2011年6月7日火曜日

内田裕也とマルセル・デュシャン。



「高気圧ガ~ル♪」と、どこからともなく山下達郎の甲高い歌声が聴こえてきそうな夏本番のような日が続いていますが、梅雨はどっかに行っちまったんでしょうか?。年中“低気圧ボーイ”のAMIです。たしかにこの時期、毎日雨降りっていうのは正直気が滅入ります。雨の中、ぬかるんだ泥道を鉄の足枷(あしかせ)をハメられた重たい足を引きずって奴隷農場(=会社)へと出かけてゆかなければならい朝のユウウツな気分ほどイヤなものはありません。が、それでも、NHKの朝の連ドラのような偽善的でイヤったらしい明るさに満ち溢れた「春」の押し付けがましい陽気にくらべれば、しとしとジトジト降り続ける梅雨の曇り空のほうがオレの性(しょう)には合っているようです。もし、この国に梅雨が無く、春が終わったと同時に夏が来ていたらオレはとっくに桜の木の根元で狂い死にしていたことでしょう。

さて、わが師の一人、内田裕也センセイが先日起こした色恋沙汰の珍騒動。逮捕されたもののその後<起訴猶予>処分となり無罪放免とのニュースが。その釈明会見を、毎年大晦日に内田裕也自身の企画として長年開催している悪名高き(笑)「ニューイヤー・ロック・フェスティヴァル」の会場にもなっている、浅草のストリップ劇場で行った模様。会場内にはなぜかプレスリーが歌う「マイ・ウェイ」が鳴り響き、ステージの上に現れた師匠は、片手に杖を持ち舞台に片ひざを着いて陳謝したそうであります。それにしても、内田裕也を知らない今どきの若者からすれば、どこの何者だか分からないヨレヨレの白髪のジジイの起こしたどーでもいいような事件のためになんであんなに騒いでいるんだ?ってことになっているみたいです。なるほど。言いたいことは分かります。しかも、「ロッカー」とか名乗っているくせにヒット曲(代表曲)が1曲もないじゃないか、ってことも内田裕也の存在(評価)を更に分かりづらいものしているようです。ちょっと強引ですが、内田裕也とは、オレに言わせればマルセル・デュシャン作による「泉」と同じなのではないか、と思うわけです。男子の小便用の「便器」にただサイン入れただけで、それに「泉」というタイトルをくっつけ会場に展示し、それを「(芸術)作品」だと主張したゲンダイ・アートの始祖とされるデュシャンの美術史に残る作品。つまり便器、それ自体がすでに作品である、と。つまり内田裕也「自体」がイコールROCK(R&R)なんだ、と。あれ?全然答えになっていないですね(笑)。便器=裕也?(笑)。まあ、いいや。ロックンロール!!とにかく、オレも昔若者だった頃は内田裕也が何者かぜんぜん知らなかったわけです。初めて名前を意識したのはフラワートラベリンバンドのアルバム。そこにはプロデューサーとして内田裕也の名前が載っていたからですが、実際興味を持つようになったのはそのずっと後。91年のかの伝説化した東京都知事選のファッキン政権放送を目にし、その後、あの人が出てる映画を観、馬鹿の一つ覚えみたいに飽きもせず「ジョニーBグッド」♪を歌いつづける姿を観、スーツを着たままニューヨークのハドソン川を泳いでいる写真の阿呆っぷりにしびれ、頭脳警察の「コミック雑誌なんかいらない」のカヴァーに失禁し、「オレはロキンローラー」というトンチンカンな自伝本を読み、たまに出るワイドショーでのスットコドッコイな発言ぶりや、その他数え切れない奇行ぶりに腹をかかえ、常盤響氏がオレ企画のイヴェントの時にDJで回した裕也が歌う「マンジョキ・ロックンロール」に衝撃を覚え、1度とは言え、オレもモッくん(!)やらシーナ&ザ・ロケッツらと共に「ニューイヤー・ロック・フェス」の同じステージの上に立ってみて、初めてあの人の面白さ、偉大さが身に沁みて分かったってことです。常に「フリチン」のカッコよさってことじゃないでしょうか。オレの中の永遠の内田裕也像とは映画「コミック雑誌なんかいらない」('86)での突撃芸能レポーター役「キナメリ」を演じたあの頃の裕也の雄姿であります。「恐縮ですっ!!」。


 「死に対していつだってオレは、『こんにちは』と言う」by内田裕也



追伸:

夕べ、夢に、我が師の一人、ニック・ケイヴが出てきました。出てきたと言うか、ニック・ケイヴのステージにオレも立っていてケイヴが歌った後に同じ曲をバックに歌詞を朗読するという大役を演じるハメに。オレの隣にはケイヴが逆を見ればブリクサがギターをかきむしっているっていう失禁しそうなシチュエーション。オレは膝の震えるのをこらえながら必死に「日本語」訳された歌詞を朗読するのでありました。結成23周年、我が屁っこきアーバン無国籍ROCKバンド「ダンボール・バット」の新メンバーを加えての半年振りのライヴがこの日曜日(6月12日)に迫っております。こんな夢って、ライヴに向けた何かの暗示?ところで、今度のライヴで使う「飛び道具」を、アコーディオンにするか、やっぱり使い慣れたアルト・サックスにするか悩み中。さらに小山田圭吾に対抗し(?)新たに「テルミン」も導入予定。そして、古着屋で700円のズボンと1000円のジャケットを購入。ビラビラのエリの付いたドレス・シャツ着てタレサンかけたら、田舎のパブ・ロッカー風に。フレーミング・グルーヴィーズとかドクター・フィールグッドにこんなキャラのメンバーいなかったっけ?ってな風情。とにかく準備は着々。みなさんのおいでを「肥溜め」の底よりお待ちしています。



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【ダンボール・バット~プチ情報】

●新ドラマーを迎えての半年振りのライヴ決定!!

2011年6月12日(日)
@
東高円寺UFO-CLUB
「不埒なゴールデンショー」
開場 18:30/開演19:00

競演:
エルナ・フェラガ~モ、BLACK VELVET LUCY、
未練タラタラズ、Black&Blue

当バンド「ダンボール・バット」の出演順は 5番目
(21時40分頃スタート予定)

前売 ¥1,800・当日 ¥2,300
(前売/当日共にドリンク代別途¥500要)
前売りのご予約はこちらから
※当日のPM12:00まで受付中!
①ご予約の際は、お名前と枚数を明記してください。
②追って確認のメールを差し上げます。
③当日受付にてお名前をお申し出いただき「前売り料金」にてご入場ください。
④予約をしたものの当日都合でご来場になれない場合、こちらへのご連絡は不要です。
その場合のチケット代・キャンセル料等は一切頂きませんのでご安心してお申し込みください。


▼UFO-CLUBへの道順
東京メトロ「丸の内線・東高円寺駅」下車徒歩3分。
青梅街道と環七との交差点角








●ダンボール・バットのニューアルバムの地獄のレコーディング続行中!本夏完成予定!乞うご期待!
●女子コーラス隊、ファン、出演依頼等、随時募集しております。
こちらからお気軽に!
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▼今夜のシネマ
今更で「恐縮です!」。アイ・キャン・ノット・スピーク・ファッキン・ジャパニーズ。白髪頭の内田裕也しか知らないお坊ちゃんお嬢ちゃんにも観て欲しいケツ作。
映画「コミック雑誌なんかいらない」PV


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