2013年10月20日日曜日

電車のヨッパイの寝小便がモハベイ砂漠で濁流と化しオレとジョン・ファンテを押し流した夜。


  先日の朝、奴隷農場(会社)へ向かう地下鉄の電車の中で寝小便を垂れ流しているヨッパライに遭遇。都心に向かうのとは逆方面へ行く電車なので座席も空いていたりして結構ガラガラなのですが、それでも客はそこそこ乗っていました。オレの座った同じシートの右側2人分空けた場所にそのオッサンはふんぞり返ってイビキをかいて寝ていました。オレは本を読んでいたのですが、床の上を右方向からオレの足元に向かってチョロチョロと何やら水が。あん?・・・その日はたまたま雨だったので誰かの傘から流れ落ちた雨水かと一瞬思ったのですが、それにしては勢いといい水量が多過ぎる。咄嗟にイヤな予感がし、そのオッサンの股間をはたと見やれば、穿いているジーパンはすでに濡れて変色し、その股間からは噴水のように小便がピューピュー噴出中!!ひぇ~っ!!他の客は誰も気付かず、もちろん、オッサンは爆睡中。夢心地ん中、ひとり気ままに放尿の快感をむさぼり中!!クソなんてこった!!オレのクツに小便の濁流が着水するか否やの間一髪のところでオレは席を立ち隣の車両にあわや緊急避難。車両を隔てるドアの窓越しに、もといた車両の床を見れば、小便の水脈がすでに右に左に何本も伸びていて、それが小便だと誰も気がつかず、向こうの方ではOLのオネーちゃんやらサラリーマンがぴちゃぴちゃ平気で踏んづけてる有様。ご愁傷さま、と、ひとりほくそ笑むオレ(悪いやつ)。
 とんだずぶ濡れのレイニー・モーニング。寝小便野郎に、オレの貴重な読書タイムを邪魔されましたが、オレは再び読書を開始。ジョン・ファンテ著「小便・・・」、じゃなくて「塵に訊け!(ask the dust)」('39)(DHC出版/都甲幸治・訳)。まずタイトルがいかしてます。そこいらの無神経な阿呆に物事の真理を尋ねたり人生相談を持ちかけるくらいなら、使い終わったティッシュだの履き古したスリッパだのテーブルの上に落ちてる鼻毛だの塵(ちり)にでも訊いたほうがマシってことは日常茶飯事。わかります。このタイトルのセンスだけでどんぶり飯3杯はいけます。まあ、それもそのはずで、わが師、かの偏屈(?)なブコウスキーが絶賛し、自ら生涯影響を受けたと語る作品らしいのですが、まあ、そういう鳴り物入りのものに限って実際たいしたことなかったってのはよくある話。なので、正直全く期待していなかったものの、ブコウスキーが本書に寄せた冒頭の「序文」を読んだだけで感無量で、それだけでも既に“元”が取れた気分に。先の朝の寝小便事件の日には、まだ読んでいる途中だったのですが、実はつい3日ほど前に読み終えたところ。端っから期待していなかったのがよかったのか、顔面に予想外のジャブを喰らって軽く打ちのめされた、と言ったところでしょうか。ブコウスキーが影響を受けたと語る理由もよく分かる気がしました。それは、言い回しや文章の端々に見て取れます。ブコウスキーの未発表作品を読んでいるような錯覚に陥る瞬間もありました。冷めた視線、そして非常に表面は乾いているのに気がつけば毛穴からじっとりとどーしようもない何かが入り込んで来るようなやるせなさ。通奏低音のように漂ってる「出口なし」、って気分は今のオレのどーにもやり場の無い気分にも自然と重なってくる。数行毎にニヤリとさせられたり一転して凹まされたりして、この世はしょせん雑巾で煮出したコーヒーの味以下と、合点させられる。時たまこの主人公がオレの同胞のような気がしてくるからさらにたまったもんじゃない。ブコウスキーに比べれば、幾分冗長に感じる部分やセンチメンタルに流され過ぎか?と、感じる部分も確かにありました。が、そういう部分を差し引いても、本書に出会えたことはブコウスキーの文学的なルーツを知る上でも、またオレにとっての人生の糞尿・・・いや“コヤシ”としてもそれなりの収穫だったと言えるでしょう。ブコウスキー好きなら一度は読んでみて損はない一冊だと思いますが、如何か?
 しかし、これ、ブコウスキーを一度も読んだことがない連中がいきなり読んでも楽しめるのだろうか?というのがオレの素直な感想です。それに、平和ボケで毎日のほほんと暮らして流行りものばっか追っかけまわしてTVの芸能人見て「今でしょう!」「じぇじぇじぇ!」とか言ってゲラゲラ笑ってるような神経の繊維の束が100本ほど足りていないような連中が読んでも何が面白いのか多分さっぱり分からないんじゃなかろうか?まあ、そういう連中は端っからこんな本を手に取ることもないのでしょうが・・・。毎日生きるのが塩っ辛い、体中見えないアザだらけ、ってなオレみたいなドン底の甲斐性なし阿呆向き“裏・文科省推薦図書”。ホロ苦くってホロ渋い青春の書、とも。

