2015年2月7日土曜日

Drマーチン履いた池上彰にイチャモンつけるニック・ケイヴにツタヤで借りたノイバウンテンのCDを聴かせた夜。


 電車に乗った途端目の前に池上彰の顔。なにか新刊本の広告らしい。このオッサンの顔も見飽きたな、というかちょっと鬱陶しい。それにしても、最近の電車って広告だらけだな。車内の隙間という隙間は大小の広告で埋め尽くされている。ドアの上には液晶モニターでこれまたひっきりなしにCMを流している。あれを買え、これを買え、と。いつからこんなことになっちゃたんだろう?昔は中刷り広告くらいしかなかったものだが。オレは、電車に乗ってもあまり視線をうごかさないようにしている。地下鉄の真っ暗な窓の外を見ているか、目を閉じてるか。それらの広告が視界に入るだけでなぜか非常に腹立たしくなるから。唯一オレが見るのは新潮だの文春だのといった週刊誌の中刷りくらい。あれはなぜだか見てしまう。それに「見出し」とか見ていて楽しい。ケイタイはおろかスマホを持たないオレが世の中と繋がる貴重な情報源でもあったりする。

 とある繁華街。初めて歩くその通りの途中で「Drマーチン」の専門店を偶然見つける。もちろん、買う気もカネも無いが冷やかしで入ってみる。懐かしい。オレも20代前半の頃、チェリーレッド色のローカットのマーチンを履いていた。もちろん、つま先にちゃんと“鉄板”が入ったズッシリとしたやつ。実際こうして久々にホンモノを目の前にすると、ちょっとまた履いてみたくなる。マーチンなんて過去の遺物かと思っていたのだが、結構最近も履いてる若者を見かける。時代は変わっても定番アイテムとして定着しているのだろうか。しかし、街で見かけるのは、ファッション・パンクよろしく「いかにも」って奴か、可愛そうだけど全く「似合っていない」奴かのどちらかで、見ていてなんとも痛々しい。さり気なく履きこなしているセンスのいい奴にはあまりお目にかからないのはなぜか。年甲斐も無く、オレが今履いたらどうかな?やっぱ似合わねぇーかな?たしかイアン・デュリーが1stアルバム「ブーツ&パンティーズ」のジャケでかっこよく履いてたよな?オッサンでも似合うんかな?しかし、ひとつ非常に残念なことが分かったのだ。マーチンといえばつま先に鉄板!!ってのが当たり前だったわけなのだが(もともと、労働者用の「安全靴」が始まりですから)、その鉄板入りのタイプがどんどん生産終了の憂き目にあっているらしい。事実、その店に並ぶマーチンの大半が鉄板なしタイプ。持ってみれば分かる。軽いのだ。マーチン独特だったつま先の形もなんか滑らか過ぎてかっこ悪い気がする。鉄板入りタイプの値札には「生産終了のため在庫のみ!」の文字が。ひぇ~。切ないような情けないような。そんなことでいいのだろうか、伝統ある英国の老舗の意地とプライドもクソもないのか。時代の波には勝てないのか。たしかに鉄板入りは重い。しかしあの重さがマーチンたる所以でなかったのか。見てくれはいいけれど重いのはイヤっ!!とかなんとかほざくのだろう、今の若者は。フヌケめ。じゃ、履くな阿呆と言いたいところだが、企業としてはやはりそういう需要の声を取り入れてゆかねば生き残れない。だからやむを得ないのもわかるが。軽くてフニュフニャのマーチン。なんじゃそりゃ。そんなのマーチンでもなんでもないじゃん。さて、この嘆かわしい現状をどう思いますか、そこのスキンヘッズのモノホンのパンクの兄さん姉さんたちは?!

