2014年12月9日火曜日

ヒカシューの前座を務めるまではオレは死ねないと巻上さんに告白しマスクを着けたまま東京を漂流した夜。

 
▲只今制作中のダンボール・バットのニューアルバム
「壊れたカセットはAOR」

 なんで今さら?と、自分でも少々恥ずかしくなったが、藤原新也の「東京漂流」のハードカバー本を買った。高円寺のガード下の古本屋にて100円で。20代の頃買ってほとんど読まないうちに飽きてどっか行方知れずになってしまった本なのだが、なんだか急に読みたくなったのだ。ページをめくると「金属バット殺人事件」のあった家の写真や、「深川通り魔事件」の川俣軍司のカラー写真が眼に飛び込んできてなつかしさとともに、当時の自分のことを思い出す。
 本を買ったその足で西友の裏にあるオレの行きつけの隠れ家・・・昭和30年代から営業している岸田今日子似の上品なマダムが切り盛りしている老舗名曲喫茶にもぐり込み、買った本を読むでもなく店内に流れている荘厳なミサ曲に耳を傾けるでもなく薄暗い店内の壁に掛けられた誰の作とも知れぬ陰鬱な油絵を眺めながらタバコをふかしながらついさっきまで暫し放心状態でいたのだった。精神的に疲れると、なにか壁にぶち当たると、そして、ただなんとなくボーッとしたい時、いつも気がつけばこの店に足を運んでいる。時間の止まった、世間の時流から完全に置き忘れ去られたようなこの店のヤニ茶けた空気に浸っている間だけは、日々の煩雑な物事を忘れるとができるのだ。
 もう今年も終わりだな。
 夕べ(12月7日)の渋谷での今年最後のビッグイヴェントも終わり、一気にモヌケの殻になってしまった俺。今年もまた「何も起こらないまま」一年が終わろうとしている。何も起こらないほうがいいではないか?平穏無事にこの一年過ごせたのなら・・・という人もいるかもしれないが、果たしてそういうもんだろうか?いや、そういうもんかもしれないな。あきらめが肝心だ。しかし、毎年この時期になると決まって切なくなるのだ。この一年、オレなりに必死こいてがんばってきたつもりなのに、今年もまたなんの「実り」も、「結果」も出せなかった無力感に襲われるのだ。それに加え、音信不通になってしまった、あるいは東京から離れ遠くの地へと引っ越してしまった友人・知人の顔を頻繁に思い出すのもなぜかこの時期多くなる。こと夕暮れ時などに。精神的にまいってる証拠だな。いや、もともとオケラ以下の精神しか持ち合わせていないフヌケなオレですが・・・
 おとといの夜は渋谷のラストワルツというハコで、雑誌「トラッシュアップ」とのおなじみの共同企画ライヴイヴェント【ニューウェイヴ天下御免】(ちなみにこの「天下御免」とは、オレとトラッシュアップ編集長の屑山さんが共通して好きな映画「トラック野郎」のシリーズタイトルから拝借したもの。改めてここに菅原文太氏のご冥福を祈ります。)の年末スペシャルだった。スペシャルゲストとして散々告知していた通り、オレの敬愛するヒカシューの巻上公一さんをお迎えしたのであった。今回、微力ながらオレなりに告知にも力を入れたつもりだったが、結果的にはそんなものは屁のツッパリにもならなかった。年末スペシャルと銘打った割りには動員がおもわしくなく空席が目立つ客席を前にせっかくお越しいただいた巻上さんに対しても申し訳ない気持ちになった。この失態も、夕べからオレの気分を憂鬱にしている原因のひとつかもしれない。が、終わったことを悔いても仕方がない。
 巻上さんとは以前にも一度、自分の企画のイヴェントに出ていただいたことがあり、今回2度目の共演となった。巻上さんのソロステージ・・・サンプラーや和楽器を使った壮絶な即興ヴォイスパフォーマンスに続き、巻上さんと我がダンボール・バットの即席合体ユニットによるヒカシューのなつかしのナンバー演奏コーナーでは、前回共演の際にやらせていただいた「スイカの行進」同様に今回もなぜか2ndアルバム『夏』に収録の♪「マスク」を所望し、やらせていただいた。文字通り、全員ガーゼマスクを装着し、半裸の男が踊り、獅子舞が客席をねり歩き、かつて段ボール箱と灰皿をぶっ叩いて全英チャートNo1になったフライング・リザーズもビックリのなんともチンドン屋風情的怪演ヴァージョンとなった。巻上さんも楽しんで歌っておられた様子だったので、オレとしてはそれが唯一の救いだった。この歴史的共演を見逃したあなた、また、一生の大損をしましたね!!
 
