2015年9月1日火曜日

堕ちるところまで堕ちればよいと、阿部薫と鈴木いづみの亡霊にほだされて8月に忘年会やる阿呆者どもの夜。



 天気もまあまあだし、簡単昼飯を済ませたあとどっかフラっと散歩にでも行きたくなった。唐突にジャズ喫茶でも行ってみてぇなぁ、と、オレのこの頃のやさぐれた気分がそんな考えを起こさせる。名曲喫茶もいいが、やっぱりこうクサクサする日はジャズ喫茶だろう。凶悪なジャズにオレのフヌケな横っ面を張ってもらいたい。昼真っから薄暗くってタバコの煙がもうもうと立ち込めて鼓膜が破れるぐらいの爆音で中上健次みたいなオッサンが店の隅っこで目閉じてしかめっ面で腕組みして聴いてるような、落書きだらけの便所ではラリってるやつが便器に座ったまま呆けてるような、そんな阿部薫の亡霊が棲んでそうな、そんな鈴木いづみが素っ裸に毛皮だけ羽織って冷めた珈琲運んでくるような、そんな店あったら行ってみたいもんだ、と。
最近、ジャズ評論家の故・平岡正明の著書が面白くって立て続けに何冊も濫読している影響で一丁前にジャズを聴くようになった。で、ジャズ喫茶にも興味が沸き、といってもどこにジャズ喫茶があるのかも分からずネットで調べてみたところ、都内および近郊のジャズ喫茶を紹介しているいいサイトを見つけた。そのサイトの主が実際足を運んでみての感想や思い出話が店の写真とともに書き添えられていた。が、よくよく読んでいくうちに分かったことは、その大半がもう店をたたんでしまっていて現存しないということだった。がんばって営業を続けている店もちらほらあるにはあるようなのだが、もう昔の雰囲気のまま頑固なジャズファン相手に硬派な営業を続けている店は皆無に等しかった。ジャズは主役から脇役に、単なる「BGM」に成り下がり小奇麗なフツーの喫茶店と化してしまっているのが実情のようだ。うむ。無念だ。ひじょうに無念だ。60年代~70年代にかけてはそこいらじゅうにジャズ喫茶があったと、かの平岡氏のジャズ喫茶に関する著書には書いてあった。石を投げればジャズ喫茶に当たるようなそんな時代があったのだ。羨ましい。妬ましい。そんな時代に生きたかった。そんな時代に生きて取っ組み合いのケンカをしたかった(ケンカなんてしたことないくせに!!)、熱い激論を交わしたかった。

 
 せっかくのたまの休みだというのに、あれもしなきゃ、これもしなきゃ、ええとどれからやればいいんだ?と、あたふたしているうちに、結局なにもろくに手がつかずもう窓の外は暗くなってきた。おまけに小雨がぱらついてきた。結局、ジャズ喫茶は断念したが、名曲喫茶はおろか近所のコンビニすらへも行かず一日中家に引きこもっていた。いかん、いかん。ますますクサクサしてくる。クサクサして腐ったミカンになりそうだ。プシュ~っ。冷蔵庫の奥に1本だけ残っていた缶ビールを引っ張り出してきて栓を開ける。このまえ飲んだ「インドの青鬼」とかいうエールビールは美味かったな。缶ビールなんだが、アルコール度数高め、ホップ臭強め、苦味強め、そしてコク深く、色がビタミン剤を飲んだ翌朝の小便のようなオレンジ色していた。それに比べると、プレミアムと謳ってはいるがこのサントリーのモルツが炭酸麦茶のようにしか思えない。オレは量は全然飲めないが味にはうるさいよ(笑)。酒好きのくせに苦味の強いビールは苦手ってヤツいるけどオレは好きだね。苦いの。オレの人生と同じだよ。
 
 ビール呑みながら、エリック・ドルフィーでも聴けばよかったものを机の上のガラクタの山の下敷きになってた「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」を引っ張り出してきてCDプーヤーに放り込んで聴き出した。2012年初頭にリリースした我がダンボール・バットのアルバムだ。なんかちゃんと通して聴くの1年ぶりぐらい。1年間を置いて聴くと意外と新鮮なもんだな。完成当初は気になって仕方がなかったあちこちの「ほころび」も今聴くと気にならない。とは言え、何度聴いてもデモテープ聴いてるような粗悪な音だね(笑)。ド素人(オレ)とオンボロ機材による録音じゃいたしかたないとはいえ、21世紀の音じゃないよね。まあ、それが魅力と言ってくれる人もいるにはいるが、もうちょっとなんとかならなかったものかと悔やまれる。それにしても音詰め込み過ぎじゃねぇか?(笑)なにを今更。だって全曲、飽和しているよ。気がつけば、全曲「ウォール・オブ・サウンド」by フィル・スペクターだ(笑)。これ聴いてから最新作「壊れたカセットはAOR」聴いたら、まるで三味線と歌だけのシンプルな長唄か端唄のように思えてきて、その音の隙間の多さが逆に不安になってくる(笑)。
 いやあ、でも曲はそう悪くないよ、馬鹿ヌーヴェルヴァーグ。自作曲の中でも1、2位を競うお気に入りのグラムロックとAORの融合を試みた名曲「シュトラウスは夜に殺せ」とか70年代末期のデヴィッド・ボウイのアルバムのアウト・テイクナンバーという設定で完成させた「ドライ・フルーツ/ドライ・サン」が入ってるし、エコダムド(現・イライザ・ロヤル&総括リンチ(なんちゅう名前だ!))のイライザ姉さん(モノホンのSM嬢ですヨ!)とのデュエット曲「アポカリプスDO or DIEなんて聴いてたら熱いものが込み上げてきて危うくビールがしょっぱくなりそうになったくらいだ。もし、こんなCDオレが聴かされた日にゃ、いてもたってもいられなくなって速攻対バンを申し込みたくなるけどね!!あん?!言ってることがよくわかんない?!まあ許してくれ。というか、これ聴いて是非対バンしたいと思ってくれる人はないないのかね?まあ、いたら今頃ライヴのオファーがとっくに来てるよな。そんなオファー発売以来1件もなかったし、このアルバムに関する感想を綴った文章をネット上で目にしたこともない。こういうのを黙殺っていうのか。リリースしてまだ2ヶ月くらいしか経っていないが、すでに最新アルバム「壊れたカセットはAOR」も同様に黙殺されようとしている。世知辛いもんだ。