 ネットも一切やらず(PCを持っていない)もちろんケータイの類も持っていないウチのバンドのサムソン(ギター)は、時になぜかオレより世間の情報・・・主に芸能・エンタメ情報に精通している。不思議だが事実なのだ。先日も、「今度ニック・ケイヴの映画やるでしょう?」と、バンドのリハの帰りに新宿駅のホームでオレにボソっと言った。オレは完全に寝耳に水だったので驚いた。お互い、ニック・ケイヴが好きだった。90年代初頭の来日公演も観に行った。「だった」と過去形なのは、今も精力的に活動中のニック・ケイヴだが、お互い、90年代中盤以降のニック・ケイヴのアルバムは全くチェックしていないからだ。オレが一番聴いたアルバムはほぼリアルタイムで聴いた「テンダープレイ」('88)か。そして、今もよく聴くのは、やはりバースデイパーティ時代の諸作とバッドシーズ名義になってからの「グッド・サン」(‘90)あたりまで。それ以降の作品も2作ぐらいは聴いたのだがなんだか次第にうやむやになって新作を追うことを完全にやめてしまった。
 ニック・ケイヴからはいろいろ影響を受けた。いや、受けたつもりになってイイ気になっているだけなのかもしれないが、初期作品の歌詞などをまとめた赤い表紙の詩集は今でもオレの座右の書の一冊で、作詞に行き詰ると思い出したように広げるバイブル。そんな我が師に対して失礼千万な言い方だが、バースデイパーティ時代とバッドシーズになってからの「テンダープレイ」あたりまでの諸作が一番アグレッシヴでクリエイティヴでニック・ケイヴのエキスが充満&爆発していたと思う。言い換えれば、その頃の諸作を聴けば充分だと言い切ってもよい。今もバッドシーズという名義のバンドを率いて活動しているが、既にメンバーはほとんど変わってしまった。追いかけることをやめていたオレは、メンバーが変わってしまったことすら知らなかったので、バースデイパーティ時代からずっとニック・ケイヴの片腕として重要な役割を果たしてきた女房役(?)のミック・ハーヴェィまでがいなくなっているのを知った時はショックだったし、ロキシーミュージックにおけるブライアン・イーノ的マスコット的これまた重要なバンドの構成要素であったノイバウンテンのブリクサも既にいないとなると、オレの中ではもうそれはバッドシーズとは名ばかりの別物にしか見えないのだった。チャーシュー麺なのにチャーシューが乗っていない麺、みたいなもんである。いちファンの偏った偏見でしかないがでもそれが正直な気持ち。
 先日、試しに割りと最近出たアルバムをツタヤで借りて聴いてみたのだが、やはりなんか喰い足りない。歳取って丸くなったっていうのとも違うし円熟味が出てきたって言い方もちょっと違うけれど、なんか昔のアルバムを聴けば事足りてしまうなって気持ちになり、4曲目が鳴り出した辺りで聴くのをやめてしまった。すまぬわが師よ。悪くはないし、アノ頃と変わらぬいつものニック・ケイヴ節なのだが・・・。
 さて、映画もどうなんだろう。予告を見たのだが、純白のシーツに包まれデッカいベッドで朝を迎えるニック・ケイヴに、イイ車を運転するニック・ケイヴ。なんか違うんじゃないか?もっとあばら家みたいところでワラのベッドの上で酔っ払って瀕死のような顔して傍らの木の机には書きかけの詩とインクビンと聖書と乱雑に転がる酒瓶にタバコの吸殻の山。運転する車はギトギトのエンジン・オイルがもれてるような巨大で燃費の悪いポンコツセドリックで助手席にはこれまた酔いつぶれたズベ公が!!ああ、いかんいかん。これまた旧ファンの一方的なニック・ケイヴに対するイメージ。こうあって欲しい、という。もちろん、そういう時代も過去にはあった、はず。だがあれから時間は流れたのだ。月日は流れたのだ。いつまでもシャブ中でも困るだろう。
 昔の映像も見られるのかな?ブリクサとかも出てるのかな?新宿の映画館で今日からレイトショーだそう。なんだかんだ言ってこっそり見に行くのかな、結局。で、やっぱつまんなかったとか言うのかな?20歳の頃少しだけ付き合っていた女子がニック・ケイヴだののニューウェイヴ好きだった。その女子がダビングしてくれたニック・ケイヴのカセットテープが探せば今もウチの押入れの奥にあるはず。彼女のフニャフニャした手書き文字で曲名がインデックスカードに記されていたのを覚えている。壊れたカセットはニック・ケイヴ。我がダンボール・バットのニューアルバムは「壊れたカセットはAOR」。なんの因果か。そこんとこ夜露死苦。


明日、8日(日)は幡ヶ谷の「ヘビーシック」というハコで、ダンボール・バット本年初のライヴです。しかも!!無国籍ロック代表わがダンボール・バットと、トラッシュR&R代表「エド・ウッズ」との驚愕の初顔合わせ!!どーなるんですか奥さん!!他にも、ガレージからモッズ、テクノポップに??な出演者まで、ヘビーシック一押しのメンツ総出演だそうで、われわれは完全にアウェイ感たっぷりですが、死なない程度にハッスルしてきます。出番はオオトリなんで10時頃!!次の日月曜だけど、まあいいじゃん。見に来て!!ドリンク充実のイカした雰囲気のハコです。詳細は下記に。





ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
5月末頃発売予定
▼告知PV
https://www.youtube.com/watch?v=kthRbBMdY7I
2015年5月頃発売/全14曲/予価1400円+税/
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI/
ジャケ画:逆柱いみり/
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫/解説:岡村詩野、湯浅学/
寄せ書き:小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)&大田譲(カーネーション)
ゲスト・ヴォーカル:蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)
<敬称略>
配給:ブリッジ


 

★今夜のBGM★
今夜はニック・ケイヴ祭り。男泣きに「素晴らしき世界」。盟友・シェーン(exポーグス)との酔いどれ三度笠ディナーショー。




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▼今後のイヴェント予定▼

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【ダンボール・バット】ライヴ
2015年2月8日(日)
幡ヶ谷「ヘヴィー・シック」


open18:00 LIVE18:30~
ご予約2000円+1d/当日2500円+1d

DJ:HAYAKAWA,NAOYA

出演:(表記は出演順です)
>ももづか怪鳥
>りすどらむ
>a mole under the eye
>THEEE BAT
>ED WOODS
>ダンボール・バット




3月7日(土)渋谷「ラストワルツ」
雑誌TRASH-UP!!+DANBALL BAT企画
「ニューウェイヴ天下御免VOL.10」
DJ:屑山屑男(編集長)
詳細調整中


ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから


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【ネオン警察(リーダーAMIのソロユニット)】ライヴ

ネオン警察:
AMI(唄・テルミン・SAX)、MARI(ピアノ from BLACK&BLUE

4月3日(金)@高円寺「稲生座」
PM8:00開演

詳細確認中



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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


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▼現在発売中のダンボール・バットのアルバム
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※タコシェ(中野ブロードウェイ内)、高円寺「円盤」等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
  DANBALL BAT PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

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