いのバイトでもして自腹で返さないと・・・なんであります。崖っぷちなんであります。
今の時代CDが全く売れない、と誰もが口を揃えます。そんな暗黒の時代にあっても男にはCDを出さなきゃならない時があるんです。出さなきゃならない理由があるんです。気分があるんです。阿呆と言われようが、たとえ負戦と分かっていても、ゴミになろうと分かっていても。
巨大なガスタンクをバックに不適な薄笑いを浮かべるジャケット写真の中のオレ(片手に持ったカメラを自分に向けて撮影。撮影地は世田谷)。その視線はどこか虚ろで遠い。日に日にこれがオレの遺影のような気がしてなりません。「ネオン警察」の・・・と言うより、オレの陳腐な人生に於いて最初で最後のソロアルバム『空間の犯罪』は、2013年7月27日(土)発売の模様。売れようが売れまいが、どうなとなれ。糞。
★今夜のBGM★
世間様からは(コアなファンからも)あまり相手にされない日陰のアルバム。汲み取り便所の横に咲いてるドクダミの花のようなアルバム。とっちらかった、とりとめのない、そいう評価を下されたアルバムになぜか愛着を感じる体質だから、ダンボール・バットのアルバムもとりとめのない仕上がりになってしまうのかもしれない。ブロンディのクリス・スタインがプロデュースで、イギーとデビー・ハリーとのデュエットなんて話は持ち上がらなかったのか?薄っすらとこそばゆいエレクトロニクス類の隠し味ととりとめのない曲調はまさに日陰風情。やる気の無いジャケ同様、アルバム全体を覆う煮え切らないしょっぱさが逆に闘う男イギーのやり場の無い空虚感を助長。白昼夢の中で三途の河を渡る小船に揺られていたらこんなROCKが聴こえてきました。
♪「RUN LIKE A VILLAIN」('82)/ IGGY POP
----------------------------------------------------------------------------------
次回「ネオン警察」(AMIソロ)ライヴ情報
2013年7月26日(金)
八丁堀「七針」にて
「ネオン警察・レコ発~八丁堀に電気クラゲが出た!」
CD先行販売(サイン入り)・オマケご用意予定
PM19:00 OPEN / PM19:30 START
料金¥2000ポッキリ!(当日券のみ)
※ドリンク持ち込みOK
(店内でもビール¥300、ジュース¥200等販売しております)
出演:
ネオン警察(AMI
ゲスト:
蜂鳥あみ太=4号(+佐藤真也<PIANO>)、
こまどり社(SAX、舞い)
※ゲストとの共演コーナーあり
----------------------------------------------------------------------------------
次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:
8月1日(木)東高円寺UFO-CLUBにて
雑誌「TRASH-UP!!」+ダンボール・バット共同企画第4弾
【ニューウェイヴ天下御免 VOL.4】
※出演者調整中
DJ:屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)
----------------------------------------------------
▼ネオン警察1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))
----------------------------------------------------------------------------------
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/
----------------------------------------------------------------------------------
▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード
▲2012年1月31日発売 ▲全11曲(約42分)収録
▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI
▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付
▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー)
▲ジャケット写真&デザイン:常盤響
▲ライナー:岡村詩野&湯浅学
▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田
▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷)
▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略>
▲収録曲
「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲
▼下記各オンラインショップにて販売中!
[AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]
※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。
----------------------------------------------------------------------------------
■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326
--------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新ライヴ映像V▼
「イージー・リスニング、ハード・リスニング」
(LIVE@UFO-CLUB 2013年2月)
----------------------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット
(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル
(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
0 件のコメント:
コメントを投稿