歩きながら眠っているのか、眠りながら歩いているのか。ここ最近のオレはそんな状態で毎朝フラフラしながら奴隷農場（会社）へとご出勤。サプリもドリンク剤もカフェインも早くも効かなくなってきた。今のオレに必要なのは休養と睡眠だ。しかし、そんな時間はない。ＡＳＵＫＡの気持ちもよく分かる。シ○ブに手を出したくなるヒトの気持ちもよく分かる。え？なに阿呆なこと言ってるんだ、おまえ。まあ、それもこれもかれこれすでに２週間以上根を詰めて続けているダンボール・バットのレコーディングの編集作業のせいなのだ。いや、まだ始まってたった２週間でこのザマとはどういうことか？！こんなテイタラクでこの先一体、まだまだ無限に続くであろうレコーディングという名の地獄の「行軍」を乗り切ることが出きるのか？！ここ最近は休日といえどもほぼ一日、そして、仕事の日でも夕方になればスッ飛んで帰宅するや否や大小便にメシ、シャワータイムの他はほぼ深夜までぶっ通しで作業を続け、朝起きて、会社へ行くまでのわずかな時間も惜しく、トースト片手に作業に向かう、そんなハードな日々が続いているのだ。今回、４月から５月にかけてニューアルバム用に新たにバンドで録音したのが５曲（２０秒の超短い曲も含めれば６曲）。ドラムにベースにギターの録音は一応全部済んで、さらに自分の本テイクの歌の録音も済んだ。コーラス隊の録音はまあもうちょっと先にやるとして、とりあえず当面は、ちょっとしたキーボードやら効果音などを重ねつつ、各パートの修正やら定位やらＥＱやらエフェクトのかかり具合やら音量等々を少しずつ整えながら本ＭＩＸに近づけていく作業を続けていくことになるのだが、この作業を開始して二週間、既に体力、気力ともに早くも限界を感じ始めているのだった。それというのも、毎日毎晩来る日も来る日も同じ曲をすでにのべにして１０００回以上はくりかえし聴いているのだ。ヘッドフォンが血まみれになるほどの爆音で、あーでもない、こーでもない、と。とりあえずどれか１曲、基準となるおおまかなＭＩＸを決めてしまわないと、残りの曲のＭＩＸのイメージが掴めないって理由から、手始めに「イージー・リスニング、ハード・リスニング」という曲を選んで、その１曲だけに集中してこの二週間の間ぶっ通しで作業を続けてきたのだ。いくら自分の作った曲とはいえ、同じ曲を１０００回も爆音でリピートしてたら発狂しそうにもなる。狂っていないリズムまで狂ってるように聴こえてきたり、鳴っていない音が聴こえてくるようにもなる。さらに、おかしくなるのは操作している人間のほうだけでなく、機械のほうもおかしくなってくる。昨今じゃ中学生でもあたりまえのＰＣを使ったハイテク（？）レコーディング（ＤＴＭ）。しかし、我が家の録音システムはデジタルでありながら超アナログ・・・いや、アナクロな１６ＴＲのハードディスクレコーダーにして中古で手に入れたローテク・ポンコツ機材。こいつの調子が最近よくないのだ。この先の地獄の行軍を想うと、オレよりも先にコイツのほうがオシャカになるんじゃないかと今から心配だ。
そして、なによりもオレを発狂させるのは、自分の思い描くサウンドになかなか近づけないジレンマ。１ｃｍでも１ｍｍでもいい、どうやったら理想の音に近づけられるのか、人様に聴かせても恥ずかしくない最低限のＭＩＸに仕上げられるのか？当然、録音やミキシングに関する技術も無ければノウハウも無ければ機材も無いしカネも無いのナイナイづくしで、オレにあるのは「クソ意地」だけ。ベースはもっと低音を強調したほうがいいのか？とか、このギターは右から聴こえて来た方がいいのか？とか、ドラムのバスドラムの音が気に入らなくってＸＴＣのアンディー・パートリッジの逸話じゃないけど半日くらいバスドラムの音だけをひたすらいじり続けてみたり、etc・・・端から見ればどーでもいいような、それこそ重箱の隅をつつくような、単なる徒労に終るような作業を延々と続けているのだ。キチガイのように！！オレがこうしてＥＱのツマミを目を血走らせていじくっている間にもアフリカじゃ子供が飢え死にし、中東のほうじゃ銃撃戦が続き、フクシマ原発の汚染水はどんどん溜まり、中央線の朝のプラットホームからは人が飛び込み自殺をしてたりするんだろうな、とか、ふと、そんなことが頭の隅をよぎったりもしないこともないのだが、とにかく、オレにはこの今ヘッドフォンから漏れ聴こえてくるテメェーのヴォーカルをいかに魅力的に（？）聴こえるようにするには何キロヘルツをちょっと上げて何キロヘルツを下げてとかそんなのに必死で、目には見えない「音」という魔物・・・それはただの空気の振動に過ぎないのだが・・・その魔物との格闘に精一杯なのだ。
今のオレを突き動かしているのは「クソ意地」だけだとさっき書いたが、もう一つオレを奮いたたせてくれるものがある。それは、とうとう先日発売になった我が永遠のライバル（笑）、坂本慎太郎くんの新譜だ。まあ、一生手にすることも聴くこともないかもしれないが、とにかくライバルからの強力なジャブが届いたのだ。それにしても、ライバル、ライバルっていつも言ってるけどどうライバルなの？ってたまにヒトに聞かれるのだが、実の所ライバル呼ばわりするほどのさしたる所以はないのだ（笑）。ただ単に、歳がほぼ同じで、音楽の活動歴もほぼ同じ、そして、大昔、まだ「ゆらゆら帝国」だったころ所属していたインディーレーベルにもウチのバンドも所属していた時があり、そのレーベルから出したダンボール・バットのデヴューＣＤのレコ発イヴェントの際に、ソロの弾き語りでオープニングアクトとして彼が出てくれた、というそれだけの点のみで、オレが一方的に永遠のライバル、ライバルと騒いでいるだけなのだ。音楽的な共通点も多分ほとんど皆無だろうし。まあ、向こうは運よく出世しちゃったけどね。それがちょっとだけシャクに触るわけですけど（笑）。
