2016年11月11日金曜日

サメのエサにもなる資格なしとヘミングウェイにどやされ高円寺フェスでピンクフロイド気分に酔った夜。



何と多くの人が財布の中身を考え、
他人の思惑を考え、
家庭を考えて、
つまらない人生に甘んじてしまうことか。
くよくよ考える人間は、
はじめから運に見放されており、
勇気なんて滑稽にしか思えず、
才能があっても活用されずに終わるのだろう。
挙げ句のはては、
不平不満の虜になるのがオチである。

by ヘミングウェイ




 どうせ、クヨクヨ考える人間だよ、不平不満の虜だよ。まいったな。オレのことではないか。ヘミングウェイはお見通しなのだ。ヘミングウェイなんて「老人と海」と短編2,3個しか読んだことがないが、ヘミングウェイの名言みたいのを集めたサイトがあって、それ見てみたらけっこうイイこと言ってるんだよね。あの顔(世間一般に知られたヒゲ面の写真です)で、こんなセリフ吐かれたら、一生付いてゆきますって気持ちにもなるだろう。早速アマゾンに「ヘミングウェイの言葉」なる新書が中古で50円で売ってたんで注文したバカです。そんなもん注文している時点で終わってるってことだろう。ヘミングウェイにぶん殴られて海に突き落とされてサメのエサになる資格さえないのかもしれん、オレには。

