2015年8月11日火曜日

美しき青きドナウがドブ川と化しクーラーの無い湯浅学先生んちとオレんちがヤキトリ・サンバで炎上した渋谷の夜。

 


 薄暗い店内に突如大音響で流れ出す「美しく青きドナウ」。
 ゲゲ~ッ!!!!こんな曲、家で聴いてくれよ!!向こうの席でこちらに背を向けて座ってるデップリとしたオバハンは自分でリクエストした曲にご満悦で雑誌をめくりながらノリノリだ。しかし、なんというゲスな曲なんだ。これまで自分の人生においてこの曲を耳にする機会は何度かあったはずだが、別段さしたる感慨も感情も沸いたことはなかった。が、この時ばかりは青きドナウ川が灰色のドブ川に思えた。ここはオレがお気に入りでよく訪れるウチの近所にある「ルネッサンス」という名曲喫茶。かつて中野サンプラザ近くにあった老舗の名曲喫茶「クラシック」から店内の調度品やイスや柱などの一部を移築して数年前にここ高円寺にオープンした店なのだ。この店から歩いて数分の場所には昭和30年代から品のいいマダムが切り盛りしている名曲喫茶の名店「ネルケン」があり、そっちもオレのお気に入りでよく訪れるのだが、ネルケンのほうは、比較的王道というかオーソドックスな響きの曲が流れているのに対し(一度だけ「カルミナ・ブ
ラーナ」・・・映画「オーメン」の!!)がかかっていて驚愕した記憶があるが・・・)、ルネッサンスのほうは、クラシックど素人のオレの耳にはまるで馴染みのない不思議な響きを持った・・・時にアバンギャルドともいえなくもない曲がかかることが多く、オレの未知の音楽への探究心をくすぐってくれる絶好の場所でもあり、古い雑居ビルの地下の外光も届かぬ淀んだ空気が漂う今にも崩壊しそうなヤニ茶けた店内の雰囲気と相まって気に入っている。日中のクソ労働の帰りに、プチプチというレコードのノイズが混じる未知の音楽を聴きながら薄暗い照明の下で文庫本を読むのがオレのささやかな楽しみなのだが、その日はもうその大音響のドブ川のせいで気分は一瞬で台無しになった。注文したアイスコーヒーを一気飲みしてわずか15分ほどで店を後にしたのだった。
 オバハン、そんなもん家で聴いてくれよ、家で!!!!


湯浅さん:「CD売れてる?」
オレ:「全然売れてません」
湯浅さん:「いいことだよ」
オレ:「そういうもんですかね?」
・・・・・
湯浅さん:「ウチ、クーラー無いんだよ」
オレ:「ウチも無いです」

