2014年5月7日水曜日

どうせ小沢健二になれないならせめてもとボーダーTを買い求めハウリングの出るほどベースの音量を上げた夜。

今も活動しているのかどうかは知らないが、昔イギリスのバンドでTVパーソナリティーズというのがいた。彼らの曲に「Three Wishes」という空き缶の中で干からびたコオロギが歌っているようなとても物悲しい曲があるのだが、なぜかそのメロディがこの数年耳にしていないにも関わらずオレの頭ん中で一日中鳴り止まなかった。5月だっていうのに季節はずれの肌寒さと低く垂れ込めた灰色の空・・・そんな今日の東京の天気を思わせるような陰欝な曲。多分に、それはオレの今朝の気分がオレの耳の奥にわずかにこびりついていた昔さんざん聴いた曲の断片を拾い集めて勝手に再生させてしまったのだろう。
オレをそんな気分にさせてくれた夕べのライヴ。なんとも後味の悪いライヴだった。まあ、自分たちのステージはそれなりに楽しくできた。が、それ「以外」が悪かった。それ「以外」って?まあ、これ以上書くとロクな事がないのでやめておこう。グチなら夕べのうちにメンバーたちにタップリこぼしておいた。が、メンバーたちも同じように感じていたらしくみんな悶々としていた。ライヴ(演奏)で疲れるのならどんなに疲れても構わない。肉体的な疲労ならば心地イイってことにもなるもんだ。が、それ「以外」の部分・・・つまり精神的な部分で凹まされるのは「拷問」に等しい。長年、ライヴをやっていると、そういう「拷問」のような目に合わせられる機会も多い。いや、そういう機会のほうが圧倒的に多いような気がする。これも試練なのか?宿命なのか?神様の嫌がらせ?まったくやれやれ、だ。

 「壊れたカセットはAOR」・・・ダンボール・バットの最新の曲であり、只今レコーディングを粛々と進めているニューアルバムのタイトルトラックでもある曲だが、これがなかなかに好評なんである。もちろん、夕べのライヴでも披露した。ダンボール・バットのライヴではコーラス嬢として参加してもらっている「まりこふん」ことBLACK&BLUEのマリも気に入ってくれているようで、「何か映画のテーマ曲とかで使われたらいいですよねぇ?」なんて、夕べもライヴの帰り道で嬉しいことを言ってくれる。いや、オレも実は同じようなことを考えていたのだ。この曲が出来上がった時、映画のエンドタイトル・・・出演者やスタッフの名前が下から上へと流れていくバックでこんな曲がかっていたらきっと悪くないだろうな、などと一人妄想してニヤけたことを思い出した。テーマ曲というよりは、エンディングテーマって感じでしょう、このちょっと甘酸っぱい切なさは!・・・・・・遠く地平線が見渡せる滑走路。季節は夏。快晴。照り付ける日差しのせいで遥か向こうに陽炎がゆらゆらと。気温は高いのだが湿気がないせいかそよぐ風が肌に心地いい。滑走路の色の消えかけたセンターラインの白線の上をゆらゆらと歩く麻のワンピースに広いツバの帽子を被った女の影。この際、女優はだれでもいいのだが、70年代末ぐらいの桃井かおりなんかがオレのイメージだ。古くて申し訳ない。で、その桃井かおりの片手には古い小型のトランジスタ・ラジオ。彼女がおもむろにスイッチをひねると雑音に混じってかの曲が流れ出すってワケ。そして、その瞬間、女の頭上を今まさに一機の小型飛行機がかすめ飛んでいく。女は風で飛ばされぬよう、慌てて帽子を手で押さえ・・・。と、まあ、オレの一人妄想ロードショーは終らない。片岡義夫の小説の世界か?!(一度も読んだこと無いですけど・・・。)
夕べのライヴには、ダンボール・バットの数少ない理解者の一人であり、事あるごとにいろいろオレの人生相談(?)にも乗っていただいている森内さん(現在はご自分で「DONUT」という音楽雑誌の編集などをされている)も見に来てくださった。ロッキン・オン・ジャパンを始め、数々の音楽雑誌などにライターとして関わってこられた森内さん。当然、音楽にはうるさいし、いつもオレの音楽やバンドに対し、時には手厳しくも的確な評価をしてくれる有難い存在。その森内さんからもかの新曲に対して「名曲!」とお墨付きをいただいた。「その才能、埋もれさせておくには勿体ないねぇ~」なんて嬉しい事を言ってくださるのだが、まあ、オレの屁のような才能の有無は別としても、例えお世辞とはいえそんなことを言ってくれるのは片手の指で数えられる程度の知人しかオレにはいない。悲しいがそれが現実というものだ。オレはこの先も、1円のカネも産まぬ誰にも聴いてもらえぬ曲をコツコツと作り続け、人知れず老いさらばえて野垂れ死ぬんだろうと思う。芥川龍之介の本のタイトルを思い出した。「或る阿呆の一生」・・・・そうだ、オレの一生なんてただの阿呆に過ぎず。阿呆の塊のようなもん。ナニを今更!!いけない、いけない。またボヤいてボヤいて日が暮れてゆく。
それにしても、エンディング・テーマか。いいなあ。今からどうにかして映画関係の人にコネ作ってどこぞの低予算映画のエンディングテーマにでも使ってもらえんだろうかと、本気で画策中。ピンク映画でも何でもええです。むしろピンク映画(って今あるのか!?)とかのほうがお似合いかもしれぬ。どうせなら勢いで、映画丸々一本分のサントラも作ってみたい。坂本龍一やエンニオ・モリコーネのように!!オレの名刺の肩書きには「コンポーザー」・・・いや、「映画音楽家」の文字を今から入れておこう!!
(以上、ここまでの日記、5月6日に記す)

