2013年8月24日土曜日

作詞のイロハはムーンライダーズと金子光晴と阿久悠に教わったと吹聴した夜。


 奴隷農場(会社)の食堂にて。土曜の昼に味気ない昼メシ喰いながらボケーっとTV見てたら、ある番組内で女優だかモデルだか知らない若いオネーチャンが自分の家の部屋にカメラを招き入れ、インテリアやなんかを紹介するようなコーナーをやっていた。いかに自分の部屋がおしゃれで整理されているかというのをさりげなくアピールしているようだった。カノジョによれば本(読書)が大好きだということでこれまたきちんと整理された本棚が映し出された。また最近はやりのドストエフスキーのカラマーゾフあたりが並んでいたりするのかな?まあ、それもご愛嬌だな。などと思った次の瞬間アップで映し出された本棚の光景に喰っていた菓子パンを勢い良く噴出す。ブヘ~っ!!そこには「東野圭吾」の名が背表紙に刷られた文庫本がびっしりと並ぶ壮観の地獄絵図也。他の著書は良く見えなかったが「鏡リュウジ」(!)とかの名前もオレは見逃さなかった。一体なんだねキミは?!あん?!噴出した菓子パンを慌てて口の中に戻すオレ。そうだよな、それが普通だよ。普通のオネーチャンだよ。逆に、本棚がアップになった瞬間、セリーヌだのヘンリー・ミラーだの団鬼六だのが並んでたら多分イスごと後ろにぶっ倒れていたことでしょう。読んだこともないからイチャモンつけるわけにもいかないが、恐るべし東野圭吾。大層売れているんだってねぇ?このご時勢、東野圭吾と村上春樹の新刊本ぐらいは抑えておかないと、オネーチャンとお酒も飲めないってことね。ハイ、勉強になりました。

 さて、1冊の詩集を買いました。中古CD・レコードショップ「ディスク・ユニオン」が開いている、音楽関連の書籍や雑誌(中古・新刊両方あり)を専門に扱う店舗が新宿の東口にあります。先日、とくに当てもなく色々本を物色している最中に、たまたま本棚から引き抜いた一冊の詩集。背表紙には「石原吉郎」(1915-1977)と、オレの知らない詩人の名があったのですが、なんとなく気になり手にとってみたのです。すると有難いことに表紙には店員が書いた手書きのポップが・・・書店に行くと最近流行なのかやたら手書きのポップがあちこちにベタベタ貼ってあるというおぞましい光景に出くわします。アンタに勧められたくないよ、と、思うのはオレだけ?一般の客には有効でもオレにはありがた迷惑なのヨ・・・で、そのポップによると、最近若者の間で熱い支持を集めているというサカナがクッションだかクッションがサカナだとかそんな名前のバンドのヴォーカリスト(バンドの詞も書いている)が大層影響を受けた詩人なんだとか。あ、そうなんだ。余計な情報有難う。けっ、イヤな本手に取っちゃったな。と、そのまま中身も見ないで速攻本棚に戻そうとしたのですが、その詩人には罪はないのだしせっかく気になって手に取ったのだからまあちょっとだけ見てみるか、と、何ページかめくってみたのです。すると、オレの琴線に触れるような詩がいくつかポロポロと載っている。家に持ち帰りじっくり腰を据えて読んでみたくなり財布に手をかけレジに向かおうとしたものの、そこで買うのもなんかポップに釣られて買うようで、或いはそのバンドのファンなんじゃないかと在らぬ勘違いをされるのもシャクなような気がして思いとどまり(考えすぎ?)、後日わざわざアマゾンで注文するというヒネクレぶり。でも、どうする?オレもこの詩人に影響受けましたとか言って詞書いてさ、そのハックション大魔王がサカナだとかいうバンドの奴の詞なんかより凄い詞書いちゃったら(笑)。まあ、たとえ実際そうなったとしてもバカがなんか騒いでるよってなぐらいで、オレの書いた詞なんぞ犬も喰わぬから安心しとけ、阿呆め。ハイ。おっしゃる通りで。
 ところで、オレはどんな詞(詩)に影響受けたんだっけ?ダンボール・バットの詞も、ネオン警察の詞も、一応全部作詞はオレがやっているんですが?・・・誰もインタヴューしてくれないから自分で自分にインタヴュー(笑)。
 とっかかり・・・つまり音楽始めたばっかりの高校生ぐらいの頃・・・は、ムーンライダーズが最大のセンセイ。「青空百景」とか「アニマル・インデックス」とか「マニア・マニエラ」とかあのヘンのニューウェイヴ色が特に濃いアルバムはよく聴いたし影響受けました。あとはその周辺の日本のニューウェイヴもの。特に戸川純とか(戸川純本人作のとかサエキけんぞう氏作のとか)ね。あとは、阿久悠、なかにしれいといった歌謡曲の中でもちょっと特異な世界観を持っている人の詞。洋楽だと、初期のニック・ケイヴの混沌とした詞からは影響大ですが、あとはせいぜい言葉遊び(選び)のセンスが上手なゲンズブールぐらいでしょうか、面白いと思ったのは。普段聴いてる音楽の9割は洋楽なんですけどね、意外とつまんない詞が多くてがっかりします。ヒネリなしのただのラヴソングだったり、中途半端に難解(?)だったりで楽しめなかったり、etc。対訳のせいもあるのかもしれませんが、自分の思い入れのある大好きな曲の歌詞の訳をたまたま観てしまってあまりのギャップにゲンナリって記憶がままあります。洋楽なんて英語にしろ仏語にしろ言葉が分からないで好き勝手に妄想して聴いているほうが案外幸せなのかもしれません。
 一方、文学からのオレの詞への影響に関して言えば、ブコウスキーから中上健次まで色々好きな作家はおりますけれど、こと「詩」という点で絞れば、例えば、ニヒリスティックなエロ爺・金子光晴だとか、「智恵子抄」ばっかりが有名ですが重厚な作品が多い高村光太郎だとか、長大な歴史小説などで知られる小説家でありながら繊細で優れた詩も残している井上靖だとか、その辺の時代の諸々の人たちが書いた諸々の詩集からの影響は計り知れません。外国人の詩集も持ってはいますが正直あんまりピンと来ません。コクトーだとかランボーだとか。あとは意外かも知れませんが、俳句などのからの影響もハナクソほどにあるかもしれません。特に山頭火や尾崎放哉の「五・七・五」の俳句の定型ルールから逸脱したストイックで情に切り込むような世界観には共感する部分も多かったりして・・・などなど。
 と、まあ、偉そうなことばかり言ってる割にはゴミみたいな詞しか書いてねぇーじゃねぇーか、という厳しいご指摘が聴こえてきそうなので、ボロが出る前にこのへんでオレのセルフ・インタヴューはジ・エンドにいたしましょう。詞(詩)作とは奥深い世界であります。日々是精進。詳細なインタヴューは後日「ロッキン・オン・ジャパン」誌上にて。ウソ。