 それにしても、寒い。秋はどこへすっ飛んでいったのか。家のベランダから見えるちょっと離れた先にある寺の境内の木立がすっかり紅葉している。夏の間中、ジージー泣きわめく数千のセミたちの声があの辺りからうるさいくらい風に乗って聞こえてきたもんだが、そのセミたちも役目を終えみんな土に還っていった。しかし、オレはなんの役目も見いだせぬまま土にも還れず半分腐ったまま今日もこうして府抜けている。
今日のブログで今年は最後しようかな。もう書く気力も起きん。バンドのほうも、来週17日に吉祥寺のマンダラでやるライヴが今年最後だしな。
そういえば、ちょっと前に出演した例の「高円寺フェス」。意外に面白かったな、あれは。ステージの途中でゆるキャラが乱入したりして(笑)。なにせバンド30年目にして初の屋外ステージ体験。しかも、高円寺駅の真ん前。すでに高円寺に移り住んでほぼバンド活動歴と同じぐらいの年月になるが、まさか駅前でライヴをやる日が来ることになるとはね。当初、マイクもないかもしれない、なんて話も飛び出し、最悪の状況を予想して覚悟していたのだが、いざフタを開けてみればPAの業者が入り思いのほかしっかりした音だった。
それよりも、ウチらのような不健全なバンドが真っ昼間からお日様の下で、善良な一般市民の皆さん方の前でライヴなんてやっていいのか、それよりなにより太陽の光で俺なんてバターみたく溶けちゃうんじゃないかって心配をしていたんだが、その日は今にも泣きだしそうなどんよりとした曇り空。たしか朝まで雨が降っていなかったか?時折吹く風もけっこう強くてオレにしてみればそう悪くないシチュエーションだった。それこそ、ピンクフロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」のイントロの不穏なベースがどこからともなく聴こえてきそうなあの日の天候は、ダンボール・バットが奏でるサウンドには案外似合っていたんじゃなかろうか、と思う。
屋外ライヴ。意外と味をしめると面白いのかもしれないなぁ。いずれにせよ、いい経験になった。高円寺フェスにこっそり応募していたウチのドラマーが、次は来年のフジロックの公募枠に応募するっていって張り切ってる。まあいいよ、ニューオーダーの前座ぐらい、いつでも。
最悪の状況を覚悟して腹くくってた高円寺フェスがイイ意味で意外な結果だったのに対して、その翌週(先週)に同じ高円寺の某ハコでやった自主企画ライヴが最悪だった。バンド30年続けてきた中でもワースト3に入る酷さだった。もちろん、演奏がとか、対バンがどか、そっちの問題ではなくて、店の設備、店の対応がってこと。あまりの酷さにリハの段階からオレの心はすでに折れてしまっていたし、サジもとっくに投げてしまっていた。この件に関しての文句を書きたてれば原稿用紙30枚くらい書く自信があるが阿呆らしいし、ヘミングウェイにも怒られるのでやめにする。条件がいいし(お金の面でという意味で)なにより駅からも家からも近いから一度やって良かったら定期的に使わせてもらおうかと思っていたのだがもう二度と出ることはない。残念だ。この日の唯一の救いは対バンの「ジョージア・オン・マイ・マインド」のファンキーでホットなステージだった。オレの折れた心をライヴ本番前までになんとか奮い立たせてくれた彼らに、この場を借りて再度礼を言わせていただきたい。
さて、ダンボール・バットの30周年記念限定シングルレコード発売の計画はどーなってるんだってことよね?上記ライヴの件のほかにも日々心折れることばっかりで悶々としている。やらなきゃいけないことは山積しているのに思考が体が動かない。やれやれ。
ところで今年が30周年なの?いや、たぶん来年が30周年なんだよ。1987年に結成ってことになってるからオレの中の年表だと(笑)。まあ、1,2年の誤差なんてどうでもよくなってくるよな、30年もやってると。
音源自体はもう出来上がったの。で、再来週にマスタリングの予約を取ったところ。どの曲を入れるのかで二転三転してたけど、ようやく決まった。A面には「秋は北京で」を。そして問題のB面には、やはり新曲の「BAD CITY」を入れることにした。もう、これ確定。テレックスの<モスコウ・ディスコウ>をサミュエル・ホイが香港歌謡化したような哀愁のオリエンタル風味ディスコ「秋は北京で」と、79年頃のストラングラーズをバックに歌う近田春夫をジェフ・リン(エレクトリック・ライト・オーケストラ)がオーバープロデュースしたような「BAD CITY」。え?何言ってるかわかんないって?例えがマニアックですまんね(笑)。何言ってんだか分かんないってヤングはウィキってください。
いずれの曲も非常にシングル・レコードに相応しいサウンドに仕上がったのではないかと、そんな自負はあり。レコードのプロモーション用のCMも鋭意制作中。実際レコードが完成すんのはいつ頃かな?遅くとも3月頭までには・・・と思ってはいるのだけれど、はて。
今、猫も杓子もレコード作ろうぜ!!ってなっているからね、工場もプレスの予約でギュウギュウらしい。レコードに触ったことすらないような、どうやってレコードを再生するのかも分からないような若者までもがレコードだ、カセットテープだのと騒ぎ立てているヘンな状況。日本で唯一のかの有名プレス会社も対応が追い付かず嬉しい悲鳴で相当ウハウハらしい。問い合わせの電話したら高飛車な対応されてちょっとカチっと来た(笑)。だからというわけではないが、今回ウチが頼むのは海外プレスを代行している会社。そっちのほうが2,3万は安い計算。そのうえすでに何度か問い合わせをしているのだが、対応が早いしジェントルなのだ。東欧の工場でプレスするらしい。
さて、それはそうと、レコード云々以前に歳越せるのかって問題がある。おいしく年越しそばを食いたいもんだよ。たとえそれがマルちゃんのカップ麺だとしても。毎年この時期おんなじことほざいてるけど、今年はほんとに危機だよ。だって無職なんだもん。この際個人事業主にでもなってなんか始めるべきか、という選択肢もなくはないが、オレにそんな勇気と決断力と冒険心があったらとっくにやっていただろうし、とっくに戦場やらアフリカの草原やらキリマンジャロを目指していただろうよ、ヘミングウェイみたいに。2回の飛行機事故にあいながらも奇跡的に生還したというヘミングウェイ。実際、肉体は相当強靭だったらしい(もちろん精神的にも)。しかし、そんなタフなヘミングウェイも、最期はライフルぶっ放して自殺してるんだよ。水鉄砲で頭撃ち抜くことすらできないオレのようなフヌケはどうしたらいいのか、ヘミングウェイさんよ。
そしてオレは今日も場末の喫茶店のテーブルがぶっ壊れた麻雀ゲーム機の席に腰かけてお湯の味しかしない珈琲すすりながらうつろな目をしてタバコくわえて呆けている。
まだ11月だっつうのにこの寒さはなんなんだよ。アメリカ大統領はトランプかよ。もう第三次世界大戦だな。


釣れないときは、
魚が考える時間を
与えてくれたと思えばいい。

by ヘミングウェイ




追伸:11月17日のライヴをもって本年のダンボール・バットのライヴの予定は終了です。コーラスのアヤコも参加します。ぜひ、本年の見納めとしてお越しいただければなによりです。出番はトリですので9時少し回ったあたりかと思います。料金は予約も当日も共通となります。詳細はこの下に。


▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。



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今夜のBGM


かつてヘミングウェイをテーマにしたアルバムを発表した加藤和彦も、最期は自殺だったからね。やりきれんね。それにしても凄い映像だな、これは。初めて観た。失禁ものです。合掌。
どうか安らかに。


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【ダンボール・バット】ライヴ情報
11月17日(木)@吉祥寺・曼荼羅

[曼荼羅企画・SAZANAMI]
PM7:00 OPEN/PM7:30 START

※ダンボール・バットはPM9:00過ぎ
本年最後のライヴとなります。
コーラスのアヤコも参加します。

出演:
神様クラブ、ジギジギボーイズ、他
※予約&当日券共通料金
¥2000+1d代(一般)
¥1500+1d代(専門・大学生)
¥600+1d代(高校生)
http://www.mandala-1.com/

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全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>


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CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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