町田康の小説にはよく「うどん」という言葉が出てくるんだとか。オレは町田康の小説をまともに読んだことがないので何とも言えないが町田の本を何冊か読んだことがあるというウチのバンドのメンバーがそう言ってた。あと、「猿股」とかいうのもよく出てくるとか(笑)。そして話の最後はだいたいグチャグチャんなって終わるんだとか(笑)。ほんとかね?
まあ、それはそれとして、最近、昼飯はもっぱらうどんばっかり食べている。それも3玉入って108円の格安麺。無職だからね。金ないからね。一食50円以下で食えるのはありがたい。同じく3玉入って108円のソバもあるのだが、こっちはマズイ。「ソバの形状と色をした何か」を食っているような感じ。うどんはさして気にならないのだが、ソバは不味くて一度買ったきり二度と買っていない。
うどんは近所の100円の品物ばっかり売ってるコンビニで納豆なんかと一緒に買うのだが、この季節になるとレジ横でこれみよがしに石焼いもなどを並べだし、レジで金を払うたびにいちいち「ごいっしょに石焼イモはいかがですか?」などと店員が無表情で勧めてくる。毎回毎回言われるのはウザイものだが夕べはその勧誘に負けてしまった。というか、なぜか無性に焼きイモが食いたかったので店に入る前から焼きイモを買うことを心に決めていたのだ。ワンシーズンのうちに1,2回、無性に焼き芋が食いたくなることがある。それがたまたま夕べだったのだ。もちろん1本100円だ。しかも100円なのにかなりデカい。靖国神社の参道の出店なんかで買ったらいくら取られるだろうか。まあ、どうせ中国産とかの安いイモを使ってるから100円で売れるんだろうが、味はまあ、悪くない。うどんとイモで猛烈に腹いっぱいになる。どっちも炭水化物だ。とりあえず栄養素を満たすことより空腹を満たすことがこの際優先されるべきだろう。だから、よしとする。そして食後30分後にオナラを数発連発。みなさんはどれぐらい長いオナラをしたことがありますか?オレは最長1分間。ほんとに1分間止まらなかったことが一度だけある。トイレの中だったからよかったけど。腸が飛び出るんじゃないかと思った。そういえば、わが師匠、ゲーンズブールが書いた唯一の長編小説の主人公は自分のオナラの勢いを「動力」にして絵を描くという奇妙な画家の話だったっけ。
師走の夕暮れに部屋の灯りもつけずにフォーレのレクイエムなぞ聴きながら今オレは厳かな気分というより放心している。ライオンに首根っこ噛まれ死を覚悟したシマウマの気持とはこんなもんだろうか?いやそんな崇高なものなんかじゃない。ただの社会不適応者の中年男が仕事にあぶれ、おまけにバンド活動もどん詰まりでどーしたらいいのか分からず呆けているだけだ。
尻に火がつくとはこうゆうことか。常に崖っぷちのオレだが、今まさにガケの先端のさらに先端分部につま先立ちしている状態だ。定職が決まらぬまま、ついに12月の声を聞く。このまま富士の樹海にでも行けというのか。CDやレコードや本もだいぶ処分した。たいした価値のあるものなど元々我が家にはなかったが、それでもだいぶ処分した。先日もディスユニオンにいくつか売りに行った。昔、300円で拾ったスロッビング・グリッスルの帯付きレコードが1500円(サンプル盤じゃなかったらもっと高値になったかもしれぬ)になった。他にもゲンズブールのレコードだの(すまぬ、わが師よ!)、アラーキーの本だの(すまぬ、アラーキー!)を渋々手放した。それら一つ一つはたいした額にもならないが塵も積もればなんとやらでまとめて処分すればちょっとした臨時収入程度にはなる。背に腹は代えられない。
すでに両方の手の指の数×数倍ほどの求人に応募しているが見事全滅。こんな国早く滅びればいいのに、と腹立たしくなる。いや、国を恨むのはお門違いか。自業自得の結果ではないか。仕事を選ぶ余裕なんてないはずなのにこの期に及んでまだ選んでいるオレにも非があるのは分かっている。最近はパソコンに向かって一日のその大半を職探しに費やしてしまうこともあり気が付いたら外が真っ暗になっていた、なんてこともしばしば。夕方きっかり5時になると区が設置している屋外のスピーカーから「夕焼け小焼け」のメロディが風に乗って聞こえてくる。あの瞬間が一日のうちでもっとも凹む瞬間だ。「今日もオマエの負けだ」、と、夕焼け小焼けの郷愁たっぷりのメロディが鋭利な刃物のようになってオレの胸を突き刺してくる。そして、オレは自分の「負け」を認め、6時を回った頃こそこそと家を抜け出しあてどなく高円寺の商店街をふらふらと歩く。それが日課のようになってしまった。何をやっているのだろうか、オレは。
