2013年10月1日火曜日

便所の鏡に映った白髪のニック・ロウと自分の顔を重ね「出口なし!」と叫んだ夜。


 ビルボードTOKYOのライヴ情報が載った10月号の冊子。表紙には見慣れないメガネをかけたまるで鳥の剥製かになかを思わせるような眼光だけは鋭い白髪の老人がこちらを向いている。有名なJAZZマンか?と思った瞬間、写真の下の文字に愕然となる。そこには「Nick Lowe」・・・と。いや、名前を観てもオレはその写真に写る老人がニック・ロウとは信じ難かった。が、時間は確実に流れているのだ。あのニック・ロウも歳をとり、そして、オレも同じぶんだけ歳を取るのだ。
 便所の鏡に映った中年の男。憔悴しきっている。この馬鹿者。オレ。気がつけば最近では髪の毛だけでなく鼻毛にも白いモノが混じるそんな歳になってしまった。なにやってんだ、阿呆。目下、自分で勝手に増幅させたストレスに押し潰されそうになってる馬鹿者。オレ。いうなれば、自分宛にクソ意地の悪い手紙を毎日毎日何十通と書き、それを自分でまた読んで腹を立てたり凹んだりしているようなもの。思考が感情を生むのだそうだ。その感情が腹を立てたり凹んだりさせるのだ。その思考を日々瞬間瞬間作り出しているのは紛れも無い自分。自分の周囲で起きている様々な事柄。それらを事実は事実として受け止め、受け止めたらそこでSTOPすればいいものを、ご丁寧にもその事実に対して、いろいろ在らぬことを妄想したり自分の現在置かれている状況と比較したり行く末を案じてみたりetc・・・。それが思考。しかもほとんどがオレの場合は「負」の思考。そんなゴミのような思考が次から次へと沸いて出てくるから、当然それに対しての良からぬ感情がまたどんどん生み出される。そして、疲れ果てる。自分で自分の首を絞めているというのはそういうこと。放置しておけばいいのに、物事を頭の中でグチャグチャグチャグチャと泥ダンゴよろしくこねくり回して事態を悪化させる悪いクセがオレには昔からあって、それがオレの精神を疲れさせる。強力な「負」の回路のようなものが頭の中にあって勝手にスイッチが入り、サンプラーのループ機能よろしく延々とエンドレスで頭の中をグルグルまわりやがてその周りの塵のようなものまでもを巻き込んで雪だるま式にどんどんそれはふくれあがってゆく。頼んでもいないのに。なんでもかんでも物事をマイナスに考える。人に言わせればそれもある意味「特技」だと。そんな有難くない特技、どこでいつ身に着けたのか。ほんとうに辟易する。また他のひとに言わせればそれは「繊細な神経の持ち主だっていう証拠」などとも言われるが、繊細さにも程があるっていうもんだ。日頃、無神経なヤツを観ると腹が立つが、最近はそういうヤツらが少し羨ましい。とにかく今のオレに必要なのは、ムダな思考を1分でも1秒でもいいから遮断すること。STOPすること。このままいくと、フクシマゲンパツよろしく、待っているのはメルトダウンのみ。馬鹿たれ。しっかりしろ。
 