 
基本的にクーラーのあの人工的な冷感が苦手なのだが、今年こそはクーラーないとヤバイかなと思わずにはいられない熱帯夜が2,3日あった(毎年のことだが)。しかし、なんだかんだ言っているうちに暑さももう峠を過ぎたような気がする。今年も結局買わずじまいだな。あ、上の会話は先週、渋谷で開催したオレ(ダンボール・バット)企画のライヴイヴェントにDJとして来ていただいたときの我が師でもある音楽評論家の湯浅学センセイとのたわいもない会話。今までにも電話でのやり取りは何度かしていたのだが実際お目にかかるのは12,3年ぶりだろうか。渋谷AXでクレイジーケンバンドのゲスト(!)としてダンボール・バットが呼ばれ2000人の客の前でカラオケで「ハロー・ニューヨーク」を歌った時(ケーブルTVでもオンエアされた)に楽屋でお会いした時以来だからねぇ、そりゃ感激だった。けど、話したいことは色々あるような無いような、いざ面と向かうとね、やっぱしゃべれなくなっちゃった。「ヤキトリ・サンバ」?!誰の歌ですか?!見たことも聞いたこともないような怪しげなシングル盤を汗だくんなって山のように抱えて来た湯浅センセイ。次から次へとターンテーブルに乗せては黙々と回している姿が印象的だった。
 肝心のイヴェントのほうは・・・そりゃあ、もう、惨憺たる結果だった(笑)。あ、お客さんの入りがってことよ。ライヴは言うまでもなくみんな最高だった。エーゲ海に蜂鳥あみ太(w/佐藤真也)にシスター・ポール、そして、ダンボール・バット。まあ、ウチは相変わらずヘッポコだったけど。肝心なところでいつも暴走→脱線すっからね・・・。
 それにしても暑かった、特にあの晩は。暑さのせいにするのも情けないが、週末っていうのもいけなかったのかね?クソ暑い金曜の夜に渋谷の駅から外れたライヴハウスくんだりにまで誰が来るかってことだよな。涼しいところでビールでも呑みながらイイ女と映画でも観ながらイチャイチャしてるほうがいいに決まってます。あと、タイミングも悪かった。蜂鳥あみ太もシスターポールもワンマンライヴが近く決まっていたのだった。これじゃますます来ないよな。まあ、とにかく湯浅センセイの選曲といい、内容は素晴らしかった。イヴェント最後のグランドフィナーレではピーターの「人間狩り」(近田春夫&ハルヲフォンがカヴァーしたヴァージョンのリ・アレンジ・ヴァージョン)を我々ダンボール・バットの演奏で熱唱。このシーンだけでも観る価値あったと思うヨ。グラム・シャンソンの蜂鳥あみ太、グラム・パンクのシスター・ポールのススムさん、そして、グラム無国籍(ん??)のダンボール・バットのオレ。二度とないかもしれない地獄の3人衆そろい踏みの図▼。観に来なかったアナタ、また、損しましたね。写真載せておくので、妄想するように。

 あまりの動員の悪さに帰り際に店長に小言を言われるかと覚悟していたが(怒られるのはいつもリーダーの役!!)何も言われなかった。呆れていたのか、無言の圧力か。ひぇ~っ。

 さて、ダンボール・バットの次のライヴは8月22日(土)に六本木の「新世界」というハコで開催される毎年この時期にやっている「音頭ナイト」という名物企画に出ることに。六本木ヒルズの近くらしい。オレには縁もゆかりもない街だな。十数年ぶりか?六本木なんて言ったって伝説のCD屋WAVEとかアマンドとかアン・ルイスの「六本木心中」しか思いつかないよ。ラス・メイヤーの映画観に行ったな。まあ、六本木なんて、所詮なんとなくクリスタル(by 田中康夫)だよ(いつの時代だよ?!)。とにかくその音頭イヴェント、ライヴ中に必ず1曲は「音頭モノ」を演奏しなきゃならないっつうルールがあるらしく今から音頭の練習(笑)。出演者は、DJに知人の清水郷さん、ほか。ライヴはテクノポップ系からセクシーアイドルから昭和歌謡から色々でみんなオレの知った顔(詳細下記)。カレーの屋台も出るみたい。イヴェント自体は夕方5時半くらいから始まって11時くらいまで続くらしい。ダンボール・バットは9:30頃から50分程度のライヴを予定。最近のダンボール・バットのステージにはかかせない埼玉のフェラ・クティことシシハラさん(こまどり社)が今回もSAXで参戦してくれることになった。前売り受け付けてますんでオレ宛にご一報くだされ。
 この音頭イヴェントが終ればひと段落、というか予定がまるでナッシング。ダンボール・バットも、ソロの「ネオン警察」も(蜂鳥あみ太とオレとのカラオケによるアダモ(「雪が降る」の・・・)カバー・ユニット「AMI=あみ太」だけはなぜか10月に1本オファーあり)。なんか、もう今年も終った感が。6月にダンボール・バットの新作「壊れたカセットはAOR」を出したものの、大した反応もなく、売れてんだか売れてないんだかもわからず(まあ、売れていない、と、断言できるが)、相変わらずどこからもライヴのオファーもなく、仕方なく自主企画でイヴェントやって必死こいて告知してもお客は入らず出演者へのギャラで自腹切って、エトセトラ・・・。なんにもいいことない、ダメダメ人生。ああ、ダメダメって言うから余計ダメなんだってね。どんな時にもプラス思考の言葉を言わないとダメだって誰か言ってた。感謝の言葉を。だからこの場合、CD売れなくて有り難う!お客さん入らなくて有り難う!ライヴ呼んでくれなくて有り難う!ということになるわけだな。ガシャーンッ!!!!(テーブルひっくり返す音)そんなこと言う気分になれるかよぉ!!そんな仏のような心、あいにく持ち合わせておりません。新興宗教かよ。
まったく夏だよ、夏。あっちこっちで屋外イヴェントだのが花盛りでしょう?出てみてぇーなぁ。ステージの上で熱中症になってぶっ倒れてもいいから。ああ、せめて、せめてだよ、学園祭くらい出てみたいよ。なんとか美大とかね。美大生だったらセンスいいからさ、ダンボール・バットのこの微妙なセンス分かってもらえるんじゃないかって淡い期待もあるんだけどね(笑)。ほらロキシーミュージックとかさトーキングヘッズとかさワイヤーとかさ、あのヘンのグラム~パンク~ニューウェイヴ時代のモダンでトンガッタ連中ってみんなアートスクール系じゃん?オレも一応ちょっとはそういう方面もかじってるからさ、分類上はアートスクール系だと思ってるんだけどね、ダンボール・バットは。電車賃と弁当代で動きますんで、キミの学校にダンボール・バットを呼んでみないか?女子高大歓迎。落ち込んでいるボクを励ましてください。