 先週末、ここ高円寺は毎年恒例の「阿波踊り大会」で街中が戒厳令のように騒然としていた。そんな馬鹿騒ぎ台風一過の夕べ月曜の夜、寂寥感漂うガラガラのコンクリート打ちっぱなしの居酒屋で我がダンボール・バットの一足も二足も早い「忘年会」を開いた。はじめ串揚げ屋を狙っていたのだが予約で満席で入れず先日カーネーションの大田さんとサシで飲みに行った地下の海鮮系居酒屋に入ったのだった。参加したのは主要メンバーの5人。え?忘年会っておかしいんじゃないのって?いえいえ、だって、もうライヴの予定が1本も入らないんだもん。だから今年はもうおしまい(というか来年ももうないんじゃないかって気がするが・・・)。もう出られるハコもないしね。いざとなったら高円寺の駅前で路上ライヴでもやるか?とメンバーに言うオレ。そういえば、昔、音楽評論家の.T氏に言われたのを想いだした。青い部屋(現・ラストワルツ)でT氏がブッキングやってた店の末期に出演したのだが客が全然呼べなくてね、「路上でやれよ」ってメールで言われたのを今も覚えてる。ろくでもないヤツだよ、あのオヤジ。まあ、いいだろう、堕ちるところまで堕ちればいいんだろう?路上。ジャック・ケルアック。上等じゃないか。
 結局大した話もなく飲んで食って終ったね、忘年会。7インチレコードつくりてぇーな・・・カネ無いじゃん。ライヴやりてぇーな・・・出るところ無いじゃん。CDも売れてねぇーな・・・まあ、当然だよな。ツアーでも行くか?・・・バス酔っちゃうからね。

久々に、ダンボール・バットの新曲が出来た。近田春夫の歴史的名盤「天然の美」のアウトテイクナンバーみたいなニューウェイヴ歌謡。ベースは思いっきり歪ませてジャン・ジャック・バーネル(ストラングラーズ!)みたくしたいのだが。
ビールが無くなったので、このへんで。
ライヴ・オファーお待ちしております。



追申:
2000年前後に録音したデモ音源とライヴ音源計14曲(71分)を収録したCD-R再発しました。注文受けてからの受注生産です。15年前のチープな音源ですのでそのへんはご理解ください。税込み1000円。送料はサービスしますが、振込み手数料はご負担ください。ご希望の方はご一報ください。




-------------------------------------------------------------------- 
ダンボール・バットのニューアルバム「壊れたカセットはAOR」、みなさんにはもう聴いていただけたのだろうか?お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。デイスクユニオンでは店頭・通販ともに特典が付く模様(右写真:缶バッヂとCD-R。なくなり次第終了)。アマゾンは送料タダタワーレコードも1500円以上はたしか送料タダ(店頭でお買い上げの方にはCD-R付きます)。また、名古屋市今池の中古CD店「ワイルドハニー」さんと、京都市の市役所近くの中古CD&古書店「100000tアローントコ」さんの店頭でも取り扱い開始しましたのでお近くの方は是非!また、京都「トランスポップ・ギャラリー」東京・中野の「タコシェ」ではCD及びオリジナルTシャツ販売中です。高円寺「円盤」にもCD入荷しました。JET SET RECORDHMV、他でも販売中!
※Tシャツご希望の方、通販しますよ。ご一報ください。




ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)

全14曲(約1時間収録)/1500円+税/
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫

解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>




---------------------------------------------


★今夜のBGM★
手前味噌ですみません。全然「イイネ」が入らないので「イイネ」してください(笑)。オレの闇のソロユニット「ネオン警察」の7月に新宿カールモールでやったライヴからのワンシーン。10分越えの大曲で浅川マキとアート・リンゼイに捧げた「キャバレェは雪国」のダイジェスト映像。ギターのチューニングはしてません。あしからず。




---------------------------------------------

▼今後のイヴェント予定▼

---------------------------------------------------------------------

【ダンボール・バット】ライヴ

未定(オファー受付中)

ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから。当日お昼まで受け付け!




-----------------------------------------------------------------------
追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)
-----------------------------------------------------------------------


▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


---------------------------------------------------------------------------------- 
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト

0 件のコメント:

コメントを投稿