ところで、慎太郎君にだけは負けられない、と、かねてから負け犬の遠吠えの如く吠え続けてきたオレだが、その世間では「問題作」と騒がれている、ナマでなんとかって彼の新譜を聴かずしてもすでにオレの・・・今まさに製作中の我がダンボール・バットの新譜の「負け」は目に見えている（！）。この際、音楽性や世界観云々は置いておいて純粋に「音質」やら「ミキシング」等のプロダクションにのみに的を絞って論じてみたいのだが、聴かずしても負けは明白なのだ。なにせ先方は天下の名エンジニア中村宗一郎氏が録音からミックスまで手掛けておる。真空管なぞが仕込まれた高級な機材やら高級なマイクも使っていることだろう。百戦錬磨のエンジニアと素人に尻毛が生えた程度のオレがゴミ機材を積み重ねて勝負したところで既に比較の対象にすらなり得ない。クソ意地だけではどーにもならない。悲しいかなそれが現実だ。ほんとこの２，３日オレは思い悩んでいるのだ、睡眠不足と日々の疲労とで朦朧とする頭で。今度のダンボール・バットのアルバムはオレの「辞世の句」ならぬ「辞世のアルバム」にするべく音質的にもそこそこのクオリティのものを作りたいと意気込んでいたにもかかわらず、すでに最初の１曲で巨大な壁にブチ当たり２週間もさ迷ったまま前に進めなくなっている。偉そうなことを言っておきながらこの現実、この目の前のショボい音（ミックス）は何なんだ！？もちろん「音質」が全てではないことは分かっている。が、自分の作る音楽、世界観を人に伝えるのに必要最低限の音質っていうのもあるでしょ？！ＤＥＭＯならいざ知らずアルバムだぜ？！これがアルバムの音かよ？！あん？！絶望！！発狂！！そして、とうとう夕べ、「アルバム作るのなんてもう辞めるゾ！！」「クソ阿呆らしい！！」ってな極限の状況にまで追い込まれ、やがて気持ちが萎た。自分の力の限界を痛切に感じ情けない気持ちで一杯になった。今ここに金属バットがあったらそいつを振り回して家中の窓ガラスを粉々にぶち割りたい気分になった。外では夜の闇の中、小雨がしとしと降り続いていた。梅雨入りしたんだっけ。時計を見れば深夜午後２時４５分だった。明日も会社だ。朝が早い。人はなんでは働かなきゃならんのか？メシ喰ってウンコを排泄するため？煮え切らない中途半端な気持ちのままフラつきながら布団にもぐった。暗闇の中、慎太郎君が向こう側のコーナーで笑っている。試合する前からすでにリングには「白いタオル」が投げ込まれていたんである。不戦勝である。始めから分かりきっていたことである。負け犬は所詮負け犬なのであった。
とにかく、いくらバランスよくいくら正攻法にミックスしたところでショボイ音にしかならないのなら、いっそのこと常軌を逸したようなミックスにするとか、そういう荒業に出るしかないんじゃないかとか思い始めたり。ベースの音がデカ過ぎて一切ヴォーカルが聴こえないとか、ドラムのバスドラムの音にとんでもないディストーションかけちゃってギターはデレイの掛け過ぎで強度のハウリングを起こしてしまっているとか、etc。いやいや、それじゃただのド田舎の中学生のノイズ・バンドじゃねーか。ここはひとまず酒でもかっくらって冷静になろう。冷静にならなきゃだめだ。何か突破口はあるハズだ。爆音で悲鳴を上げている耳の穴に、キンキンに冷えたハイボールを注ぎ込む真夜中あたり。
追伸：来週の日曜日、６月１５日はＵＦＯ－ＣＬＵＢでダンボール・バットのライヴです（詳細下記）。レコーディング疲れでゲッソリ痩せ細ってミイラみたいなオレに逢いにきて！！（笑）。そして、キーボード不在のためずっと封印していたアノ名曲をついに解禁します！！さらに、新たに異色のカバー曲も投入！！是非！！
★今夜のＢＧＭ★
♪KILLING AN ARAB('79) / THE CURE
夏、ダンボール箱の中で聴く今にも消え入りそうなラジオの高校野球中継。やせ細っていくオレの体にはランニングシャツのすき間から浮き出た肋骨がニョキリ。通りの向かいのラーメン屋の２階の窓から引き篭もりの高校生が爪弾くニール・ヤング「渚にて」が聴こえてくる夕方、西の空には真っ黒い蚊柱が。アラビア半島の夏も新宿の夏も暑いに変りはないが人を殺していいって理由にはならんわな。そもそもキュアーの１ｓｔが赤裸々過ぎたのだ。
▼今後のイヴェント色々決まってます。夏、ダンボール箱の中で聴く今にも消え入りそうなラジオの高校野球中継。やせ細っていくオレの体にはランニングシャツのすき間から浮き出た肋骨がニョキリ。通りの向かいのラーメン屋の２階の窓から引き篭もりの高校生が爪弾くニール・ヤング「渚にて」が聴こえてくる夕方、西の空には真っ黒い蚊柱が。アラビア半島の夏も新宿の夏も暑いに変りはないが人を殺していいって理由にはならんわな。そもそもキュアーの１ｓｔが赤裸々過ぎたのだ。
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６月１５日（日）