追申:ダンボール・バットのニューアルバムへの嬉しいレヴューを偶然発見。勝手にあちこちに紹介させていただいてます。その後、このレヴューを書いてる方と連絡を取ったのだけれど、個人的な趣味で書いていらっしゃるとのこと。それにしては流暢な文章である。オレのデコボコ文章とはワケが違う。是非ご一読を▼





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ダンボール・バットのニューアルバム「壊れたカセットはAOR」、みなさんにはもう聴いていただけたのだろうか?お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。デイスクユニオンでは店頭・通販ともに特典が付く模様(右写真:缶バッヂとCD-R。なくなり次第終了)。アマゾンは送料タダタワーレコードも1500円以上はたしか送料タダ(店頭でお買い上げの方にはCD-R付きます)。また、名古屋市今池の中古CD店「ワイルドハニー」さんと、京都市の市役所近くの中古CD&古書店「100000tアローントコ」さんの店頭でも取り扱い開始しましたのでお近くの方は是非!また、京都「トランスポップ・ギャラリー」東京・中野の「タコシェ」ではCD及びオリジナルTシャツ販売中です。高円寺「円盤」にもCD入荷しました。JET SET RECORDHMV、他でも販売中!
※Tシャツご希望の方、通販しますよ。ご一報ください。





ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)

全14曲(約1時間収録)/1500円+税/
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫

解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>




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★今夜のBGM★
六本木といえば忘れちゃいけないこの名曲!!小林克也が率いた名グループ「ザ・ナンバーワン・バンド」の1stアルバム収録のゲイ・カップルが歌うイナセなGS歌謡ナンバー!デュエットしてんのはサザンの桑田!



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▼今後のイヴェント予定▼

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【ダンボール・バット】ライヴ

8月22日(土)@六本木「新世界」
【音頭ナイト2015】

※ダンボール・バットはPM9:30~約50分のステージです。
PM17:30 OPEN PM23:00 CLOSED
予約¥2500+1d 当日¥3000+1d

DJ:清水郷/スモール出版DJ課/はかせ
<ゲストDJ>珍盤亭娯楽師匠
ライヴ
①装置メガネ<テクノポップ>
②その名はスペィド<セクシーアイドル>
③サロメの唇<昭和歌謡>
④ダンボール・バット<無国籍>

※カレー屋台の出店あり

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから。当日お昼まで受け付け!




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追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)
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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト

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