 イヴェント終了後、バーカウンターでまったりしていた巻上さんとしばしのトーク。一見すると近寄りがたいオーラを発している氏なのだが、話しかければニコニコと気さくに応じてくれる。ニューヨークでレコーディングを完了させたばかりのヒカシューの新作の話から円安に関する経済問題、最近のアイドル事情から五木ひろしの話(?)まで長々と会話を楽しませていただいた。中でも興味深かったのは、ヒカシューのデヴュー当事の逸話。例の、デモテープを近田春夫氏に手渡して云々・・・っていうアレです。あの経緯の詳細を今回ご本人の口から直接お聞きできたことは一ファンとして何よりも感無量でありました。
 「ダンボール・バットいいのになぁ~」と、巻上さん。お世辞とはいえ身に余る光栄。正直夕べのライヴ、自分なりに反省すべき点が多々あり不本意ではあったものの(暴れすぎてライヴ後半に自分のシンセを床に叩き落としておシャカにするという失態も!!)今後の生きる励みとさせていただきます。そして、調子に乗ったオレは翌日巻上さんへのお礼メールの最後に、「是非、ヒカシューの前座を・・・」なんてことを書いて送ってしまったのだった。そしたら巻上さんから「ヒカシューの前座も考えます」だって。グフフフフ・・・。ヒカシューの前座を務めるまで、オレ死ねないな。
 
 夕べはお客さんとして、ダンボール・バットのニューアルバムのジャケ画を描いていただいた逆柱いみりセンセイも来ていただいた(中野のタコシェで展示即売をやっていたご自身の作品が売れたのでなんとか年が越せそう!と言っておられた(笑))。また、同じくニューアルバムの帯のコピー文(推薦文)を無理やり(!)書いていただけることになったコモエスタ八重樫氏も来てくださったのだが、実は氏とは最近フェイスブックで交流させていただくようになって以来その夜が初対面だったのだ。想像通りの雰囲気のある紳士であったことを付け加えておきたい。
 さて、ダンボール・バットのライヴは今のところ3月まで当面予定なし。それなのに、なぜかこれまた不評のソロユニット「ネオン警察」のライヴが年末年始に3本も入ってるってどういうこと?!年末年始の厳かな、あるいはめでたい世間のムードとこれほど不似合いな音楽もあるまいに、ネオン警察なんて。まあ、予定が入ってしまったのだから有難くやらせていただくだけだが。で、肝心のダンボール・バットのニューアルバムの制作状況はどーなってるのってことよね?まあ、誰も気にしてる人などいないと思うけど、その話はまた次回。
 ああ、そうそうカーネーションの大田さんと飲みに行く約束したの、来週。これから日程決めないとなんで、今日はこのへんで!!(笑)。
 それはそうと年越せるのかな、ボク。イロイロ考えると気が滅入ります。







★今夜のBGM★
今夜はヒカシュー三昧です。


---------------------------------------------

▼今後のイヴェント予定▼

---------------------------------------------------------------------

【ネオン警察(リーダーAMIの闇のソロユニット)
ライヴ
ネオン警察:
AMI(唄・テルミン・SAX)、まり(ピアノ from BLACK&
BLUE
12月28日(日)@新宿カールモール

カールモール歳忘れフェス(二日目)
当日券のみ¥2000(+1d代)
<昼の部>
① ⇒ 12:00~12:25 島戸翼
② ⇒ 12:35~13:00 田中一世
③ ⇒ 13:10~13:35 赤木勇司
④ ⇒ 13:45~14:10 Arson
⑤ ⇒ 14:20~14:45 フライダーズ
⑥ ⇒ 14:55~15:20 しんごとひでこ
⑦ ⇒ 15:30~15:55 がんばれ根本くんバンド
⑧ ⇒ 16:05~16:30 イチキ游子
⑨ ⇒ 16:35~17:00 ネオン警察
<夜の部>
① ⇒ 18:00~18:25 ビジュアル系演歌歌手TAKASHI
② ⇒ 18:35~19:00 赤松ハルカ
③ ⇒ 19:10~19:35 NERA
④ ⇒ 19:45~20:10 高橋絵実
⑤ ⇒ 20:20~20:45 蜂鳥あみ太=4号
⑥ ⇒ 20:55~21:20 ルリイロ

1月20日(火)@新宿カールモール
暗黒シャンソン界の貴公子、蜂鳥あみ太=4号との定例2マン!ネオン警察の濃密な世界をタップリと!強力なオープニングアクトもスタンバイ

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから


- - - - - - - -

【ダンボール・バット】ライヴ
3月7日(土)@渋谷「ラストワルツ」
雑誌TRASH-UP!!+DANBALL BAT企画
「ニューウェイヴ天下御免VOL.10」
詳細未定

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから





-----------------------------------------------------------------------

▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


---------------------------------------------------------------------------------- 
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


----------------------------------------------------------------------------------


▼現在発売中のダンボール・バットのアルバム
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※タコシェ(中野ブロードウェイ内)、高円寺「円盤」等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
  DANBALL BAT PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

0 件のコメント:

コメントを投稿