先日の七夕の日、近所のスーパーの店頭に竹が飾られておりました。その竹には客が書いたとおぼしき無数の短冊が風に揺られてそよいでおりました。その中のたまたま目に入った一枚。小学生くらいの子供が書いたふうなヨレた字で「今よりも広い家にすんで、みんなでしあわせにくらせますように」、と。その文面を見た瞬間、その子供は今現在、橋の下の掘っ立て小屋(あしたのジョーの「丹下ジム」みたいな・・・)のような家に住んでいて、しかも父親がアル中かなにかで毎日母親に暴力を振るって、云々・・・そういう日々の壮絶なくらしぶりが子供にそういう願い事を書かせたのではないか、と。それを書いた子供の身の上を案じたものですが、それはオレの考えすぎで、どこぞのマセたガキが書いた単なる戯言(たわごと)だったのかもしれません。いずれにせよ、今オレが短冊に願い事を書くとすればそれはただ一つ。「ロト7が当りますように」・・・じゃなくて、「自民党が大敗しますように」・・・じゃなくって、「ネオン警察のCDが売れますように」、と。
というわけで、間もなく発売(7月27日)!!わがソロユニット「ネオン警察」の最初で最後の(?)アルバム【空間の犯罪】収録の10曲を収録順に以下に解題。製作期間約8ヶ月。バンド活動の合間を縫って作詞作曲演奏録音ミックス、そしてジャケットの写真撮影まで一人でこなした入魂&混迷のデヴィッド・リンチの「砂の惑星」のような大作にして失敗作との評も・・・。CDの帯に入ったカーネーションの直枝センセイから無理矢理頂戴した「脳内宇宙に於ける実況録音盤。名盤誕生!」というコメントの重みにCDが押し潰されそうになっております!!
何を血迷ったかオレが作った最初で最後の(多分)、人類へ向けたメッセージソングらしきもの。日頃のクサクサした気分がこういう詞を書かせたのかも。タイトルはイギリスのプログレ畑じゃ超有名人のピ-ター・ハミル氏の78年作の同名アルバム(曲)から拝借。イントロだけはロマンチック。歌詞に「糞(くそ)」という言葉を使うかどうか悩んだがあえて使ってみた。まあ、あと50年ももたないでしょうな地球は!!
②「冬の蠅」
exスラップ・ハッピーのダグマー・クラウゼのブレヒト・カヴァー・アルバムのジャケをじーっと見てたら出来た曲。ライヴん時はもっと凶暴になります。タイトルは梶井基次郎の短編「冬の蠅」から拝借。ワイヤー、アレックス・チルトン、ムーンライダーズらの蠅をテーマにした曲からのイメージも多少混入。「唐紙(からかみ)」だの「茶碗」だのと言ったわざと日本的な言葉を入れて湿り気を演出。ニセ・テルミン使用。
③「ドブさらい」
exジャックスの早川義夫氏の名作1stソロアルバム「かっこいいことは・・・」をン十年ぶりに聴いて影響されて出来た曲。歌い方には師・前川清氏(クールファイヴ)のムード歌謡のエキスも少々混入。
④「四月馬鹿は地中海で」
わが師レナード・コーエンの初期ベスト盤の黄ばんだモノトーンのジャケ見てたらパッとひらめいたこのタイトル(師はかつて地中海のイドラ島に住んでおられました)。エンディング部分はエセ・ゴスペルばりに歌いこんでおります。粉ジュースを溶かしたような真っ青な地中海の見える丘で死にたい。
⑤「独逸人のように」
冒頭の「独逸(ドイツ)人のように~」って歌詞だけで1曲聴かせようとするコケ脅し的ナンバー。アルバム中唯一浮いているような気がしますがまあいいでしょう。ゲルニカ(戸川順ちゃんの)風にしようとしたがダメだった。歌詞の「どこまでも伸びる~コンクリート・ハイウェイ」ってのはアウトバーンのこと。同じく「ザワークラウト」ってぇのはドイツ人の好きなキャベツの酢漬け。数多のクラウト・ロックに捧グルグル。
⑥「東雲」
しののめ、と読む。急遽作ったインスト小品。マカロニ的なエンニオ・モリコーネの血が騒いだのであります。
⑦「キャバレェは雪国」
10分弱に及ぶ本盤中の見せ場の一つ。敬愛する浅川マキさんからの影響大。途中のフリーなSAXは阿部薫氏のつもりでよろしく。ぐでんぐでんに酔っ払って吉幾三の「雪国」をカラオケでいい気分で歌っていたボッタクリのキャバレーは実はトルコ人の経営するノーパンしゃぶしゃぶの店だった的な白昼夢と昔の色恋沙汰回顧録。暗黒。
⑧「木霊」
「木霊」という漢字二文字の字面とその言葉の響きからイメージをかきたてられて書いた歌詞。前の⑦曲目から一変、静寂で清涼感(?)溢れるタッチは本盤中最もお気に入りのナンバー。コクトー・ツインズなんかが健在だった頃の耽美派・英国「4AD」レーベルあたりも意識。歌詞に「メシ炊く女」とか「のっぺらぼう」とかが出てきますが、普段あまり歌詞とかには使われない言葉を積極的に取り入れてどう魅力的に聴かせられるか、これはオレの永遠のテーマでもあります。あん、なに語ってんだ、オレ?