 さて、先日、渋谷は「ラスト・ワルツ」というハコでわが屁っぷりバンド「ダンボール・バット」のライヴをやってきました(写真提供:小宮氏)。実はこのハコ、以前は「青い部屋」という全く別のハコで、その「青い部屋」時代にはさんざんライヴをやらせてもらっていたのですが、経営者も内装もガラっと替わり「ラスト・ワルツ」という名前に生まれ変わってからは初めての出演でした。「青い部屋」の頃はオーナーだったシャンソン歌手の戸川昌子さんの趣味というか戸川さんのキャラがそのまま反映されたようないかがわしい雰囲気がウチのバンドにはピッタリだな、などと思っていたりもしたのですが、新しく生まれ変わった店は一転してシックでアーバンでカフェ・バーちっくなおしゃれな作りに。昔の怪しい面影は見る影も無く、なんとなく一抹の寂しさを感じたものですが、以前に比べステージや楽屋が広くなり、また、音響的にもやり易かったのは幸いでした。
 それよりなにより、「ノルマなし」「機材費なし」っていうのが最高に有難かったのでした(たまたまこの日だけ、というのではなく、基本的にそれがお店のシステムなのだとか!)。しかも、メンバー分のドリンクまで頂いて!今、ライヴハウスの数はオレが20代だった昔に比べれば比較にならぬほど、それこそ掃いて捨てるほどの店がこの東京だけでもあちらこちらにひしめき合っています。それなのに、そのほとんどが、未だにクソ高いノルマを一方的に出演者に押し付けて殿様商売している鼻持ちならない奴らばっかりと聞きます。なんですか、ノルマって?!保険会社のセールスマン?!セールスマンだってノルマ達成したらボーナスとか報奨金が出ますが、ノルマ達成して当たり前ってツラしますからね、そのへんのハコの連中は。達成できないと、ヤクザのような態度に出てきたりもする。何様なんでしょうか?早く潰れればいいのに、そんな店。まずは、店側も集客努力をすべきで、「ああ、店も頑張っているんだからこっちも頑張って客呼ばなきゃなあ・・・」って出演者側もなるんではないか、と、まあ、どんなに逆立ちしてもたいした集客力のないバンドのリーダーであるオレがそんな精神論言ったところで説得力もクソもないのですが(トホホ)・・・。
 案の定、この日の集客は・・・・・・申し訳ない!いやいや、ウチだけじゃない、他のバンドも全然客呼んでいなかったなあ。ウチと同罪やね。演奏と演奏の間もまるで水を打ったように静まり返ったガラガラの客席が、ジャックスの「マリアンヌ」の世界のような暗く深い海の底を思い起こさせるライヴとなりましたが、ステージ自体はまずまずで、最大の不安だった新曲「流刑地から」もノーミスで歌いきり、ほっと胸を撫で下ろしたのです(本文下「今夜はBGM」で同曲のステージの映像がご覧いただけます)。
 アルバム「サイレン」時代の我が師、ブライアン・フェリー(ロキシー・ミュージック)を意識したつもりのこの日のオレの衣裳は百歩譲っても中年のオカマのボーイ・スカウト風情。生まれて初めて塗った黒い口紅もイカスミ・パスタ喰ってきました的錦糸町あたりのショーパブに出てる偽ニューヨーク・ドールズくずれ。まあ、いいでしょう。許し給え。
 そして、ポジティヴ・パンク化した初期ヒカシュー(うまい例えが思いつかずスミマセン)を思わせる不思議な世界を聴かせるのは、ウチのバンドの次にステージに登場した漫画家・逆柱いみり先生率いる3ピースバンド「漏電銀座」。ダンボール・バットに対抗してか(?)、普段は温和な先生のいつになく激しいパフォーマンスが目を引きました(!)。次回、11月19日(火)東高円寺のUFO-CLUBでの雑誌「トラッシュ・アップ!!」とダンボール・バットとのシリーズ企画イヴェント【ニューウェイヴ天下御免VOL.5】にも登場いただく「漏電銀座」。新曲がなかなか出来ないと嘆いていらっしゃったいみり先生ですが、次回のライヴでは最強の新曲を披露してくれることでしょう。楽しみです。と、先生にはプレッシャーをかけておきましょう。ハハハハハハ。
 秋、かしこ。

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次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:

11月19日(火)@東高円寺「UFO-CLUB」
http://www.ufoclub.jp/
雑誌「TRASH-UP!!」&ダンボール・バット共同企画
【ニューウェイヴ天下御免VOL.5】
※DJ:屑山屑男(TRASH-UP!!編集長)
※出演:ダンボール・バット、漏電銀座(逆柱いみりバンド)、他調整中

PM18:30 OPEN /PM19:00 DJ START /PM19:20 BAND LIVE START
PM10:45 CLOSED
前売¥2000 当日¥2300 +それぞれ要DRINK代¥500

前売りのご予約はここをクリックして専用フォームからどうぞ



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★今夜のBGM★
上記ブログでも触れました、先の渋谷「ラスト・ワルツ」でのダンボール・バットのライヴから最新ナンバー♪「流刑地から」をどうぞ。この世の果てまで枯れ果ててますな、こりゃ。


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ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中(サポートOK)!
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2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))






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▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス] ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ----------------------------------------------------------------------------------  ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326 --------------------------------------------------------------------
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