＠東高円寺UFO-CLUB
【アダルト７２０】（UFO-CLUB企画）
共演：
銀幕一楼とＴＩＭＥＣＡＦＥ／ザ・モーレツアタック４０’ｓ／
ぼくら／ゴトー＆カメレオンズ
※ダンボール・バットはＰＭ９：００～の登場
開場 １８：３０ 開演 １９：００
前売予約￥２０００ 当日￥２３００
（別途ドリンク代５００円要）
７月８日（火）
＠渋谷ラストワルツ
雑誌「TRASH-UP!!」+ダンボール・バット共同企画イヴェント
【ニューウェイヴ天下御免VOL.7】
ＤＪ：屑山屑男（TRASH-UP!!編集長）
※詳細調整中
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「ＡＭＩと屑山屑男の音楽トークショー」
～今夜は御意見無用VOL.4～
６月２７日（金）
＠高円寺・円盤
出演：ＡＭＩ、屑山屑男（TRASH-UP!!編集長）
※ＡＭＩのソロユニット「ネオン警察」のミニ・ライヴ・コーナーあり
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【お知らせ】
ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中（サポートＯＫ）！
お気軽にお問い合わせください。
こちらから▼
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▼リーダーＡＭＩのソロユニット「ネオン警察」１ｓｔＣＤ「空間の犯罪」発売告知ＰＶ
▼アマゾン
▼ディスクユニオン
2013年７月２７日発売／全１０曲（４２分）／￥1200+税／歌詞付／
ＣＤ「帯」推薦文：直枝政広（カーネーション）
解説：岡村詩野（音楽評論家）／
ライナー寄書き：蔦木俊二（突然段ボール）、
屑山屑男（「TRASH-UP!!」編集長）
ジャケット写真：ＡＭＩ／デザイン協力：嶋田真由美（「TRASH-UP!!」デザイン室））
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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知ＣＭ
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番：TSR69002/発売：東京産業レコード ▲２０１２年１月３１日発売▲全１１曲（約４２分）収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲：ＡＭＩ▲Ｗ見開き紙ジャケ仕様／歌詞カード付▲ＣＤ帯コピー文：ＲＯＬＬＹ（ローリー） ▲ジャケット写真＆デザイン：常盤響▲ライナー：岡村詩野＆湯浅学 ▲寄書き：白井良明（ムーンライダーズ）＆サミー前田▲ゲスト・シンガー：ジョン＜犬＞＆イライザ・ロイヤル（エコダムド／ex穴奴隷） ▲サポート・コーラス：MARI（BLACK＆BLUE） ＜以上・敬称略＞ ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全１１曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中！ [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス] ※ディスク・ユニオン（インディーズ・コーナー）、タワーレコード新宿店、タコシェ（中野ブロードウェイ内）等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始！特集記事も読めます。こちらから！（提供：ＯＴＯＴＯＹ） http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326 --------------------------------------------------------------------
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▼DANBALL BAT最新PV▼ 「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」／ダンボール･バット （アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より） ▼DANBALL BAT最新PV▼ 「アポカリプス･ドゥ･オア･ダイ」 ／ダンボール･バットfeat. イライザ･ロイヤル （アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より） DANBALL BAT最新PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」／ダンボール･バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より）
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