 さて、しみったれた話題はこのへんにして、本日、近所の音楽スタジオへ録音機材を持ち込んでこもること3時間。メンバーらとともに、ウチのバンド「ダンボール・バット」の最新ナンバー『流刑地から』のデモ音源の録音と、簡単なイメージヴィデオ用の撮影を行ってきました。今度の10月14日(月・祝)、渋谷ラストワルツでのライヴ(ライヴ情報、詳細を更新しました。下記を参照ください)で初披露予定の曲でもある本曲は、イントロや間奏にオレの枯れたピアニカをフューチャーした夏の終わりに書き上げた少々物憂げでアーバンなナンバー。ここ最近、キーボードが抜けてからというもの、その穴を埋めるが如く、勢いにまかせた少々荒っぽいステージとやや激しい調子の曲ばかりが目立っていたので、このへんでちょっと趣(おもむき)のある曲をやりたくなり作ったナンバーでもあります。もしこの曲がシングルレコードで発売されていたらというコンセプトで勝手に作ったジャケット写真を載せておきます(昔の角川映画のパンフみたい・・・)。「パラダイスは時として火あぶりさ/異教徒どもの馬鹿騒ぎ・・・」という歌い出し始まるこの曲。楽園と地獄(流刑地)は紙一重だと、なんだか分かったような分からないような深いような深くないような理屈で書いた歌詞は、フランスの60年代末から活動している異才、ジャック・イジュラン(息子はフランスのトム・ウェイツこと(?)アルチュール・アッシュ)の♪「流刑地カイエンヌ」という曲を聴いて思いついたもの。いずれにせよ、音源と映像が完成したら改めてご紹介させていただきます。
 ところで今日の録音は、去年リリースしたダンボール・バットの問題作にしてケツ作アルバム『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』の録音以来の久々のレコーディングでありました。あのアルバムを録音したのと同じスタジオ、同じドラムセット、同じマイクなのに、なぜか今日録音したドラムの音のほうが格段にイイのです。しかも、アルバムの時はドラムに8本もマイクをおっ立てて、なかなか音が決まらずあーだこーだマイクの角度を散々いじってみたり手間ヒマかけた割に結果的にはあまり満足のいく音には録れなかったのに、今日は、半分のたった4本しかマイクを立てずしかもほとんどその後マイクの調整もしていないのにこんなにイイ音。理屈的にはマイクが増えるほどイイ音(豪華な、とか、迫力のある、とか、そういう意味で)に録れると言われていますが、素人が生半可にマイクの本数を増やしてもあまりいい結果が出ないとも聞きます。まさに、今日は、それを実感したところです。
 ついでに少々技術的な話をすると、今日の録音方法は、ドラム、ベース、ギターという基本のパートを「せーの!」で同時に録る、いわゆる一発録音(歌やピアニカは後からかぶせる)というやつでした。通常は、レコーディング前に、オレが曲の入念なカラオケを打ち込みで作っておき、それを聴いてもらいながらそれに合わせてまずはドラムだけを録音。その後、ベース、ギター、etc、と重ねていく「多重録音」という手法でやるのですが、この録音の際のガイドとなるカラオケ作りが根気と時間を要する半端ない重労働。そのため、レコーディングの始まる前からもう既に疲労困憊しており、さらにその後の血ヘド吐く地獄のような本番のレコーディング作業、オーバー・ダビング作業、ミックス作業等々に明け暮れる日々のことを考えると、もう二度とレコーディングをやろうなんて気持ちはコオロギのツメの垢ほども起こらなくなるのです(前回のアルバムの地獄のようなレコーディングの死闘の日々は当時のこのブログで読めます)。ところが、本日は、そんなカラオケなども一切用意せず、デモだからというどこか肩ヒジ張らない気持ちもプラスに転じたのか、またさきほど触れたマイクの問題も含め全ていい方向へ結びつき結果それなりにクオリティの高い録音が出来たということは驚きでもありました。これらの事実に少々自信のようなものが芽生え、この調子なら、いままでのレコーディングのように無駄に時間や労力を浪費せずともコンパクトにかつ最良の録音が出来るかもしれない。と、レコーディングなんてもう二度と御免だというオレのかたくなな気持ちが少々揺らぎ始めた秋の夕暮れ。暗闇の向こうにいちるの望みのようなものが見えたような気もした本日のレコーディングでした。
 
 で、来年はアルバム作りますか?今度こそ、ラストアルバムになるかもしれません。いやはや、実は、アルバムのタイトル候補だけはすでにいくつかあるんですが・・・。例えばこんなの。「出口なし」(No Exit)・・・(笑)。まさに今のオレの心境。出口なんてどこにもないんだから。クソ!!

▼10月14日(月・祝)@渋谷「ラスト・ワルツ」でのライヴ情報更新しました。ダンボール・バットの出演時間はPM7:20頃~です。当バンドの次に、本ブログのTOP画を描いていただいた、漫画家・逆柱いみりセンセイ率いる3ピースバンド「漏電銀座」のステージとなります。是非!

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次回「ダンボール・バット」ライヴ情報:

10月14日(月・祝)@渋谷「ラストワルツ(旧「青い部屋」)※JR渋谷駅東口より六本木通りを青山方面へ直進徒歩約6分
【東京電極VOL.14】
PM5:00 OPEN / PM6:00 START
※当ダンボール・バットの出演時間はPM7:20~。
競演>
▼漏電銀座
(当ブログのページTOP画も描いていただいたマンガ家・逆柱いみり先生率いるバンド)
▼谷口マルタ正明(プノンペン・モデル)+山口慎一(ヤプーズ)+岩下達朗(VJ)
▼OMODAKA(寺田創一ユニット)、他
前売予約¥2000、当日¥2500(各別途Drink代500円要)

前売りのご予約はここをクリックして専用フォームからどうぞ

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11月19日(火)@東高円寺「UFO-CLUB」
雑誌「TRASH-UP!!」&ダンボール・バット共同企画
【ニューウェイヴ天下御免VOL.5】
※DJ:屑山屑男(編集長) ※出演者調整中

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★今夜のBGM★
もうどーにでなれって気分の土曜の夜、ムシャクシャしてたまたま入った場末のロック・バー。ぬるいビールをちびちびりやりながらステージに眼を向ければ・・・。そんなシチュエーションで演奏してそうなのはきっとこんなバンドじゃないか。たまにどーでもいいような古いロックが聴きたくなる。たとえば、こんなバンド。ちょっとイキがって背伸びしてワルぶってるようなVoは金八先生に出てたころの川上麻衣子か。1分20秒でのカノジョの意表を突く仕草に萌え。手堅いバックの演奏も完璧。オーストラリアのグループらしいッス。
♪Boys in Town / DIVINYLS('81)


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【お知らせ】
ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中(サポートOK)!
お気軽にお問い合わせください。
こちらから▼
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P39590588

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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DBEFLVK/
▼ディスクユニオン
ttp://diskunion.net/portal/ct/detail/IND12849

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))






◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス] ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ----------------------------------------------------------------------------------  ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326 --------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新PV▼ 「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)   ▼DANBALL BAT最新PV▼ 「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)   ▼DANBALL BAT最新PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 










  

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