一時期は頻繁に通っていた喫茶店へも金がないので行く回数も激減した。コーヒーも4~500円するからね、馬鹿にならない。そこで、高円寺駅前にある某カフェが平日の夕方から9時までハッピー・アワーと称してジョッキ・ビールとグラス・ワインがそれぞれ1杯180円で飲める(何杯でも)サービスをやっているので最近はその店によく出没する。この季節、本当はキンキンに冷えたビールやワインより熱いコーヒーで体を温めたいものだが一杯180円というコスパの誘惑にはかなわない。少々こじゃれた店なんだが結構歴史のある店でインテリアなどもほどよく年季が入っていてそんな嫌味な感じはしない。夜になると照明の明るさはぐっと落とされ各テーブルの上に蝋燭が灯される。ビルの2階にあるこの店の窓際の席に座れば、ロータリーを挟んで正面の高架になっているJR高円寺駅のホームがよく見える。黄色い総武線の電車や銀のボディにブルーのラインの東西線の電車がひっきりなしに入って来てはまた出て行く。乗客を吐き出し、乗客を運んでゆく。タバコをくゆらせながら何をするでもなくその様子を見ているだけでなぜか気分が落ち着いてくる。仕事もせずこんなところでビールなど舐めて呆けている自分に酔っているのかもしれない。オレってほんとダメなヤツ、と。そう、ハイネケンのコクのないビールにではなく自分に酔っているんだよ、きっと。どこまで阿呆なんだろうか。
昔よく一緒にこの店に来た友人のことが頭を過ることもある。その友人とは最後は気まずくなりいつのまにか音信不通になり既にしばらくたつ。その原因を作ったのはオレなのであって、それが今も心残りだったりする。元気でやっていてくれればいいのだが・・・。
カバンに入れて持ってきた本を開くこともある。文庫本ぐらいにしておけばいいものをなにを思ったかこの前は埴谷雄高のごっついハードカバー本など持っていった。難解な文章で知られる埴谷雄高など読んでもオレの8ビットの脳みそでは理解できるわけもなく文字を必死で追いかけても目からその先に入ってゆかない。だけど、たまに無性にその手のわけが分からない難解な本が読みたくなることがある(ありませんか?)。結局、その時も短編を読みだしたものの2,3ページも進まないうちに集中力が萎え、また高円寺駅のホームに視線を戻しタバコに火を点け昔の思い出にふけってみたりする。で、そんなときに限ってタイミングよく店のスピーカーからチェット・ベイカーなんかが流れてくるんだよ。例の病人みたいな青ざめた声でマイ・ファニー・ヴァレンタインとかがさ。オレに、どーしろと?!やんなっちゃうよ、もう。
話変わってダンボール・バットの30周年記念限定シングルレコードの件。結局発売を来春4月に決めた。それは毎年4月に世界規模で展開されるイベント、「レコード・ストア・デイズ」にウチも便乗しようという狙いから(レコード・ストア・デイズが分からない方はググッてください)。レコード・ストア・デイズに絡めてリリースすると販売店のほうでも通常の時よりも念入りに宣伝してくれるのだ。イベントに合わせて店側のほうでチラシを作ったり、店のサイトに専用のページが開設されそこにジャケット写真を掲載してくれる。もちろん店頭でもレコード・ストア・デイズ参加作品として専用のステッカーを貼られきっちり棚に面出ししてくれる。まあ、だからといってそれしきのことでウチのレコードがバカ売れするわけもないのは重々承知だが、まったく宣伝してくれないよりは宣伝してもらえるほうが有り難いしね。
で、肝心のブツのほうは、まさにきのう、プレス代行会社へ代金の入金と音源の入稿が無事完了したところ。ひとまずやれやれといったところ。当初は100枚だけの予定だったが、結局200枚発注した。300枚いってしまおうかととも考えたがなにせ予算がないので200枚でやめておいた。冷静に考えれば200枚も売れるのか?と、少々心配になる。逆に言えば、結成30周年記念なのにたった200枚かよ・・・いや、30年もやっていてたかが200枚もさばけないのかよ、と、少々情けない気持ちにもなる。まあ、なんとかなるだろう。レコードが聴けない人のためにネットから音源を落とせるようダウンロード・コードも付ける予定だし。余ったらフリスビーにして飛ばして遊べばよいし、どうそご自由にお持ち下さいと近所の古着屋の店頭にでも置いてもらえばよい。