⑨「サルが見ていた」
人工衛星の窓からぶっ壊れてゆく地球を見下ろしてるのは1匹のサルだった!!デヴィッド・ボウイ「スペース・オデッティ」へのプチ・アンサー・ソングとでも言っておけば聴こえはいいか? 後半の「Earth! Ape! Me!」の連呼はラヴ&ロケット(exバウハウス)のアルバム「Earth, Sun, Moon」から連想。
⑩「ルームサーヴィス」
バックのシンセのストリングスがいい感じに終末観を演出。歌詞に出てくるホテルの部屋は「550階」。映画<ブレードランナー>のタイレル・コーポレーションのビルとか倉橋由美子氏・著による「囚人」などのイメージも混入。この曲が出来たおかげでこの「ネオン警察」をやろうと決心した記念すべきナンバー。完成した次の日には岡村詩野さんが当時やっていたラジオ番組に音源を送り付け、その週のうちにオンエアになり「ダンボール・バットより好きかも・・・」と言わしめた問題のナンバー。
以上10曲、カンタンではありますがよろしくおねがいします。なお、アルバムタイトルの「空間の犯罪」とは、感銘を受けた武田泰淳氏・著による同名短編のタイトルから拝借。その短編を読めば「ジャケット写真」の意味が分かります(中公文庫・武田泰淳異色短編集「ニセ札つかいの手記」に収録)。
追伸:なんと実は既に本盤の予約販売が開始されている模様!!物好きな方、気の早い方は下記各オンラインショップにて是非!!最低100枚売れないと借金が返せないんで、なにとぞ!!
▼アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DBEFLVK/
▼ディスクユニオン
http://diskunion.net/portal/ct/detail/IND12849
※なお、7月26日(金)の八丁堀「七針」でのレコ発イヴェント(下記告知参照)の際にお買い求めの方には非売品CD-Rと特製缶バッヂ(直径6cm弱)をプレゼント。さらにご希望の方にはその場でオレのサインをお入れいたします!!ヒマな方は是非足をお運びください。地獄の底よりお待ちしております!!
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▼ネオン警察1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))
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★今夜のBGM★
前回のブログに引き続き、我がダンボール・バットの最新ナンバーをスタジオライヴ映像とともにお送りいたします。曲は「岬にて」。よろしくおねがいします。 <
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次回「ネオン警察」(AMIソロ)ライヴ情報
2013年7月26日(金)
八丁堀「七針」にて
「ネオン警察・レコ発~八丁堀に電気クラゲが出た!」
CD先行販売(サイン入り)・非売品オマケご用意!
PM19:00 OPEN / PM19:30 START
料金¥2000ポッキリ!(当日券のみ)
※ドリンク持ち込みOK
(店内でもビール¥300、ジュース¥200等販売しております)
出演:
ネオン警察
<AMI:Vo, PIANO, SAX, テルミン
ゲスト:
蜂鳥あみ太=4号(暗黒シャンソン)+佐藤真也<PIANO>、
こまどり社(前衛獅子舞&SAX)
※ゲストとの共演コーナーあり
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次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:
8月1日(木)東高円寺UFO-CLUBにて
雑誌「TRASH-UP!!」+ダンボール・バット共同企画第4弾
【ニューウェイヴ天下御免 VOL.4】
PM6:30OPEN / PM7:15 LIVE START
※出演者調整中
DJ:屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/
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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード
▲2012年1月31日発売 ▲全11曲(約42分)収録
▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI
▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付
▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー)
▲ジャケット写真&デザイン:常盤響
▲ライナー:岡村詩野&湯浅学
▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田
▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷)
▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略>
▲収録曲
「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲
▼下記各オンラインショップにて販売中!
[AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]
※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。
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■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326
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▼DANBALL BAT最新ライヴ映像V▼
「イージー・リスニング、ハード・リスニング」
(LIVE@UFO-CLUB 2013年2月)
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▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット
(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル
(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
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