 今日、仕事の帰りにまた別な店に行ったら、あの有名本「ライ麦畑でつかまえて」が、どうだと言わんばかりに正面向けて飾ってありまして(村上春樹・訳版じゃなかったのが唯一の救い)、その表紙にこれまた手書きのクソポップを発見。それによると、これを読んだナントカってヒトはフランキー・チョメチョメ・シティー・・・だか、そんな名前のバンドを作ったとか書いてありました。瞬間、思わず売り場の本全部に火を点けたくなる衝動に駆られましたが、ポケットにマッチがなかったのは幸いでした。その後、なんとか店を脱出したものの、もうほんとトホホな気分。街はトホホで溢れている!!トホホ気分でロックンロール、です。
 それにしても、いい気になってんでしょうね、最近の本屋の店員は。電車の新刊本の中刷り広告とかでも見かけたことありますよ。チョメチョメ書店のチョメチョメさんが推薦の「絶対に泣ける本」とか。阿呆か。出版社からいくら貰っているのか知りませんが、何様のつもりか、あなたたちは。まあ、本も売れない時代、商売に熱心になるのも仕方ないんでしょうけど、それでもオレの気に障るのは、それでもウザイのは、その、愛情タップリの“手・書・き・の・ポ・ッ・プ”!!


【追 伸】
9月21日(土)の夜に高円寺「円盤」でオレのトークショー(?)やることになりました。ヘンなレコードかけます。ネオン警察のミニライヴもご用意。トークのお相手はおなじみ雑誌「トラッシュ・アップ!!」の屑山編集長!!詳細は下記。当日券のみ。おヒマな方は是非。

★【ダンボール・バットAMI presents 今夜は御意見無用】
@高円寺「円盤」にて
19:30 Open 20:00 Start/ 22:00 CLOSED ¥1,500(1ドリンク付き)
出演:AMI(ダンボール・バット/ネオン警察)/屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)/MARI(ネオン警察・ピアノ担当)
結成26周年を誇る流浪の無国籍ROCKバンド「ダンボール・バット」のリーダーAMIと、日本のトラッシュ・カルチャーをリードする雑誌「TRASH-UP!!」編集長の屑山屑男の両盟友による、主に70年代~80年代にかけての闇に葬られたB級でニッチな裏レコード鑑賞と噛み合わぬトークで御意見無用の一夜を。また、7月にアルバムをリリースしたばかりのAMIの闇のソロユニット「ネオン警察」のミニライヴもご用意でさらに御意見無用!!

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★今夜のBGM★
中華風味のDUB、DUB風味の中華って、あるようでないようで、ないようであるようで。いいところに目を付けましたね。その昔、PILでベースギターをブイブイ言わせてたジャー・ウォブルさんです。その後、CANのホルガー・チューカイなんかともつるんでましたね。これNHKのシルクロードの新シリーズの伴劇で使えませんかね?ナレーションはもちろん石坂浩二。
Jah Wobble & The Chinese Dub Orchestra(2008年)


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次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:

10月14日(月・祝)@渋谷「ラストワルツ」(旧「青い部屋」)
【東京電極VOL.14】 ※詳細確認中


11月19日(火)@東高円寺「UFO-CLUB」
雑誌「TRASH-UP!!」&ダンボール・バット共同企画
【ニューウェイヴ天下御免VOL.5】
※DJ:屑山屑男(編集長) ※出演者調整中


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DBEFLVK/
▼ディスクユニオン
ttp://diskunion.net/portal/ct/detail/IND12849

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))






◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM

▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』
▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲
▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス] ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ----------------------------------------------------------------------------------
 ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326 --------------------------------------------------------------------

▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル
(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)
 
 










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