先日、バンドのリハの時に、ウチのバンドのベース氏から「これ聴いてみてください」と1枚のCDを渡された。改まって何事?!よっぽっどレアなCDでも手に入ったの?たとえばブラジルの片田舎のサイケ・バンドが70年代に残したキングクリムゾンの完コピアルバムとか、北朝鮮の脱北者が結成したディスコ・バンドがスーサイドのカバーでもやってるとか、そんな壮絶なCDを予想して手が震えたのだが、渡されたCDのジャケに書かれたアリのような小さな文字を見れば「dogs kenji ozawa」と。あん?!あの、フリッパーなんちゃらの小沢健二くん?!呆気に取られているオレに対し「このCDのベースがお気に入りなんです」と、ベース氏。更にダメ押しで「これ誰が弾いているか当ててみてください」と宿題まで出されたオレ。「AMIさんも知ってるベーシストですよ」と。CDには演奏者のクレジットが一切ない。が、まあ、ネットで調べればスグ分かることだがあえて調べず聴いてみた。当然、分かるはずがない。そもそもオレが知ってる(咄嗟に頭に浮かぶ)日本人ベーシストといえば、細野(晴臣)さんと、後藤次利・・・ぐらい(笑)。どっちも違うとなればもうお手上げ。結局答えはルースターズの井上富雄とのことだった。名前の字面を見ても5分間分からなかった。ルースターズは何枚か聴いているし好きなアルバムもあるのだが熱心なファンってほどでもないので大江慎也とドラムの池畑潤二の名前ぐらいしか咄嗟に思い浮かばなかったからだ。それにしてもこのCD、不必要にベースの音がデカイ。LOWばっか出ていて他のオケともなじんでいない。その意図が分からない。なんでも、ベースの音がデカイことでも有名なアルバムなんだそうだ。アンタはストラングラーズか?それにしても小沢くんはなぜこの人選にしたのか?そこも分からない。まあ、オレにはどうでもいいことだが、それよりベース氏がオレにこのCDを聴けと渡した意味はなんだろうか?こういう感じでベースを録音してほしいってことなのか?ベースの音をデカくミックスしてくれってことなのか?いずれにせよ、来週早々、すでに録り終えているドラムに合わせてベースのレコーディングをやる予定なのだ。
片や一流スタジオで一流の機材とプロのエンジニアにより録音した小沢くんのアルバム。片や高円寺の片隅の畳6畳間の即席スタジオでオンボロ機材と素人エンジニア(オレ)による我がダンボール・バットの極貧レコーディング。まあ、比較の対象にもならんだろうが、気合だけは負けていないつもり。とにかく、今度のダンボール・バットのアルバムをオレの辞世の句ならぬ辞世のアルバムと位置づけているのだ(!)。今までのアルバムが酷すぎたのだ。1枚くらいは人様に名刺代わりに胸を張って渡せるアルバムを作ってから死にたいんだよ、小沢くん!!今年3月の放送終了間際の「笑っていいとも」に、ン十年ぶりだかでTV出演したという小沢くんは確か昔と代わらぬボーダーのTシャツを着てニコニコしていた。オレもさっそく明日、新宿のユニクロにでも行ってとびきりのボーダーのTシャツを買ってみようかと思う。



★今夜のBGM
3つの願い(Three Wishes)・・・叶えます。
♪Three Wishes / TV PERSONALITIES













▼今後のイヴェント色々決まってます。

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「ダンボール・バット」ライヴ
6月15日(日)
@東高円寺UFO-CLUB
競演:サエキけんぞう&boogie the マッハモータース、他
※詳細確認中

7月8日(火)
@渋谷ラストワルツ
雑誌「TRASH-UP!!」+ダンボール・バット共同企画イヴェント
【ニューウェイヴ天下御免VOL.7】
DJ:屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)
※詳細調整中

「AMIの音楽トークショー」
6月27日(金)
@高円寺・円盤
出演:AMI、屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)
※AMIのソロユニット「ネオン警察」のミニ・ライヴ・コーナーあり





お問い合わせは▼こちらのフォームから
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P39590588



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【お知らせ】
ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中(サポートOK)!
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▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


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▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新PV▼  「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)      ▼DANBALL BAT最新PV▼  「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」 /ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)      DANBALL BAT最新PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

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