今回発注したプレス業者は海外でのプレスを代行している会社。国内唯一のかの有名な某プレス会社に頼もうかと当初は計画して見積もりまで頼んだが、そのあとに今回頼んだ業者の見積もりを見たら圧倒的に安かったので迷う理由はなにもなかった。同じ発注枚数でも4万円ほどの違いが出る。極貧バンドにとって4万円の差はデカい。納期も早いと聞く。それに国内某プレス会社へ電話した時の担当者の態度が横柄だったのにカチっと来た、っていうのもある(昨今のレコード・ブームで工場もフル回転で大忙しでたかが200枚程度の小口の客の問い合わせの電話にいちいち出ているヒマなどないわいなっていうのも分からないではないけどね!)。
ただ、海外プレスと聞くと、品質は本当に大丈夫なんだろうか?という一抹の不安がないわけではない。メジャーからインディーまで創業以来何十年という歴史の中で数多のレコードを世に送り出してきた実績、そして安定した評価を持つ国内某工場。それに比べて・・・。しかし、ヨーロッパの工場でのプレスと聞いてなぜかちょっと安心した。それも東欧のチェコにある工場だという。いや、安心を越え、なんというか逆にへんな期待を抱かせる。おれのまったく勝手なイメージだが、「東欧」、「チェコ」というその少し固くて奥ゆかしい言葉、国名の響きを耳にしただけでなぜか高品質のレコードを思い浮かべた。職人が一枚一枚丁寧に焼き上げる古風な焼き菓子、あるいは鈍色の屋根瓦のような重みのあるみっちりと何か思想のようなものが高密度に詰まった黒々とした塩化ビニール盤をオレにイメージさせる。妄想とは恐ろしいものだね。海外など一度も行ったことがないオレの妄想などあてになるはずもないのだが。
2月上旬には完成品が我が家に届く手筈。なんとしてでも年を越さねばならぬ。
さて、今夜はバンドのリハである。年内のライブは早くも全て終わってしまい、年明けのライヴも今のところ2月25日の大久保ひかりのうまでの恒例の自主イベントまでまるで予定がない。予定がないがリハだけはきっちりやる、というのがダンボール・バット流(笑)。過去には1年に2回しかライヴがないという年もあったがそれでもほぼ毎週リハをきっちりやり新曲を作り続けていたのである。おかしなバンドである。
今日のリハではちょっと古い曲を引っ張り出してやろうと思っている。そして、新曲。「冬の戦車」という新曲。たぶん、無意識のうちに戸川純がYAPOOS時代に書いた「赤い戦車」(名曲!)という曲のタイトルが頭のどっかにあってオレに戦車というモチーフで詞を書かせたのだと思う。先週からやり始めたのだが果たして形になるのかちょっと壁にぶち当たっているところ。しかし、だいたいいつも新曲を初めてやる時、壁にぶち当たる。壁が突き破れずそのままお蔵入りになった曲も何曲かある。なんとか形にしたいもんだ。
「冬の戦車」
白いゴースト
凍てつく磁石
ほら、光る
昂るエモーション
調子外れのマーチングバンド
雪原に描く、キャタピラの筆で
素描画のヴィナス
踏みつけろ
時代を・・・
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▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。
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今夜のBGM
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【ダンボール・バット】ライヴ情報
2017年・・・
2月25日(土)@大久保ひかりのうま
[DANBALL BAT企画]
★爆裂土曜音楽館VOL.4★
PM7:00 OPEN/PM7:30 START
出演(出演順に)
①わたりどり(こまどり社)
②キンキーサロン
③ダンボール・バット
※SPゲスト予定
※前売り予約はございません。
当日券のみのイベントです。
チケット¥2000+1d代
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全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
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作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
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2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))
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